塩焼きサバでご飯を掻きこむ幸せよ

店頭で大きなサバを、何匹も串刺しにして焼いている。
名物焼きサバである。
「おいしいよ。食べてって」と、おじさんが呼びかける。
小、中、大、特大とあり、値段は二百円ずつ上がっていく。
「やはり大きい方が美味しんですか?」と、聞くと
「大きいのは、脂が乗っているからねえ。好きな人は食べるよ。でも小でも充分うまいよ」と、にこやかに答えられた。
今日は特大はないということで、大1800円を頼む。
おおっ。
威風堂々たる焼き鯖かあらわれた。
まずは背側人間の言うところのうなじから食べ始める。
しっとりしてうまい。
脂は少ないが、そのしなやかな身を噛んでいくと、旨味が滲み出る
さあ今度は腹側を言ってみよう
むむう、脂を持っていてさらにうまいではないか。
脂があるだけでなく、水分が含んでいて、味のキレがいい。。
小さなおろし器と生姜が添えられるので、自分ですりすりと生姜をおろす。
そのおろし生姜で、生姜醤油を作り、つけて食べるのにはまったs。
脂の乗った部分を生姜醤油にたっぷりつけて、すぐさまご飯を掻きこむ。
これがたまらない。
これで十分であるが、この店には他にも珍しい鯖ご飯料理がある
一つが「焼き鯖寿司」である。
焼き鯖寿司自体は珍しくないが、上に朧昆布が乗っているのは珍しい。
その昆布の柔らかな旨味と、焼いた鯖の、野味に富む味の対比が面白い。
また「鯖の蒲焼き重」というのもある。
甘辛いタレで蒲焼きにした鯖が半身乗って重ものである。
半身ではご飯が余ってしまうなと思って食べ始めると、これはいけない。
甘辛さと脂の相乗効果で、予想以上にご飯をかき込んでしまう。
作った方は、半身で十分と、分かってらっしゃったのだ。