徒歩約30分圏内のスポットをご紹介。北陸新幹線開業で盛り上がる「敦賀駅」周辺を楽しもう!
北陸新幹線の終着地点となった「敦賀」は、「鉄道と港のまち」と言われる交通の要所として、日本海側で初めて鉄道が敷かれたまちであり、海を介して大陸とつながる玄関口です。今回は、新幹線で初めて敦賀に降り立った方にも存分に楽しんでいただけるよう、駅から徒歩30分程度のおすすめスポットを集めました。ぜひ、敦賀でまち歩きを楽しんでみてください!
1 北陸新幹線の新終着駅「敦賀」ってどんなまち?
敦賀を語る上で欠かせないのが「天然の良港、敦賀湾」の存在でしょう。陸地に向かって大きく切り込んだ、荒波の影響を受けにくい湾だったために、古くから船が停泊する湊町として発展しました。明治時代には日本海側で初の鉄道が敦賀に通ったことからも、敦賀がいかに交通の要衝だったかがうかがえます。そんな敦賀にとっても、北陸新幹線敦賀駅開業は新しい局面。新幹線開業によって、東京から乗り換えなしで1日合計14便、最短3時間8分で到着と、今まで以上に都市から身近な存在になります。一方で、山あり海ありの豊かな自然や、まちに漂うノスタルジックなムードを楽しめる敦賀は、都会の喧騒を離れ、のんびりとまち歩きするにはピッタリです。
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シェアサイクルでまちブラ効率UP!
徒歩30分はちょっと大変だな…という方には、シェアサイクルがおすすめ。市内15箇所にあるポートに乗り捨てOKで、スマホ1つでレンタル可能と、とっても便利です。駅から港方面へ約2kmに渡って商店街のアーケードが連なる敦賀のまちでは、雨の日でも大活躍。まちなかは平坦な場所が多いので車がなくても自転車で十分に楽しめます。
2 敦賀駅の新スポット「otta」
3 衣食住と交通安全の神々に、旅の充実を祈願
駅からアーケードに沿って歩くこと約18分、高さ11mの大鳥居が目印の氣比神宮(けひじんぐう)は、「越前國一の宮」「北陸道の総鎮守」とも称される格式高い神宮です。その歴史は古く、建立は702年と伝えられていますが、社殿のほとんどは第二次世界大戦中の空襲で一度消失。しかし、1645年に造営された現在の大鳥居は空襲を免れ、国の重要文化財に指定されています。また、「厳島神社」(広島県)、「春日大社」(奈良県)と並ぶ「日本三大木造鳥居」にも数えられます。7柱の神々が祀られる氣比神宮は、とくに衣食住の平穏や交通安全にご利益があるのだとか。旅路の交通安全と豊かな食体験を祈願も兼ねて、まずは氣比神宮の神様にご挨拶しましょう。
4 グルメ、お土産、レトロ…etc. 商店街歩きには無限の楽しみ方がある
氣比神宮に立ち寄った後は、近隣商店街の散策。大鳥居を背にして正面に続く、茶色のアーケードが目印の神楽町一丁目商店街では、お土産スポットやカフェ、レンタル着物店など、旅を彩る商店が充実しています。創業100周年を迎える老舗昆布屋や、北前船でやってきた旅の将棋指しが伝えた製法を守る酒まんじゅうなど、港まちの歴史ロマンを感じるグルメも必見です。駅から港にかけては、合計5つの商店街アーケードが連なっており、その長さはなんと全長2km。商店街ごとに変化するアーケードの意匠や、レトロな看板やビルの外観など、マニアには堪りません。いろんな角度からまちを眺めていると、徒歩30分もあっという間です。
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国内シェアNo.1! 港まち敦賀が誇る昆布加工を体験しよう
江戸時代、北前船の寄港地として栄えた敦賀には、北前船によって生まれた文化が今もたくさん残ります。その1つが「昆布加工」です。北海道で採れた昆布が敦賀で加工され、別のまちへと運ばれていきました。中でも、昆布を手作業で薄いシート状にする「手すきおぼろ昆布」は全国シェア80%を占める特産品です。本町一丁目商店街にある「おぼろや」では職人による手すき加工の実演や体験会を常時開催しています。また、ここでしか買えないお土産にも注目です。現代の名工に選ばれた昆布職人・別所昭男さんが加工した貴重な昆布のほか、オリジナル商品「おぼろ月夜」など、バラエティ豊かな昆布商品が目白押しです。
5 敦賀の歴史と異国情緒が交わる金ヶ崎エリアへ
さらに15分ほど歩みを進めたところに位置する金ヶ崎エリアには、敦賀港の歴史を象徴する施設が複数あります。その1つ「敦賀赤レンガ倉庫」は、1905年にアメリカの石油会社によって建てられた元石油貯蔵用の倉庫。北棟・南棟・煉瓦塀は国の登録有形文化財に登録されています。2015年には、北棟を「ジオラマ館」に、南棟は「レストラン館」へリニューアル。巨大ジオラマでは、明治後期〜昭和初期の敦賀の街並みを80分の1サイズで再現しており、映像とともに動くジオラマをご覧いただけます。ジオラマショーでは、映像に合わせてジオラマ内を鉄道模型が走行するなど、ワクワクする仕掛けがたくさん。「レストラン館」では、地元の食材を使ったグルメやお買物を楽しめます。
