精神を引き締めるカレーそばやラーメンもおいしい蕎麦屋があった。
精神を引き締めるカレーそばやラーメンもおいしい蕎麦屋があった。
福井はそば処である。
食べログ上では、120軒も検索される。
人口が倍近くある金沢市が108軒だから、かなり多い。
「やっこ」は、そんな中で人気店である。
えっこんなとこに?と思うほどの、住宅街の一軒家であるのに関わらず、引き戸を開けると、30人くらい入れる店は、開店直後だというのに,満席だった。
まずは蕎麦だろうと、基本の「鬼おろし蕎麦」900円と「田舎そば」900円を注文した。
鬼おろしはぶっかけで、鬼おろし器でおろした粗い大根おろしが蕎麦の上にのり、削り鰹節とネギが添えられている。
この鬼おろしの粗い大根の食感と、硬めのそばを噛み締める関係がいい。
ザクッ。シコッ。
といった食感が交互に来て混ざり合い、実に楽しい。
そこへ冷たい汁と大根おろし混ざって味が締まり、時折鰹節が香る。
箸が止まらなくなる蕎麦である。
続いて田舎蕎麦は、辛味の強い大根おろしが乗せられて出てきた。
これに蕎麦つゆをかけてたぐる。
やや太めの田舎蕎麦の香りと辛味大根が出会い、野性味を感じさせて、これまたいい蕎麦だなあ。
続いて香り種「鶏の香味そば」1180円をいただいた。
肉汁に富む鶏の唐揚げを具にした、温かい汁蕎麦だが、薬味に工夫がある。
すっきり出汁に、葱油の香りとコク、くたくたになったネギの甘味が加わる。さらにそこへ花椒の刺激が追いかける。
つゆの味は優しいのに、中国料理でいうところの「麻(痺れ)」が少しあって、これはハマる。
頬を撫でられたかと思うと、優しく頬を叩かれる感覚である。
この味に蕎麦も負けてない。
逆にこの味だからこそ、蕎麦の甘味がわかるのであった。
さあ次は、「カレーそば」950円と行ってみよう。
辛い。
芯が通ったからさがある。
この精神を引き締めるような感じがたまらない。
唇を熱々と辛味が鍛える。
具は牛肉で、辛味だけでなく、余韻に微かな甘みと酸味が残るのがいい。
そしてなにより、辛さの中に潜んだ旨みがクセになる。
これもまた、汗をだらだらと流しながら、死後の一滴まで飲み干しちゃう蕎麦である。
さあ次は「中華そば」800円の出番である。
透き通った薄茶色のスープは鳥の出汁と見た。
醤油味は淡く、懐かしい昭和の味の、ラーメンと呼ぶより中華そばと呼びたい味である。
このスープに、かんすいの香りする中細ストレートがからむ。
そして具は、ハム、煮豚、シナチク、蒲鉾。
ハムってとこが昭和だなあ。
こいつは三分の一食べたら、白胡椒を振りかけて、食べよう。
気分は一気に昭和。
先ほどの山椒の痺れやカレーの辛さもけて、ほっこりとした温かい気分になって、店を出たのであった。
お店の場所はこちら
やっこ
〒910-0853
福井県福井市城東1丁目4-18
TEL:0776-22-3472