目が離せない!進化し続ける福井の工芸

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福井には、越前漆器、越前和紙、若狭めのう細工 、若狭塗、 越前打刃物、越前焼、越前箪笥の7品目の伝統工芸品があります。また、福井県内で製造されるメガネフレームは国内シェア9割以上を誇ります。これらはいずれも福井の風土と暮らしの中で育まれてきたものばかり。工芸品というと敷居が高いイメージを持つ方がいるかもしれませんが、若い世代にも取り入れやすいスタイリッシュな工芸品が次々と誕生していることをご存じでしょうか?伝統的な技を守りながら、時代に合わせてアップデートされる福井の工芸に注目です!

目が離せない!進化し続ける福井の工芸

日常にも取り入れやすい工芸品

福井では伝統工芸の技術を活かしつつも、現代のライフスタイルにぴったりな商品が続々と誕生しています。どんな商品があるか、その一部をご紹介します。


①「RIN&CO.」

「RIN&CO.」は福井県鯖江市で8代にわたって漆塗りの技術を受け継ぐ「漆琳堂(しつりんどう)」が手がけるモダンな越前漆器。カラフルでポップな漆器は、食卓を彩るアイテムとして若い世代からも人気です。福井県、福井大学と共同開発した「越前硬漆(えちぜんかたうるし)」を使うことで、食洗機にも対応する強度を実現しました。


Column

オリジナルスプーンを作り、拭き漆体験!

越前漆器の木地をつくる会社から生まれた木製雑貨ブランドの「Hacoa」と「漆琳堂」では「Hacoa」でオリジナルのスプーンを作成し、「漆琳堂 」で拭き漆体験を行うことでオリジナルのスプーンを作ることが出来ます。


磨き方ひとつで形、風合いの違いが出てくるのでものづくりの醍醐味を味わうことができますよ!

オリジナルスプーンを作り、拭き漆体験!

②「川崎和男デザイン クレウスシリーズ」

700年の伝統を誇る「越前打刃物」。クレウスシリーズは、越前打刃物を製造する「タケフナイフビレッジ」が福井出身の世界的デザイナー・川崎和男氏とコラボした商品です。刃と柄が一体になった斬新な形は、開発から30年経った今でも人気。職人が1本ずつ手作業で製造しています。ペティナイフを大きくした使いやすいサイズは女性にも人気。また材質はステンレスを使っているので、食洗機にかけても痛まない点もうれしいポイントです。


③「箸蔵まつかん×nendo」

400年以上続く「若狭塗」の産地・福井県小浜市は、日本国内での塗箸の生産量が全国1位!100年の歴史を持つ「箸蔵まつかん」とデザイナー・佐藤オオキ氏率いるデザインオフィス「nendo」のコラボレーションにより誕生した箸は、塗箸の伝統技術と現代のデザインが融合し、スタイリッシュかつ快適な使い心地で、贈り物にもぴったりです。

④「KISSO」

日本最大のメガネ産地・福井県鯖江市にて、メガネの材料商社を営む「KISSO」。メガネフレームの素材である「アセテート」を使ったアクセサリーは、カラフルで肌なじみがよく、驚くほど軽いので女性を中心に幅広い世代から愛されています。同じ色でもひとつひとつ模様が異なるので、違いを探してみるのもKISSOならではの楽しみ方です。


福井の伝統工芸プロジェクト「F-TRAD」

福井では2022年から「F-TRAD」という伝統工芸をアップデートするプロジェクトがスタートしました。「鑑賞のための美術品」ではなく「暮らしのための道具」を作り続けてきた福井の工芸。その特徴を踏まえ、今の時代に合う工夫を取り入れた工芸品を「F-TRAD FOUND」シリーズとしてラインナップしています。


またF-TRADでは、福井にある7つの伝統的工芸品と県外のデザイナーがコラボした新商品「F-TRAD MADE」シリーズも話題になっています。例えば、研ぎ師とデザイナーのコラボにより生まれたニュースタンダードな越前打刃物「HATSU」、石のかけらが持つ素の美しさを活かした若狭めのう細工のアクセサリー「Kakikomi earrings」、越前和紙に特殊加工を施した、土に還るピクニックシート「CITON」など、産地の歴史と技術、そして「これからの伝統工芸のあり方」を感じさせる新しい商品に注目です。