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恋の祈願は金崎宮へ
赤レンガ倉庫近隣に位置する「金崎宮(かねがさきぐう)」は、別名「恋の宮」とも言われる縁結びのパワースポット。「金崎宮」の位置する金ヶ崎城跡一体には約400本のソメイヨシノが植えられており、桜の名所として知られています。毎年桜の時期には、思いを寄せる男女が桜の小枝を交換して思いを伝えたという言い伝えを現代に再現したロマンチックなお祭り「花換まつり」が開催されています。
6 難民たちを受け入れた「人道の港」の歴史に触れる
「赤レンガ倉庫」から歩いてすぐ、「人道の港 敦賀ムゼウム」はポーランド孤児やユダヤ難民が上陸した日本で唯一の港・敦賀港の歴史を伝える資料館です。洋風の建物は、大正から昭和初期にこの場所にあった敦賀港駅や税関旅具検査所などの4棟の建物を復元しています。最初の展示であるシアターの映像を見れば、「人道の港」の歴史をざっくりと学べ、後の展示で、時代ごとにより詳細な歴史を深堀りできるので、歴史に詳しくない方でも安心です。上陸した難民たちを目撃した当時の敦賀市民による貴重な証言、難民が残していった時計など、敦賀ならではの視点で掘り下げる展示も必見。
7 商人の息吹が残るレトロなまちなみ「博物館通り」
敦賀の国際港指定や港湾整備に尽力した豪商・大和田荘七が建てた旧大和田銀行本店本館の建物は、国指定重要文化財にも指定される貴重な建物。通りを象徴するこの建物は、「敦賀市立博物館」として、敦賀ゆかりの資料を収集・保存・展示しています。その博物館から奥へと続く通りには、石畳が敷かれ、戦火を免れた昔ながらの町屋が。これまでのまちなみとは雰囲気が一変します。古い町屋を改修したカフェや雑貨店に加え、ここ数年で新しいお店が少しずつ増加中。敦賀市在住の和紙人形作家髙木栄子さんの作品を展示する「紙わらべ資料館」や敦賀まつりを彩る山車を展示する「みなとつるが山車会館」など展示施設も充実しており、見どころ満載です。
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伝統の朝市を新しいカタチで継承
農作物の販路に困る農民たちを見た清水友吉が私財で市場の建設をし、敦賀郡に寄贈した功績を讃える「市場建設記念碑」があり、かつては「晴明の朝市」として長年市民に親しまれる朝市が開催されていました。2022年には「晴れの(日)」と名前を変え全面リニューアルを実施。真冬と真夏を除く毎月第3日曜日には、朝8時半ごろから地産野菜や朝ごはんなどを提供する店が通りに登場します。また同日は、博物館等歴史施設も無料解放を実施中。朝のキリッとした空気を感じながら食べる朝ごはんや、朝ヨガなどのアクティビティも楽しめます。開催情報はInstagramにてご確認ください。
8 早起きして感じたい魚市場の活気
敦賀水産卸売市場周辺は、老舗の魚問屋などが並ぶ地元御用達のお魚スポット。さすがは魚市場付近のお店ということで、狙い目は朝一番。その日市場から入ったばかりの魚が並び、活気に溢れた声が飛び交っています。「相木魚問屋」では小売販売も可能なので、新鮮で安く魚を手に入れられます。福井の名物「越前かに」のシーズン中は、釜あげの見学も可能です。見学専用スペースも設けられており、店員さんに声をかけると案内をしてくれます。混雑状況に応じては案内できない場合もあるので、まずは聞いてみてください。なお、かにの入荷情報等はお店のInstagramで随時情報が更新されているのでご覧ください。
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やっぱり食べたい!海鮮丼
新鮮な魚を見た後には、やはり食べたくなるのが海鮮丼。お魚通りからすぐに位置する「敦賀魚河岸 海鮮丼うお吟」では、一風変わった海鮮丼が楽しめます。敦賀真鯛やウニいくら、いか、貝などの具材は一口サイズに刻まれているので、ひとすくいごとにさまざまな魚介の味や食感を同時に楽しめるのが特長です。また、隣にはお土産販売や休憩スペースを兼ねた「えびすけ商店」がオープン。土産物コーナーでは、福井の一級品のセレクトに力を入れるなどと今後ますますパワーアップしていく予定とのことで期待が高まります。
全部食べたい!敦賀グルメ
散策とともに楽しみたいのが敦賀グルメ。福井名物のソースカツ丼の専門店は、実は敦賀にもあるんです。「敦賀ヨーロッパ軒本店」では、定番のソースカツ丼のほか、「スカロップ」「ポークジクセリ」など変わった名前の洋食メニューもたくさん。一体どんなお料理なのか挑戦してみたくなります。若狭で水揚げされた新鮮な海の幸がたっぷり乗った海鮮丼も外せません。そしてもう1つ、敦賀グルメといえば「屋台ラーメン」です。国道8号沿いには、夕方6時頃になると、昔懐かしいラーメン屋台が登場します。全国的にももはや珍しくなったノスタルジックな夜の名物です。
創意工夫に溢れる福井県の人々の生き方に憧れ、コロナ禍で東京から福井県に移住。