焼きたてにこだわる、みたらし団子の未来を広げた店。

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焼きたてにこだわる、みたらし団子の未来を広げた店。

世のみたらし団子は、大抵作り置きである。

しかし餅やだんごというものはできた瞬間から水分が失われ、固くなっていく。

それを嫌い、焼き立てにこだわる団子があると聞いて、

大野市にやってきた。

店名を『夢助だんご』という。

名水の里として知られる大野市で採れたコシヒカリを

使用し、米粒のまま蒸してから潰し、

餅つき機でつき上げたコシのあるの餅を、注文を受けてから

1本1本焼き上げる。

焦げ目もまたごちそうである。

まず定番のみたらし団子を食べてみた。

甘さが程よく、なんといってももちの弾力がたまらない。

足が強いながら、柔らかく、これなら一人ご飯は軽いだろう。

あまつさえこの店は、焼き立てだけでなく、他にはない味のバリエーションがある。

知的好奇心がくすぐられ、数種類頼んでみた。

まずこの団子だが、他の店に比べると柔らかい。

だが強かなコシがあって、ふんわり歯が入っていくのだが、30数回噛んでようやく消えていく。

このふんわり腰にハマるのだな。

さあそれぞれ食べてみよう。七味は、辛味がかなり強いが、元々の甘さと辛味が重なり合って、

そのアンビバレントな感覚にハマってしまう。甘さにヒットチーズは、チーズが来て、おかかが来て、最後に餅と地チーズが抱き合う感覚が、忘れられない。

きな粉や磯部は、安定の美味しさである。

餅の美味しいさが高いだけに、もう一個頼みたくなるのをグッと我慢した。

ついに、変則ピザを食べてみる。

うん少し下品なのがいい、思わずタバスコをかけたくなった。

黒蜜は、こっくりとしたコクのある甘さがもちの優しい甘さを包み込む。

よもぎ、ほんのりよもぎが香って、風情を醸す。胡麻は、胡麻の香ばしさが後から

追いかけてくるのが面白い。

広がるよもぎ粒あんは、やはりあんこの優しい甘みと餅の相性は永遠だねと、呟かせる。

きっとみんなで何回も考えて試作してのだろう。

これだったらよもぎのほうが相性がいいんじゃない?

チーズが合うんだったらピザはどう?

なんてね、その遊び心と冒険心、そして何より焼き餅に対する誠実さがどこにもない団子を生み出しているのであった。

マッキー牧元
(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外を問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。

お店の場所はこちら

米の菓ゆめすけ

〒912-0034

福井県大野市吉野町110

TEL:0779-64-5021

公式サイトはこちら