更新している工芸にふれられる場所

アップデートし続ける福井の工芸。その魅力にふれられる場所を紹介します。

「食べて」工芸にふれられる場所 

①ESHIKOTO

2022年にオープンした、黒龍酒造が手がける酒蔵複合施設「ESHIKOTO」。施設内のレストラン「acoya」では、すべての料理が福井の伝統工芸品である越前焼や越前漆器で提供されます。越前和紙を使った壁紙にも注目を。食を通して工芸にふれられるスポットです。

「泊まって」工芸にふれられる場所 

②べにや

2021年にリニューアルオープンした温泉旅館。越前和紙や越前箪笥などの伝統工芸をふんだんに取り入れた館内で、ゆったりとした時間を過ごすことができます。料理にも福井の食材や工芸品を使っており、工芸品のお土産も充実しています。


③SABAE MEGANE HOUSE

福井県鯖江市にある一棟貸しの宿泊施設。越前和紙でできためがね提灯や、メガネ素材でできたランプ、漆塗りが施された美しい床など、福井の工芸がぎゅっと詰まっています。宿泊者はメガネがかけ放題というメガネの産地ならではのユニークな宿です。


「体験して」工芸にふれられる場所

④柄と繪

包丁の柄と蒔絵のギャラリー「柄と繪」では、越前打刃物×漆の体験ができます。職人に直接教わりながら、包丁研ぎと拭き漆を体験!完成品は後日受け取れるので、体験後もおうちで工芸を感じることができますよ。

Column

「柄と繪」では珍しい機械に魅了されながら工房見学ができます!

全国でも珍しい包丁の「柄」を専門に作る「柄と繪」では工房見学が可能です。

工房では柄の形を削り出す珍しい機械が並びます。また、倉庫ではさまざまな種類の木材をみることもできます!国内のみならず、海外から仕入れた貴重な木材など、木工製品を扱う工場の倉庫だからこそ出会えるものもあるかもしれません。 

「柄と繪」では珍しい機械に魅了されながら工房見学ができます!

⑤錦古里(きんこり)漆器店

「錦古里漆器店」では、越前焼に漆を塗る工芸をかけあわせた体験ができます。好きな色の漆を選び、越前焼のカップに刷毛を使って漆を塗ります。熟練の職人に教わりながら体験できるので、初めてでも安心です。

Column

レクチャー&木製トレーの拭き漆体験も実施中!

錦古里漆器店では越前漆器についてのレクチャーを受けたあと、お好きな木製トレーに漆を塗ってオリジナルの木製トレーを作ることが出来ます。


トレーはものによって木目の雰囲気が違うので 、お好きなトレーをどうぞ!

レクチャー&木製トレーの拭き漆体験も実施中!

「買って」工芸にふれられる場所

⑥SAVA!STORE

福井県鯖江市のデザイン事務所「TSUGI」が運営するセレクトショップ。越前和紙や漆器、サングラスなど福井で作られた工芸品を中心にさまざまな商品が並びます。メガネ素材を使ったアクセサリーブランド「Sur」も人気。錦古里漆器店と同じ建物なので漆塗り体験の前後に立ち寄るのもおすすめです。

伝統工芸産地PV「暮らす。class Fukui」もチェック!

「暮らす。class Fukui」は、伝統工芸の産地をPRする動画。福井県鯖江市出身、23歳のシンガーソングライター武田舞彩さんがナビゲーターとなり、ものづくりが盛んな福井県丹南エリア(鯖江市、越前市、越前町)を訪ねます。今の私たちの暮らしに馴染むスタイリッシュな商品や素敵なスポットをたくさん紹介しているので、工芸の旅をしたくなること間違いなしです。



現代の暮らしに寄り添い、変化し続ける福井の工芸から目が離せない!

伝統の技術を活かし、その時代にあった最先端のものづくりをしている福井。変わり続ける産地では、現代のライフスタイルに寄り添う、暮らしに取り入れたくなるスタイリッシュな工芸品が次々に誕生しています。産地を訪れて、実際に商品を手に取ってその良さを実感してみてくださいね。


ふるかわ ともか

福井を拠点にローカルライター/グラフィックレコーダーとして活動中。福井県出身。大学進学を機に県外に出て2020年にUターン。地域の面白いヒトやモノを見つけるのが好きです。福井にUターンしたからこそ見える、福井の魅力をお届けします。