親子で夏休み自由研究旅!発酵食をテーマに体験型旅行で五感で楽しむ夏旅のすすめ

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夏休みの宿題の定番といえば「自由研究」。自由と言われると逆に頭を悩ませてしまいがちですが、
せっかくなら子どもの興味に合ったテーマを選び、親子で一緒に楽しみながら取り組みたいですよね。研究テーマとして小学生に人気のテーマの一つが「食」。さまざまな発酵文化が息づく福井では、体験しながら学ぶことができる自由研究にぴったりの食スポットが充実しています。夏休みは親子旅を通して、思い出をつくりながら楽しく福井で発酵食を学ぶのはいかがでしょうか。今回は4人家族の小学4年生の明穂ちゃんとお母さんの由紀さんが福井を旅します。さあ、冒険の夏のはじまり、はじまり~。

親子で夏休み自由研究旅!発酵食をテーマに体験型旅行で五感で楽しむ夏旅のすすめ

【福井市米五の味噌蔵見学】永平寺御用達の味噌蔵見学。今日からあなたも味噌博士!

発酵食の代表と言っても過言ではないのが「味噌」。訪れたのは、福井市の味噌製造会社「米五」が運営する味噌のテーマパーク「みそ楽」です。ここでは味噌の量り売りや味噌に関連する商品が購入できるほか、随時味噌蔵の見学や味噌づくり教室など、さまざまな味噌体験ができます。


隣接する味噌蔵では米五オリジナルのみそ学本を片手に、米五の歴史や味噌づくりについて学んでいきます。米五の味噌はなんと大本山「永平寺」の御用達。永平寺の味噌を仕込むときは永平寺から台所をつかさどる典座老師(てんぞろうし)という役職の僧侶の方がいらっしゃるとのこと。立派な木製の味噌樽が目に留まります。専用の味噌樽を間近で見たり種麹を実際に触ったりしながら、味噌づくりの工程順に案内してもらいました。


そうそう、福井県嶺北(れいほく)地域の多くの小学校給食で使われるお味噌は米五さんのものだと知っていましたか。最近は出張味噌教室で学校でお話することも多いそう。普段食べているお味噌について改めて振り返る貴重な機会になりますよ。

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「みそ楽」でオリジナルの発酵ジェラートを堪能

見学後のお楽しみは「みそ楽」で。味噌を使ったオリジナルのジェラートが味わえます。まろやかみそが味噌職人さんの一押し!米五オリジナルの濃厚みそや、なめらかこうじ、みそナッツなどここでしか食べられない気になるジェラートが目白押し。どれも美味しそうで目移りしてしまいます。体験後にぜひ立ち寄ってほしい場所です。

「みそ楽」でオリジナルの発酵ジェラートを堪能

【小浜市とば屋酢の見学】300年の伝統。壺で発酵!古来からの貴重な発酵を目と鼻で体感

次にやってきたのは小浜市にある「とば屋酢」。ここは日本古来の酢の醸造法を継承する老舗お酢屋さんです。昔ながらの製法のお酢づくりとは何だろう?と覗かせてもらった場所は酢酸発酵室(さくさんはっこうしつ)と呼ばれる部屋。中に入ると優しいお酢の香りに包まれます。

大きな壺の表面で酢酸菌(さくさんきん)が膜をつくり、ゆっくりと時間をかけてお酢へと発酵していきます。他の発酵食である味噌蔵や醤油蔵などとの大きな違いは表面発酵。酢酸菌は酸素を取り込みながらお酢の元になる甘酒を静かにお酢に変えていきます。発酵に適した一定の温度に保つために大きな壺がもみ殻で敷き詰められています。壺に触るとほんのりと温かい!菌が生きて活動している証拠です。お酢は他の菌に強く、微生物がよりつかないから食中毒防止になるとのこと。昔の人の知恵に脱帽です。


とば屋酢さんの醸造所では試飲体験も。菌の自然な力を借りてじっくり時間をかけてつくるお酢には微量な香りの成分なども取り込まれます。優しい香りとくちどけのまろやかなとば屋酢さんのお酢はほっと身体に染み入りました。


・見学時間

月曜日〜土曜日 10:00〜16:00 所要時間 15分程度

※祝祭日・夏期休暇・年末年始は休業


・見学のご予約・お問い合わせ等は、

携帯・PHSからは0770-56-1514にお願いします。

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ちょっと寄り道。少し足をのばして、とば屋酢酒井店でお買い物

かつてとば屋酢が店を構えていたのは旭座と呼ばれる芝居小屋があった小浜のまちなか。その近くの町家を改装し、2020年から販売専門の酒井店がオープンしました。かつて使われていた暖簾や看板などもあり、300年の伝統と現代を今につなぐ場所です。おすすめは、とば屋酢の調味料を多彩に使った数量限定の町家弁当。「とば屋酢を家庭でもさまざまな料理につかってほしい」という想いでつくるお弁当です。明るい看板娘さんがお酢レシピをたくさん教えてくれるのも嬉しいポイント。見学したあとに小浜のまちなかを町家弁当を持って散策してみては。

