へしこ作り40年、女将が作り続けるへしこを使った様々な料理を楽しんだ。

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へしこ作り40年、女将が作り続けるへしこを使った様々な料理を楽しんだ。

へしこ作り40年、女将が作り続けるへしこを使った様々な料理を楽しんだ。

牡蠣茶屋は聞いたことあるけどへしこ茶屋とは聞いたことはない。

入ると、もうそこもここもへしこだらけであった。

どれも80歳になられる加藤さんが、40年間作り続けたへしこである

様々なへしこ料理を、窓の外に広がる日向湖をみながらのんびりといただける。

食べて思う。

へしこは意外に包容力がある

出汁,ごま,クリームチーズ、ノリ,柚子,ミツバとも合う。

そのままの刺身は、大根と合わせて

食べりゃ、燗酒が大至急恋しくなる。

「へしこ天むす」は、あむっといった瞬間にははへしこ感はない。

だが4回噛んだあたりで、いきなりへしこが訪れる。

そしてご飯,ご飯となる。

やがてなくなるが、余韻でご飯が欲しくなる。

そんなお結びである。

つぎにいただいのは、「へしこあんかけ粥」であった。

焼きへしこ、出汁三つ葉、柚子によるお粥である。

ゆっくりと食べると、出汁のせいかなんともへしこの味わいが優しくなるではないか。

練れた塩気と旨味が丸くなって、米の甘味や出汁の旨味とともに、口の中に広がる。

穏やかな気分となりながらも、そこはへしこ。

あとで思い返すと、食べたくなっていてもたってもいられなくなるクセがある。

続いてへしこのおにぎりもいただいた。

これは素晴らしい。

一口で顔が崩れる美味しさがある。

ご飯の丸い甘味と出会って、へしこの塩気が穏やかになり、食欲が湧いてくるおにぎりである。

県内のコンビニは、ぜひ販売を検討して欲しいくらいである

加藤さんは、お嫁に来てから、民宿をやられていたお母さんのへしこ作りを見ていたという。

お母さん亡くなり、民宿のお客さんからの要請で作り始め、今は解散したが 17年前女将の会を数名で作ったへしこ作りを始めたのだという。

次第に今の時代にあったまろやかなへしこを作り、最盛期には

6500本を作り、1年間で売り切っておられたと聞く。

加藤さんたちのへしこは、魚問屋やおにぎり屋、道の駅に扱われ、手毬ずしを作る料理教室も行われていた。

お母さんから学んだコツは、塩漬け10日後に汚い汁が出るのだが、それを旨味として利用することだという。

その汁を煮てサラシでこして、冷ましてから入れる。それをやることによっていいへしこができるのである。

昔は、漬けてから1年間ほったらかしていたが、現在は猛暑などがあるので、網戸にしたり、風を入れたりと、しよっちゅう見回りが必要で手間暇をかけているのだという。

加藤さんはお若い。肌もツルツルである。

そのことを伝えると、「へしこは小学生の頃から食べているからねえ。肌もツルツルよ」

そう言って可愛い笑顔で笑われるのだった。


マッキー牧元
(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。年間700軒ほど国内外を問わず外食し、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。そのほか虎ノ門横丁プロデュース、食文化講師など実施。日本ガストロノミー協会副会長、日本食文化会議理事。最新刊は「どんな肉でもうまくする。サカエヤ新保吉伸の真実」世界文化社刊。
7年前に小浜地区の仕事を通じて福井の食材の豊かさに惚れこみ、今回の福井各地の美味しいを探す旅のきっかけとなった。

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へしこ茶屋

〒919-1126

福井県三方郡美浜町日向42-19

へしこ酵房日之出屋

TEL:0770-32-0361