福井の歴史や文化も感じられる!福井の絶品海の幸6選
日本海に面した福井県は、海の幸も美味しいんです。福井の海の幸と言えば越前がにを思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません。福井の自然や気候によって育まれた海の幸の数々は、美味しいだけでなく、福井の歴史や文化を知る上でも重要な存在です。今回は地元漁師が自信を持っておすすめする、福井のご当地魚介を紹介します。
とろけるような贅沢な食感と甘みが特徴「甘エビ」
越前がになどとともに、福井の冬の味覚を代表する逸品「甘えび」は、水深200〜400m付近に生息している鮮やかな赤い色のエビです。生で味わうととろけるような食感と甘みが口いっぱいに広がるのが特徴。お腹に青い粒状の卵がある”子持ち“が最も高値になります。
また、食べ方にはさまざまなバリエーションがあり、お刺身や寿司ネタはもちろん、殻ごと塩焼きや唐揚げ、鍋物、茶碗蒸しにしても美味しいです。
選ばれし人しか口にできなかった別格の高級魚「若狭ぐじ」
若狭湾でとれるアカアマダイのなかでも、形や大きさなどの厳しい基準をクリアしたものだけが「若狭ぐじ」の名前を与えられます。
かつて若狭国(現在の福井県南部)は、「御食国(みけつくに)」として京の都に食料を届ける役割を担っており、中でも特別な食材が「若狭もん」と呼ばれるサバやアマダイ、カレイなどでした。
若狭ぐじはその中でも別格で、選ばれし高貴な人しか口にすることができなかったと言われています。現在でも高値で取引されており、変わらず高級魚として扱われています。
また、別名「くずな」と呼ぶこともあります。頭の形が角ばっているので「屈頭魚(くつな)」の字を当てるようになり、それがなまって「ぐじ」と呼ばれるようになったそうです。
臭みがなくさわやかな香りの「よっぱらいサバ」
サバも若狭もんのひとつであり、サバの一大産地として知られていたのが小浜市です。
そんな小浜市内で養殖される新しいブランド魚「小浜よっぱらいサバ」。餌に酒粕を加えているため、臭みがなく、脂は良質で、さわやかな香りがほのかに感じられます。
さらに、お刺身でも食べられるのも大きな特徴。若狭湾の澄み切った海水の中でしっかりと運動し、ほどよく身が引き締まっているため、コリっとした食感が楽しめます。炙りやしゃぶしゃぶなどで食べても美味しいので、さまざまな食べ方にチャレンジしてみては?
Column
日本最北で育つフグは身が引き締まって美味しい! 「若狭ふぐ」
活き造りや刺身で味わうこともできる「越前かれい・若狭かれい」
福井県では、天神講(菅原道真の命日などに学業成就等を願う風習)やお正月に、床の間に焼がれいを供える地域もあり、かれいは身近な存在です。
福井県北部の越前町などで獲れるアカガレイは「越前かれい」と呼ばれます。プランクトンが豊富な日本海では美味しい魚が育つと言われており、越前かれいも臭みがなく、肉厚で引き締まった身の中に濃厚な美味しさが凝縮されているのが特徴。11~2月頃はお腹にたっぷりと卵がつまり、最も美味しくなると言われています。
一般的な食べ方は煮つけ、焼き魚、干物などですが、最近では神経締めによる活〆の状態で出荷する取り組みも行われており、活き造りや刺身などを楽しむことも可能になっています。
一方、福井県南部では、かれいと言えば「若狭かれい」(ヤナギムシカレイ)が有名。かつては若狭もんとして京の都に運ばれ、現在では毎年皇室に献上されています。濃厚な越前かれいに比べてたんぱくな味わいが特徴なので、食べ比べてみるのも面白いですね。
美容や健康にも期待大! 新たなブランド魚「ふくいサーモン」
近年、福井の海の低水温環境を活かしたトラウトサーモン養殖によって「ふくいサーモン」が誕生。上品な脂ののりともっちりとした肉質、サーモン特有の臭みがないことが特徴です。また、サーモン特有のオレンジ色の身にはアスタキサンチンが豊富に含まれ、美容や健康にも良いと言われているので、女性におすすめのお魚です。
現在は福井県に移住し、ライターとして福井県の魅力や観光情報を発信するお仕事もしています。
福井のお魚で好きなものはサバ! 食べ方やサバにまつわる文化が関東と大きく異なり、最初は驚くとともに、その美味しさに感動しました!