市場食堂で出会った、新鮮な魚てんこもりの迫力どんぶりに圧倒されたの巻。
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中央おろし市場外の鮮市場にある食堂「喜多亭」にやってきた。
「まかない丼1200円を食べてください」と紹介された人から言われたので、座るなり、まかない丼をお願いした。
やがて運ばれたまかない丼は、魚の山であった
その「まかない丼」は、丼界のチョモランマと言っていいほど、刺身の巨峰がそびえ立つ。
マグロ、アマエビ、ヒラメ、アジ、炙りサワラに鰹のタタキ、たたき中トロなど10種類以上の魚が山となっている。
丼なのに、ご飯が見えない。
そして切り身が厚いのである。
女性なら、一口でいけないほど大きい。
口をあんぐりと開け、ハマチの切り身をほおばる。
ぐっと顎に力を入れて噛み込む。
脂の甘みが舌に流れ出す。
刺身に「頬張れ!噛め!」と、言われたのは初めてある。
マグロの鉄分は醤油とわさびをたっぷりつけて、ご飯を頬張る。
アマエビの優しい甘味で、ちょいと醤油を垂らした、ご飯を頬張る。
ヒラメの上品な甘みで、ご飯を頬張る。
アジの新鮮な油の甘みにのけぞりながら、ご飯を頬張る。
炙りサワラに鰹のタタキの香りに笑いながら、ご飯を頬張る。
たたき中トロをご飯とまぶしながら、醤油を垂らして一気に頬張る。
といった具合で一心不乱。
それでこの値段。
「安すぎませんか」と、ご主人に伝えると、
料理人歴が長いというご主人は、半分嬉しそうな顔をしながら、不敵な笑みを浮かべるのであった。
お店の場所はこちら
お食事処 喜多亭
〒910-0836
福井県福井市大和田1丁目101
(福井市中央卸売市場・ふくい鮮いちば)
TEL:0776-53-3150
(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外を問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。