自分の好きなように海鮮丼が作れるって、何と素敵なことだろう!

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自分の好きなように海鮮丼が作れるって、何と素敵なことだろう!

店の中に入ってシステムを見た瞬間、

自分の中の誰かが、囁いた。

「落ち着いて」。

「とりあえあず一旦落ち着いて」。

ここは敦賀の「ジブン食堂」である。

ジブンと名乗るぐらいなので、自分で好きなように海鮮丼を作れるのであった。

これは、燃える。

魚も取り放題、載せ放題。

白飯と酢飯も盛り放題。

という太っ腹な店で、どんなに盛っても1800円均一という安さである。

魚は、ハマチ漬け、敦賀真鯛の炙り、真鯛、アオリイカ、アジ、サワラ福井サーモンが並んでいる。

活きのいい魚が待ち構える。

酢飯とご飯があるが、僕は左右に両盛りにしてみた。

たくさん盛るためには中央を盛り上げる。

酢飯には魚類を乗せて、海苔をかけ、ご飯には山葵醬油を絡めて、配置する。

ただ載せりゃいいってもんじゃない、

美的センスも必要である。

サーモンの紅を真ん中に配し、隣にイカの白をそえ、

各魚を並べ、酢飯とご飯の境界線に、オカラと胡瓜を置いた。

楽しい。

たまらなく楽しい。

魚の質は高く、食べるごとに味わいが混然となって、鼻息が荒くなる。

ちなみにハマチ漬けが一番ご飯への換気力があることがわかった。

このジブン勝手に盛り放題方式の他には、

まかない丼というのもある。

いろいろな魚を一晩浸けたものを乗せた丼で、なんと分厚い切り身が

14切れも入っている。

ワシワシ。

いずれも、思いっきり腹を空かせていかなくてはいけないね。

「なんでこんな店を始めたんですか?」そう聞くと、

働いている明るい女性が答えた。

「なんか楽しいことがやりたくて」

「でも皆さんよく食べるでしょ」。

「はいこの間も若い女性二人組が、ここに来ると夕飯がいらないって、てんこ盛りで食べていきました」。

「しかし安いですね」。

「この辺りの海鮮丼は皆高いので、少しでも安くしようと思って、でも大食いの人が来たら、つぶれちゃうね。ハハハハハ」


マッキー牧元
(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外を問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。

お店の場所はこちら

ジブン食堂

〒914-0062

福井県敦賀市相生町19-27

TEL:0770-36-4010