【福井の建築特集】福井の名建築を巡る
福井を代表する観光地「福井県立恐竜博物館」や「福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館」は有名建築家が手掛けております。
建築の視点から福井の名建築の魅力をご紹介します。

福井県立恐竜博物館
建築家:黒川紀章
紹 介:
福井県立恐竜博物館は恐竜を中心とする地質・古生物学博物館です。
建物は自然の地形を積極的に利用することで自然林を最大限保存し、周辺の自然環境と調和した恐竜化石産地としてのシンボルとなるような建築となっています。恐竜博物館は2000年に竣工しました。
Column
福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館
建築家:内藤廣
紹 介:
一乗谷朝倉氏遺跡博物館は栄華を誇った朝倉氏戦国城下町の全体像や歴史的価値を楽しみながら学べる施設です。
戦国大名朝倉氏の権力と栄華、時代の最先端をゆく都市の姿、町に暮らしたさまざまな住民たち、そして戦乱と廃墟、戦国時代の越前と一乗谷の実像を多くの視点から見ることができます。
建物は本県に残る「土蔵」のイメージで、周辺の民家に馴染むよう切妻屋根の建築物とし、山並を背景に足羽川が流れ、周囲に田畑が広がる中、JR 越美北線が走り抜ける自然風景との調和に配慮されています。 2022年に竣工しました。
Column
ふく旅ライターが一乗谷朝倉氏遺跡博物館を徹底解説
特別史跡、特別名勝、重要文化財の3つに指定されている一乗谷。
「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」が2022年10月1日オープン。
その見どころをご紹介します。

福井県年縞(ねんこう)博物館
建築家:内藤廣
受賞歴:BCS賞、公共建築賞、日本展示学会賞など
紹 介:
福井県年縞(ねんこう)博物館は世界一の長さを誇る45mの水月湖年縞を展示している博物館です。
45mの年縞は7万年分もの堆積物によって形成されています。
名勝指定されている「三方五湖」に面し、自然景観との調和を重視しています。また「TIME SCAPE」が外構・建築・展示における全体計画のテーマになっています。館内にはお食事のできるカフェも併設されています。
建物の最大の特徴は、45メートルもの長さに及ぶ年縞の展示に合わせて、細長い矩形の平面を持つ展示棟です。洪水のリスクを考慮し、1階はピロティ構造とし、2階に展示室を配置しています。竣工は2018年です。
Column
年縞博物館に行ったら立ち寄りたい!天空の楽園「レインボーライン山頂公園」
福井県美浜町と若狭町にまたがって位置する三方五湖は、5つの湖の水面の色が異なることから、「五色の湖」とも呼ばれます。そんな湖を眼下に見下ろすレインボーライン山頂公園は、360°絶景に囲まれた大パノラマが楽しめる人気スポットです。ここでは、そんなレインボーライン山頂公園、およびその周辺の楽しみ方をご紹介します。

福井市美術館アートラボふくい
建築家:黒川紀章
紹 介:
福井市美術館は、第2次世界大戦前後の動乱期をフランスで過ごした本市ゆかりの彫刻家高田博厚の作品を収蔵、展示しています。そして、幅広い文化人との交友を持つ高田を軸として、さまざまな分野の展覧会を企画し、優れた芸術作品を目にする機会を提供しています。また、市民の制作活動の発表の場も設けています。
外壁のほとんどがガラスとなっており曲線を多用した有機的な形には、黒川氏の提唱した「共生」の思想を見ることができます。 竣工は1996年です。
ショップ&カフェ nimbus
建築家:磯崎新、伊東孝
紹 介:
nimbusは、1986年に磯崎新氏が設計した住宅を改修したコンクリート建築です。スカーフブランド[yakumono]をはじめ、国内外のセレクトアイテム+小さいカフェがお楽しみいただけます。建物は個人住宅を改修したコンクリート建築。線と球を抱えた白灰色の店内には、刻一刻と表情を変えながら光が射し込み、コンクリートの内側ながらに〈自然〉を感じさせます。
サンドーム福井
建築家:岡崎甚幸
紹 介:
「サンドーム福井」の愛称は「サン(=太陽)」「産業」「参加」の意味をもって生まれました。イベントホール棟は高さ55m、直径116m、展示総面積約8000㎡、電動可動席6000席を有する多目的ホールで展示会、見本市、コンサート、スポーツなど多彩なイベントが行われます。
福井ものづくりキャンパス(管理会議棟)には、デザイン情報の提供や商品開発の相談ができるデザインセンターやものづくりラボ、美味しいスイーツやパンを食べながらゆったりくつろげるカフェがあります。
建物は「雪」という地域性を考慮した独特の屋根形状が印象的です。また、ドームの建方には世界で4例目となるパンタドーム構法を採用しました。竣工は1995年です。
福井県立図書館・福井県文書館・福井県ふるさと文学館
建築家:槇文彦
紹 介:
施設内には文書館の福井県文書館、文学館の福井県ふるさと文学館が併設されてます。
「緑の中の庭園図書館・文書館」をコンセプトにデザインされています。建物を取り囲む庭園は、単に景観的な美しさだけを求めたものではなく、人々が時には屋外に出て、気ままな散策を楽しみ、思索に耽り、木陰で読書ができるようにしています。竣工は2003年です。
ハピラインふくい福井駅(旧JR福井駅)
建築家:川崎清
紹 介:
福井県を走る第三セクターの鉄道会社「ハピラインふくい」の福井駅です。
ハピラインふくいは、2024年の北陸新幹線福井・敦賀開業に伴い、JR西日本より移管された並行在来線の運営を担っています。
福井駅は、2005年にJR福井駅として竣工され、福井県内では初となる高架駅でした。
※高架駅とは、プラットホームなどの駅設備が高架の構造物上に存在する鉄道駅のことです。
Column
福井県立大学 恐竜学部
建築家:隈研吾
紹 介:
2025年4月、福井県立大学に全国初の恐竜学部が誕生します。
福井県の豊かな自然環境を活かし、県を代表する恐竜や、地質・古環境学について学びます。
また、学術拠点として恐竜学や地質学に関する人材育成・研究を進めるとともに、我が国のオンリーワンの学部として、福井県をより一層盛り上げます。
学部棟は主に鉄筋コンクリート3階建て。高速、高圧で水を噴射する「ウオータージェット」で外壁のコンクリートを削り、細かい凹凸を付けることで、化石が眠る地層を表現しています。2026年に供用開始予定です。