ちょっと寄り道。少し足をのばして、とば屋酢酒井店でお買い物

【福井市岩尾醤油の見学と醤油絞り】菌が見える?越前海岸を望む天然醤油蔵で菌を体感

越前海岸沿いに立つ「岩尾醤油」は明治7年創業の老舗。ここでは天然醸造蔵の見学や、醤油作りの工程のひとつである醤油絞りの体験ができます。昔ながらの木造の醸造場に一歩足を踏み入れると醤油の香りが鼻をくすぐり、「うーん、いい香り!」と、思わず声があがります。


まずは醤油の原材料や濃口、薄口などの種類について楽しくお勉強。「この蔵には醤油をつくる菌が住んでいます。天井に白くみえるのがうちの菌だよ」と言われ、思わずみんなで天井を見上げました。


勉強後はいよいよ年季を感じる醸造所の内部へ。一石樽(いっこくだる)と呼ばれる180リットル入る大きな樽で醤油は仕込まれます。140年近く経つ木樽は、壊れたらもう直せない貴重な道具だそう。土壁に囲まれた高い天井の室内に巨大な木樽が並ぶ様は圧巻です!


梯子を登って仕込み中の醤油の様子も見学できます。発酵がすすんでいる時は耳をすますと「ぷつぷつ」と発酵している音が聞こえるそう。この上に立って時々かき混ぜ、全体で発酵させて醤油をつくります。自然のままの温度でつくられているから天然醸造。土壁と高い天井の室内は断熱効果が効いて自然と冬は寒くなりすぎず、夏場も暑くなりすぎません。先人たちの知恵を体感できる場所です。

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アットホームな岩尾醤油は体験盛りだくさん

岩尾醤油は福井市内の一部店舗でしか取り扱いのない小さな醤油醸造所です。瓶詰めも一つ一つ手で詰めます。瓶にお醤油を入れ、瓶にふたをするのもすべて手作業なので、それぞれの道具も体験させてもらえます。アットホームな雰囲気に醤油の味見でも「こっちのほうが私は好き!」など素直な声があがりました。体験の最後には、自分で搾った醤油のマイラベルを手書きで作成。お土産としても最適です。最後に今日勉強したことを復習してくれるのも嬉しいところ。一通りの体験をまとめればこのまま自由研究になる程濃い体験を味わえますよ。

アットホームな岩尾醤油は体験盛りだくさん

【鯖江市ラポーゼかわだ】気分はからすのパン屋さん!色んな形のパン作りに挑戦!

身近な発酵食であるパン作り体験ができるのは、鯖江市河和田にある「ラポーゼかわだ」。源泉かけ流し温泉で、宿泊や日帰り入浴のできる施設ですが、開館当初からパン作りは人気の体験なんですよ。それでは早速体験開始!

パン作りは1次発酵した生地を自由に使ってパンを形成します。生地は普通のパン約4個分くらいの量。あんこ、チョコ、レーズンに色のついたチェリーを自由に使ってパンを成形します。人気のアンパンマンパンのつくり方を説明してもらってスタート。

家でホームベーカリーでパンをつくるという由紀さんの手つきは慣れたもの!秋穂ちゃんも手を動かして工作するのが好きなので、楽しくつくっていきます。


この体験のポイントは、未就学児の子どもから体験ができること。粘土のようにつくれるので遊びの延長で発酵食入門ができます。「ぶどうパンつくる!」「当たりにはチェリー。はずれにはチョコを入れよう!」とアイデアがふくらみます。自由な発想力がこの体験の鍵。福井出身のかこさとしさんの絵本「からすのパン屋さん」に出てくるようなパンがつくれるかも。

家でのパンつくりは準備が大変ですが、必要なものがすべて揃っているのでハードルが下がりますよね。レーズンなどを使ってかざりつけをしたら体験終了です。オーブンから出てきた焼きたてパンは温かくふわふわ。「お土産にしようね」と言っていたけれど食べ始めたら止まりません。自分でつくったパンは思わず笑みがこぼれる美味しさです。

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焼き上げ時間はラポーゼかわだや周りの自然を満喫して

パンが出来上がるまでには2次発酵と焼き上げで約1時間かかります。ラポーゼかわだでは気軽に遊べるバトミントンや、フラフープなどの貸出もしています。ちょっと汗をかいたらかけ流しの温泉に入ることも。他にも全天候型のバーベキュー施設なども完備しているので、バーベキューの間に体験をしてできたてのパンを味わうのもおすすめです。河和田は谷あいの山に囲まれた場所なので、虫取りなどの自然体験をしてもいいですね。

焼き上げ時間はラポーゼかわだや周りの自然を満喫して

発酵食の宝庫福井県で自由研究旅を楽しもう!

今回の自由研究旅は4つの体験を案内しましたが、福井にはまだまだたくさんの「発酵食」にまつわるスポットが点在します。夏休みという長い時間を利用して、さまざまな体験をしてみるのはいかがでしょうか。五感を使って全身で思い切り楽しんだ子どもの頃の学びはきっと一生の宝物になるはずです。