海の目の前にして食べる、魅力溢れる、ユニークなパスタとピザ イルマーレ

イタリア語で「海」という名のトラットリアは、まさしく日本海に面していた。
窓際のカウンター席が特等席で、
目の前には大海原が広がっている。訪れたのは3月だったが、温かくなれば、恐らく外のテラス席も でいただくこともできるのだろう。
イタリア料理か開放的であることは、おいしさの必須条件である。
まずは、福井県若狭名物のへしこを使った「若狭へしことトマトのプッタネスカ』を注文した。
へしこはアンチョビだ。
一口食べた瞬間に、痛感した。
いやそれでは、へしこに失礼である、
アンチョビよりしたたかな、より練れた塩気が、食欲をヒットする。
そしてオリーブとの相性がいいことを発見した。
オリーブが持つ油性とほのかな苦味が、へしこのうまみと合う。
恐らくそれをわかって、店主はプッタネスカという、トマト、オリーブ、アンチョビ、唐辛子、ケイパーを使ったこのパスタのアンチョビをへしこに入れ替えて作ったのだろう。
ちなみにこのパスタの名前は娼婦風という意味であり、一説によれば刺激的な味だからこの名前がついたとされるが、へしこ効果でより妖しく、その名にふさわしいパスタになっている。
次に運ばれた「へしことトマトのビザ」もオリーブの存在が光っていた。
続いて名物「特製パルミカルボナーラ」が登場した。
どーん。
マダムが、巨大なハーフパルミジャーノを乗せたワゴンを、テーブルに横づけする。。
その削れた穴の中に、茹でたてのパスタいれ。よくよく混ぜていく。
「こうしてパルミジャーノをまとわせることでいい味が出るの」。
マダムはそう言って、そのパスタをクリームソースに入れ、混ぜに混ぜてから黄身をおとす。
そうか、これは人気が出るね。
パスタ一本一本が装ったチーズが、まろやかなうまみを出している。
よし今度来たら「若狭へしことキャベツのパスタをたべよう」。