敦賀湾を望みながら、発酵朝食をいただく贅沢

敦賀湾を望みながら、朝食をいただく。
もうこれだけで幸せなのに、発酵朝食ときた。
旅館「ちようべい」の朝食である。
泊まらなくともいただくことができ、これを昼ごはんとしてお願いすることもできる。
発酵食御膳は、9種類のおかずと味噌汁、ヨーグルト、ジュース、コーヒーが揃った朝食であった。
しかもすべてに
発酵食品が使われている。
例えば、陶板で焼かれるハムエッグには、醤油麹が添えられていて、その練れたうまみが、ハムエッグを猛烈にご飯が恋しくなるおかずに仕立てているといった具合である。
女将さんがこられて、おかずの説明をされ、陶板に火をつける。
それでは食べていこう。
まずは、甘酸味が爽やかな、五種の野菜と三種の果実によるジュースを飲んで食欲を目覚めさせる。
次にわかめ・油揚げ・豆腐・ねぎが入った、優しい味わいの味噌汁で心を落ち着かせる。
福井名物の厚揚げは甘辛い味に、ふわりと煮られて、添えたネギ味噌をつけて食べても良い。このネギ味噌をご飯にかけてれば、さらにご飯は進んでしまう。
ひじき煮の甘辛さは、味が濃すぎずに、ほどが良い。
黒豆ヨーグルトは、甘く煮た黒豆とヨーグルトを合わせてあるが、黒豆がシワひとつなく、ふっくらと煮えていて、豊かな気分となる。
塩麹に漬けて焼いた、麹の炙り鶏は、むっちりとした肉から、塩麹の甘みと鶏の滋味が。舌に流れ出す。
醤油麹の焼き鯖を一口食べて思わず、笑った。
これだけで一膳いけるぞ。
みっちりと脂乗ったサバの旨みが、醤油麹のうまみでさらに膨ら身、ご飯を食べろ食べろと誘いかける。
そしてさらに危険物があった。
自家製だというサバのへしこである。
ご飯泥棒でもあるへしこを噛みしめながら、ご飯をかき込んでもよし、茶漬けにしてもよし。大根赤ピーマンをワインビネガーでマリネしたサラダで口中リフレッシュさせるのもいい。越前若狭の食材でつくる発酵食ご膳で、1日を整えよう。