「PLANT」の底力を、ハンバーガーに見たの巻

「ハンバーガーを食べに行きましょう」。
そう、福井市内で誘われた。
正直、福井まで来て、なぜゆえにハンバーガーを食べに行かなくてはいけないのかと、疑問に思う。
しかも歩いて行くのかと思うと、車で行くというではないか。
市内から10キロの場所にある郊外まで車を走らせるではないか。
田んぼの真ん中を横切る道路を走って行く。
「ここです」。
指さされたのは、総合ショッピンセンター、PLANTであった。
巨大ショッピングモールである。
食品スーパーは、どこまであるのか、先が見えぬほど、広い。
その一角にハンバーガーショップはあった。
その名を「JJバーガー」という。
メニューには、ハンバーガー、チーズバーガー、BLTバーガー、チキンフィレ、アトランティックサーモンを使ったフィレオフィッシュ、ホットドッグがラインナップされている。
「カァーン」
このメニューを見た瞬間どこかでゴングが鳴った。
食いしん坊心に、火がついた。
よし、片っ端から食べてやるぞ。
まず実力を知るべく、シンプルなJJバーガーを頼み、BLTバーガー、チキンフィレ、アトランサーモン、ホットドッグも頼み、最後にシンプルなJJバーガーに可能な限りトッピングしてみる。
欲張りすぎて、4830円にもなってしまった。
5種類のバーガーとホットドッグで.この値段である。
こんな人はなかなかいないだろう。
そう思うと、勝ち誇った気分である。
まずは、基本中の基本、JJバーガーをいってみる。
バンズがいい。
口の中の水分を奪うバンズではなく、ふんわりと優しい。
パティがいい。
国産牛で作ったというパティは、しっかり固められていて、肉感がある。
これではよくテレビレポーターが、肉を食べた時に発する「柔らか〜い」という意味不明な言葉は、言えないだろう。
次はホットドッグである。
レリッシュ、ザワークラウト、玉ねぎが取り放題、マスタード、ケチャップがかけ放題という、正当なアメリカンスタイルが、たまらない。
口をあんぐり開けて齧りつく。
柔らかなパンに歯が包まれると、プリッと座音材間のあるソーセージにはが食い込み、肉の甘いエキスがこぼれ出た。
もうこれだけで満面の笑みが訪れる。
そこへレリッシュの甘酸っぱさ、玉ねぎのみずみずしい食感、マスタードの刺激、ケチャップの甘い誘惑、ザワークラウトの練れた酸味が行き交う。
一つのホットドックに込められた、様々な風味が生きるのも、主役のソーセージの質がいいからだと思った。
次はアトランサーモンバーカーである。
アトランティックとは大きく出たなあ。
世のサーモンサンドやバーガーは、鮭の味が弱く、ソースで食べさせるところが多い。
だがここは違った。
あむっと噛むと、サーモンの味わいが口いっぱいに広がるではないか。
これはいいサーモンを使っているな。嬉しいじゃないか。
返す刀で、今度はBLTである。
うむ。イベリコ豚を使ったというベーコンに存在感がある。
燻製香と肉の味が確かに迫ってきて、フレッシュなトマトとレタスのみずみずしさと、黄金比を作っている。
ハニーマスタードソースの甘みと辛味も絶妙であった
こいつはやられたな。
お次はチキンフィレである。
これも一般的には鶏肉の存在意義が見出せない場合が多いが、こちらのそれは、噛んだ瞬間に、鶏肉だよという返事が返ってくる。
一緒に食べた女性が「チキンフィレが一番好き」と言っていた理由が納得できる。
さあ最後はトッピングしまくりのバーガーが出来た。
当然ながら出来立てである。
トマト一枚追加、アボカド、チリソースという追加だった。
これは大人の女性でも口の中に入らないだろうという大きさである。
ラスボス感が半端ない。
だがこれもこのパテがあって成立する味である。
肉の味が立っていて、パテがギュッと詰まった肉感が強いからこそなせる技であり、アボカドもチリソースも受け止めて、複雑で豊かな味を送り届けるのであった。
恐るべし J Jバーガー、声を大にして言いたい。
「福井に来たら、バーガー食べにPLANTへ行け!!」と。