【美食福井】「三里浜三年子らっきょう」は、抜群の歯ごたえで人気
「花らっきょ」ブランドで販売される「三里浜三年子らっきょう」は、足かけ3年をかけて育てるらっきょうのことで、一粒一粒が抜群の歯ごたえになります。
福井県の三里浜地区で栽培されており、その大部分は甘酢漬けに加工され県内外に出荷されています。
小粒で食べやすく、ほかにはないシャキシャキとした食感が人気です。
【収穫時期】6~7月
【産地】坂井市、福井市
【動画】「三里浜三年子らっきょう」の美味しい魅力を凝縮
「花らっきょ」に加工され、全国に出荷
「三里浜三年子らっきょう」は、その名のとおり、足かけ3年もの歳月をかけて栽培されます。らっきょうの栽培は「1年掘り」が一般的。三里浜三年子らっきょうは福井県のみで栽培されており、希少価値の高いらっきょうです。
3年間かけて育てる方が、1年掘りよりも大きくなると思われますが、実は粒が小さくなります。長い時間をかけ成分がギュッと凝縮されたらっきょうは、歯ごたえ抜群です。
収穫された三里浜三年子らっきょうは、その多くが地元で甘酢漬けに加工され「花らっきょ」というブランド名で福井県内や全国に出荷されています。特にカレーとの相性は抜群です。道の駅では、らっきょうの漬け汁で作ったすし飯に、刻んだ花らっきょを混ぜたいなり寿司が人気。また、親子丼や焼きめしの具に花らっきょを使うのもおすすめです。
時間によって育まれる抜群の食感
三年子らっきょうのシャキシャキとした食感は、ミルフィーユのような構造から生まれます。1年掘りに比べて三年子らっきょうの繊維の層は極薄になるため、噛んだときに抜群の歯切れの良さを味わえます。
この貴重な小粒のらっきょうを育むのが、3年におよぶ栽培期間です。らっきょうは1つの種を夏に植え付けると、翌年の春に7~10粒に分かれます。これを「分球」といい、通常はそのまま収穫して1年掘りのらっきょうとして出荷されます。それを三里浜では収穫せずに翌年の6~7月まで育て、1つの種が50~60粒に分球が進んでから収穫するので、ほかにはない小粒に仕上がるのです。
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【おいしい豆知識】
「花らっきょ」のネーミングは、らっきょうの花から⁉
らっきょうはヒガンバナ科の植物で小さな紫の花が咲き、それが「花らっきょ」の名の由来とも言われています。
開花シーズンの10月下旬~11月上旬は、らっきょう畑一面がまるで紫のじゅうたんのような美しい景色に。
三里浜の秋の風物詩になっており、県内外から観光客が訪れます。
砂丘地で100年以上栽培に取り組む
産地の福井県の三里浜は、越前海岸からほど近い砂丘地です。明治時代に砂丘地に適した作物としてらっきょうの栽培を始め、福井県を代表する特産品に育て上げました。現在でも60~70軒の生産者が栽培を続けています。
生産者の横山数雄さんは7月に畑の土づくりを行い、8月のお盆を過ぎたころ、種になるらっきょうを1粒ずつ丁寧に手で植え付けます。この地で収穫したらっきょうをまた種に使うことで、三年子らっきょうのDNAが受け継がれています。
肥料は専用の配合で、長年の経験により状態を見極めながら与えることで、1つの種から50~60粒ものらっきょうが収穫できるようになります。
丁寧に収穫し、甘酢漬けに加工して出荷
横山さんは、1反あたり3tを目標に三年子らっきょうを育て、6月の収穫シーズンを迎えると、人の手で20日間ほどをかけて収穫します。らっきょうを傷つけないように掘り起こし、鎌で収穫する作業は大変な労力を伴います。
こうして収穫された三年子らっきょうの大部分は地元農協の加工場に運ばれ、下処理や選別を経て、塩漬けに。その後、独自に調合した甘酢に漬け、花らっきょとして出荷されます。加工場は機械化が進んでいますが、虫食いなどを見つけて選別する作業は今も人の手で丁寧に行われており、品質の高さにつながっています。
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【おいしい豆知識】
農家が愛用する「らっきょう専用鎌」
らっきょうを人の手で収穫する際に使う鎌には、通常の鎌とは違う特徴があります。
草刈り鎌や稲刈り鎌は手前に引いて使いますが、らっきょうの収獲には押して切る特殊な鎌が使われます。
その刃はギザキザの目が通常とは逆向きになっており、力を入れずに切れやすいと、らっきょう農家で愛用されています。
地元の人に聞く「三里浜三年子らっきょう(花らっきょう)」のおすすめレシピ
花らっきょうと鶏の親子丼
【材料(1人分)】
花らっきょう 90g
鶏もも肉 100g
卵 2個
三つ葉 5g
九頭竜まいたけ 30g
油 少々
いりごま 少々
ごはん
-親子丼だし汁-
だし汁 200㏄
淡口しょうゆ 20㏄
みりん 20㏄
酒 20㏄
【作り方】
①親子丼だし汁を合わせる
②花らっきょうの分量の半分を粗みじん切りにする
③カットした鶏もも肉を炒め、①を入れる
④③に九頭竜まいたけ、②を入れ、具材に火が通ったら卵でとじ三つ葉をのせる
⑤ご飯を器によそい④をのせ、いりごま、花らっきょうの残りを盛り付けて完成
<レシピ監修 IZUMO GROUP 料理長 馬場康成さん>
【美食福井とは】
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