市内随一、魚も工夫を凝らした肴も、握りも対象の人柄も、そっしてサービスもと、一点のくもりなきすし屋に通いたい
食いしん坊の友人に勧めたい寿司屋である。
都会から来る旅人にとって、地方の寿司屋へいく条件はいくつかある。
第一に、地元の魚を知り尽くし、肴や握りにして出してくれることにある。
いくら素晴らしい魚でも、豊洲から入れていますでは、地方に行く意味がない、
第二に店主の人柄だろう。
別の地から来ているわけだから、すぐぬは馴染めない。
しかしそれを察して、緩やかに溶け込むような心遣いをしてくれる店がいい。
第三に地元の酒を愛し、熟知して勧めてくれること。
やはり
郷に入れば郷の酒をのめである。
この店はまさにそれを体現していた。
それでは冬にいただいた料理と握りを紹介したい。
肴と握りが混ざって出てくるので、酒が進んでたまらない。
★粕汁
仁左衛門などアッパーな酒の粕汁。
綺麗。鰹節香が軽くあり、あもさがないが体が芯から温まっていく。
★メジマグロと紫白菜の手巻き。
食感の妙。
★自然薯うちまめ、わかめの粉めのこ。いくら。
★石鯛自家製柚子胡椒
石鯛のシコッとした歯応えを噛み締めると、淡い甘み滲み出る
★ダダミ蕪勝山水菜柚子味噌
白子と柚子味噌の出会いがいい。
★胡麻醤油漬けのサワラ南越前町
少しねっとりとして旨みを増した鰆に酒が進む
★三国のグジ
みかんと大根いちごの白和いちご王子メジマグロにらっきょうの味噌漬け、
マグロにらっきょうの味噌漬けというセンスに憧れる
★三国バイ貝
うっすら色のついた甘みがあるバイ貝
★バイ貝の肝の醤油漬けとハラペーニョ「福井」醤油麹漬け
★ヤーコン赤酢使ったきんぴら
★酢で締めたイシモチの押し寿司
素直においしい
★茹でアオリイカの落花生ソース
★葉ニンニク刻んだものと生姜。
★ナガスクジラ。
★セコ蟹飯。ウニ
★鰹
藁で叩いて漬けにしてある
★トロ
★小鯛の酢締め
★アオリイカしのさんの塩
★太巻き
鰻、胡瓜、カンピョウ、椎茸、竹田お揚げバランスが見事
お店の場所はこちら
鮨処 海月
〒910-0023
福井県福井市順化1丁目10-2
TEL:050-5871-3498
(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外を問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。