【美食福井】「とみつ金時」は、焼き芋はもちろん料理やお菓子にも大活躍
産地である冨津(とみつ)の名を冠した「とみつ金時」は、福井県が誇るサツマイモのブランド。
「キュアリング貯蔵」という保存法によって甘さが増し、長期保存ができるので1年を通して味わえます。
県内のスーパーや道の駅で購入できるほか、数多くの飲食店や和洋菓子店でとみつ金時を使った商品が提供されています。
【収穫時期】8~11月
【産地】あわら市
【動画】「とみつ金時」の美味しい魅力を凝縮
豊かな環境が美味しさを育む
産地の福井県あわら市冨津地区は見晴らしのいい丘陵地で、土壌はやや赤土を含む山砂でしっとりサラサラ。海が近く、潮風が運ぶミネラルをたっぷり含んでいます。
また、畑には清流・九頭竜川の水を引くなど、風土の恵みによって、とみつ金時の美味しさが育まれています。
近年、焼き芋の人気が高まり、サツマイモの“甘み”に注目が集まっています。
とみつ金時の焼き芋も「甘くて美味しい」と大人気。さらに、身がきめ細かく筋っぽさがないため、なめらかな食感も魅力。
天ぷらやサツマイモごはんなどの料理に加え、お菓子にしても美味しいと評判です。
甘味が増す「キュアリング貯蔵」
とみつ金時の美味しさをさらに高めるのが、「キュアリング貯蔵」と呼ばれる約半年間の保存法です。
まず、8月下旬から11月上旬に収穫したとみつ金時を、土付きのまま35℃・湿度95%以上の室内で約90時間ねかせます。
その後、一気に12℃まで温度を下げ、85%の湿度で保存。急激な環境の変化でサツマイモが驚き、身を守るために表面が厚くなるコルク化によって、最適な水分量を含んだまま熟成が進みます。
キュアリング貯蔵を行ったものは1月以降に出荷が始まり、甘味が増した“旬”のとみつ金時を堪能できます。
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【おいしい豆知識】
キュアリング貯蔵しない“新芋”も格別
とみつ金時の収穫時期には、キュアリング貯蔵を行っていない“新芋”が県内のスーパーや道の駅に並びます。
新芋は糖度は控えめですが、ほどよい甘みがありみずみずしく、料理に最適。
新芋の後に出荷されるキュアリング貯蔵で甘味が増したとみつ金時は焼き芋が絶品です。
生産者が協力して品質を高める
キュアリング貯蔵は、1980年代に冨津地区の生産者たちが全国に先駆けて取り組みを始めました。その取組を受け継いだ生産者の一人が吉村智和さんです。
2011年に株式会社フィールドワークスを設立し、キュアリング貯蔵施設を新設。より徹底した温湿度管理ができるようになりました。
吉村さんは「エコフィールドとみつ」という生産組合に所属しており、そのメンバーで貯蔵施設をシェアしています。
メンバー同士のコミュニケーションを密に、生産性や品質の向上などについて知恵を出し合っている点もこの産地の特徴です。
焼き芋ペーストのお菓子も絶品
とみつ金時は土を丁寧に洗い流し、ひげ根を全て手作業で取り除いてから出荷されます。
大変な手間がかかりますが、手作業によって皮に傷がつくことを防ぎ、品質が保たれています。
フィールドワークスでは年間約400tのとみつ金時を生産しており、特に、自社で焼き芋にしてから加工するペーストは、その甘くて香ばしい味となめらかさがお菓子作りに最適と評判です。
東京の一流シェフからも高い評価を得ているとみつ金時ですが、生産量の約9割が県内で消費されます。
福井県民に愛されるとみつ金時は、数多くの飲食店や和洋菓子店で使われています。料理もお菓子も美味しいとみつ金時を、ぜひ福井に来て味わってください。
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【おいしい豆知識】
畑を休ませて土壌を改良
同じ畑でサツマイモの栽培を続けると連作障害が起こりやすくなるため、フィールドワークスでは2~3年に一度、とみつ金時を収穫した後の畑にマメ科の植物を植えています。
畑を休ませ、ミネラルが不足している場合は補い、美味しいとみつ金時が育つ土壌によみがえらせています。
地元の人に聞く「とみつ金時」のおすすめレシピ
とみつ金時のレモン煮
【材料(4人分)】
とみつ金時 中1本(250g)
レモン 1/2個
砂糖 大4
水 適量
【作り方】
①とみつ金時は2cmの輪切り、レモンは5mmの輪切りにする
②鍋にとみつ金時、レモン、砂糖、水をひたひたに入れ、強火にかける
③煮立ったら中火にし、汁気がなくなりとみつ金時がやわらかくなるまで煮て完成
<レシピ監修 フィールドワークス 吉村みゆきさん>
【美食福井とは】
福井県には、豊かな自然と生産者のこだわりが育む美味があふれています。
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