【美食福井】人気の黒毛和牛「若狭牛」は、極上の肉質で赤身も霜降りも絶品
四季の変化に富んだ福井の気候と豊かな風土、生産者の深い愛情によって育てられ、黒毛和牛の中でも厳しい基準をクリアした牛肉のみが福井県のブランド牛「若狭牛(わかさぎゅう)」に認証されます。
きめ細かなサシの入った柔らかい肉質と甘みが特徴で、霜降り肉はもちろん赤身肉の美味しさも格別です。
【生産時期】通年
【産地】県内全域
【動画】「若狭牛」の美味しい魅力を凝縮
ゆっくりと丁寧に育て、最上の肉質に仕上げる
日本における高級牛肉の主流は黒毛和牛です。「若狭牛」も黒毛和牛にあたり、「神戸ビーフ」や「松阪牛」などのブランドが有名な「但馬牛」と同じ系統で、上質な霜降り肉になるまで30ヵ月近くをかけてゆっくりと丁寧に育てられます。
若狭牛の霜降り肉はとろけるような舌ざわりで風味が良く、まさに最高級の味わい。甘みがあるので塩・こしょうでシンプルに食べるのもおすすめ。一般的に硬いイメージのある赤身のヒレ肉も柔らかく甘みがあり、県外の高級料亭やフランス料理店などから高い評価を得ています。
厳しい品質基準をクリアした牛肉だけが「若狭牛」に
牛肉は枝肉に加工された後、肉質等級によって格付けされます。肉質等級は、①霜降りの度合いである脂肪交雑、②肉の色つや、③肉の締りとキメ、④脂肪の色つやと質 によって5等級に分けられており、さらに、霜降りの度合はBMSという12段階の基準が定められています。
若狭牛の認証基準は厳しく、福井県内で12ヵ月以上肥育された血統が明確な黒毛和牛で、かつ肉質等級が3等級以上、BMS4以上の牛肉のみが若狭牛を名乗ることが許されます。若狭牛ブランドは、霜降りがきめ細かで肉質に優れた牛肉であることの証なのです。
Column
【おいしい豆知識】
口の中でとろける「三ツ星若狭牛」
若狭牛の新たな展開として2014年から始まっているのが「三ツ星若狭牛」というブランドです。
オレイン酸の含量が特に高いもの(牛脂中55%以上)が三ツ星若狭牛として認証されます。
オレイン酸が多いほど脂肪の融点が低いので口どけが良く、旨みと風味が口いっぱいに広がります。
三ツ星若狭牛ならではの味わいを堪能ください。
栄養バランスに優れた飼料へのこだわり
若狭牛は特に福井県坂井市で多く飼われており、生産者である「サンビーフ齊藤牧場」は、海岸から1㎞ほどの潮風が心地よい場所にあります。精肉店と焼肉店も営み、お客様から聞いた生の声を若狭牛の品質向上に生かしています。
代表の齊藤 力さんは飼料にこだわり、麦・大豆・とうもろこしを配合したオリジナルの飼料を朝と夜の2回与えています。この栄養バランスに優れた飼料を生後7~8ヵ月で仕入れる子牛に与え、約2年の歳月をかけて800~900㎏に育て、サシが適度に入った柔らかい肉質を実現しています。
良い環境で心身ともに健康な「若狭牛」を育てる
近年、欧米を中心に「アニマルウェルフェア」というストレスや苦痛の少ない飼育環境を目指す考え方が広がっています。牛は牛舎の「マス」と呼ばれる囲われたスペースで育ちます。サンビーフ齊藤牧場では1マスの頭数を1~2頭に抑え、広々としたスペースで常時200~250頭を飼育しています。
また、牛が苦手な暑さ対策として、全てのマスに扇風機を設置。夏バテをして食べる量が減り、肉質に影響が出ないよう配慮しています。さらに、牛の寝床のもみ殻は2週間に1度を目安に交換するなど、牛が清潔で快適に過ごせる環境づくりに余念がありません。
齊藤さんは1日に5~6回、夜中も牛舎を見回り、寝ころんだまま起き上がれなくななった牛がいれば、弱らないようにすぐ起こします。常に牛の健康と安全を見守りながら、立派な若狭牛に育て上げるのです。
Column
【おいしい豆知識】
牛肉の安全・安心を担保するトレーサビリティ
牛肉の安全・安心に欠かせないのが、出荷された牛がいつどこで生まれ、どこで飼育、加工されたかなどの情報です。
そうした情報をインターネットで調べることができる個体識別番号が若狭牛を始めとする福井県産の全ての牛に付けられており、牛の生産から牛肉として販売されるまでの過程を追跡できる「トレーサビリティ」を実現しています。
「若狭牛」を食べられるお店の紹介
地元の人に聞く「若狭牛」のおすすめレシピ
若狭牛の焼きしゃぶサラダ
【材料(2人分)】
若狭牛スライス 90g(3枚)
厚揚げ 1/3枚
水菜 60g
えのき 40g
越のルビー 1個
きゅうり 1/4本
-胡麻ポン酢-
ポン酢 90㏄
胡麻ペースト 大さじ1
みりん 大さじ1/2
【作り方】
①胡麻ペーストにポン酢、みりんを入れよく混ぜ、胡麻ポン酢をつくる
②油をひいたフライパンで若狭牛をさっと焼く
③②のフライパンで厚揚げとえのきを焼く
④越のルビー、きゅうり、水菜を切っておく
⑤②の若狭牛を広げて、水菜、③の厚揚げ、えのきをのせ巻く
⑥⑤をカットし④、①を器に盛りつけて完成
<レシピ監修 IZUMO GROUP 料理長 馬場康成さん>
【美食福井とは】
福井県には、豊かな自然と生産者のこだわりが育む美味があふれています。
「美食福井」とは、それら海、山、里のプレミアムな食材24品目の魅力を余すところなく紹介する特設サイトです。
若狭牛の歴史は古く、「平安時代」には牛車を引く牛として名が知れ渡り、「鎌倉時代」には牛の産地や特徴を表した図説「国牛十図」に「越前牛」の記載があるなど、福井県では古くから牛が飼育されてきました。
「明治時代」以降、「サシ」が密で「キメ」が細かい「若狭牛」は、松坂牛や近江牛などともに高価で取引されてきました。