「わかさいくる」全126kmを、元プロロードレーサー・中島康晴さんがのんびりガイドします
若狭湾サイクリングルート(わかさいくる)は嶺南地域の観光地を巡るサイクリングルート♪ 豊かな自然と観光を楽しめるルートが魅力です。ここでは6つの市町を通るモデルコースを、同県越前市出身の元プロロードレーサー・中島康晴さんがご案内。福井県嶺南地域に来た際はぜひサイクリングに! Let's わかさいくる!
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中島 康晴(なかじま やすはる)
福井県越前市出身。2007年からプロロードレーサーとして活躍し、2022年12月に現役引退した現在も「ツール・ド・フランス」など世界的レースの実況解説や、自転車専門雑誌でのサイクリング旅行体験のモデルを務めるなど、競技関係だけでなく自転車観光などサイクリング全般にわたって魅力を発信している。眼鏡好き、鉄道好きとしても有名。2023年9月福井県自転車アンバサダーに就任。福井県警「自転車戦隊ヘルメッター」隊長。
【敦賀市】鉄道と港の街、浜辺の道を駆ける爽快スタート
空気が澄んで抜けるような青空。まさにサイクリング日和です!今回のスタートはJR敦賀駅。2024年3月に北陸新幹線が開業し、首都圏からもアクセスしやすいターミナル駅となりました。駅前の複合施設「otta(オッタ)」の中心には「駅西広場公園」があり、きれいな芝生が広がります。その前で自転車にまたがり、いよいよ「わかさいくる」スタートです!
コース序盤は、道も平坦でペダルをこぐ足も軽やか。スタートから6kmほど進むと、白い砂浜と青々した松が美しい「気比の松原」に到着します。日本三大松原のひとつに数えられる美しい景色を味わいながら、海沿いの松林を駆け抜けましょう。松の隙間から差し込む木漏れ日と潮の匂いを感じながら走るサイクリングに、気分は爽快!
松原を抜け、穏やかな敦賀湾沿いに進んでいくと敦賀半島にさしかかりました。楽あれば苦あり。ここからは急こう配の上り坂が続きます。馬背(まじょう)峠トンネル付近では「わかさいくる」ルートの中でも一番高い地点に到達。腰を浮かせてペダルをこぐ足に力を込めます。がんばれ、自分!
【美浜町】海岸沿いのアップダウンとのんびり漁村をゆく
馬背峠のトンネルを抜けると、道の両脇に畑や林が広がります。陽の光が葉を緑に照らし、気分は森林浴。きつかった上り坂から一転、今度は急な下り坂に。スピードの出し過ぎに注意して景観を楽しんでいると、再び若狭湾と美しい砂浜が見えてきました!美観で有名な水晶浜です。
水晶浜では、透き通った海ときらめく白い砂の美しいコントラストに思わずうっとり。夏はたくさんの海水浴客で賑わう水晶浜ですが、オフシーズンの静かな海辺を走っていると映画のワンシーンに入り込んだような気分になりました。青い海を右手に見ながらのサイクリングロードは小刻みなアップダウンも多く、飽きずにライドを楽しめます。
美浜町を進んでいくと、三方五湖が見えてきました。三方五湖の5つの湖は、すべて濃さの違う青色に見えることから「五色の湖」と呼ばれているそう。はじめに、ボート競技が盛んな久々子(くぐし)湖を通り過ぎると、日向(ひるが)湖が現れます。日向湖の湖畔は民家や船小屋が密集して立ち並ぶ、ノスタルジックな地域です。自転車を止めて、写真をパシャリ。いつまでも眺めていたい、どこか懐かしい風景でした。
【若狭町】三方五湖湖畔の平坦な道と、湖畔の施設をめぐる
日向湖を離れ、次は水月(すいげつ)湖の湖畔をのんびり走ります。
さらに三方湖の湖畔を進むと、左手に見えてきたのは「道の駅 三方五湖」。休憩がてら立ち寄ると、地元特産の梅加工品がズラッと並んでいました。喉も乾いたので疲労感を軽減するという地元産のドリンク「グッジョブ」を購入!湖畔そばのテラスで、野鳥が飛来するという湖を眺めながら飲む「グッジョブ」の爽やかな酸っぱさが、身体に染み渡ります。
疲れも癒えたのでサイクリング再開!菅(すが)湖畔の木々のトンネルを通り抜けると、久々子湖に戻ってきます。三方五湖周遊道路はコンパクトな道幅で、湖のすぐそばを走れる気持ちの良いルート。「ゴコイチ(=三方五湖一周)」とも呼ばれ、わかさいくるルートの中でもトップレベルの人気を誇ります。この辺りは敦賀駅から約60㎞、全ルートのほぼ中間です!
【小浜市】情緒あふれる海辺の街で、鯖街道の食文化に触れる
再び三方五湖を半周して三方湖畔に戻ってきました。三方湖から若狭湾に抜ける道は傾斜のきつい上り坂で、けっこうハード。しかし、この難所を越えると絶景スポット・世久見展望台が!烏辺島(うべじま)がぽっかり浮かんでいるように見えます。マイペースに小浜湾の海沿いを進み、小浜市の市街地へ入っていきます。
小浜のまちなかでは、湧水スポット「雲城水(うんじょうすい)」に立ち寄りました。地下30mから湧き出る地下水は一年を通じて13℃とひんやり。その名水は、疲れた身体にしみわたる美味しさでした。
小浜公園あたりで少しコースをそれて、三丁町の歴史的な町並みに立ち寄りました。自転車を降りて路地をのんびりと散策します。ここは、大阪から北海道まで日本海経由で結んだ「北前船」の寄港地として栄えた町。国の重要伝統的建造物群保存地区として料亭や町並みが残されており、古にタイプスリップしたような感覚を覚えます。
三丁町を出てライドを再開。小刻みにアップダウンを繰り返しながら坂道を走り、加斗(かと)海岸に到着しました。海辺に自転車を停めてひと休みです。海岸から1kmほど先に「蒼島(あおしま)」という小さな島が見えます。島の森林は原生状態の照葉樹林で、国の天然記念物に指定されているそう。神秘的なオーラを感じ、写真に収めました。
【おおい町】海辺の新スポットと、半島への大橋の景観を楽しむ
加斗海岸を出発し、海といったんお別れ。再びアップダウンを繰り返す市街地に入り、8kmほど進むとまた海が見えてきました。小腹も空いたので、「SEE SEA PARK(シーシーパーク)」に立ち寄りましょう!
「SEE SEA PARK」は2022年7月にオープンした複合商業施設で、透明感のある建物が周囲の風景に溶け込み、とても印象的です。中にはカフェダイニングやファッションストアが入っていておしゃれな雰囲気。ラストスパートに向けてチャージ完了です。
「SEE SEA PARK」を出て少し走ると、「青戸の大橋」に到着しました。青戸の大橋は小浜湾南西部の青戸の入江から大島半島に渡る橋で、鮮やかな赤色が特長です。全長約750mの大きな橋を渡るライドはダイナミック! まるで海の上を走っているような爽快感を味わえました。
【高浜町】若狭富士・青葉山を眺める砂浜の道をたどり、ゴールへ
いよいよ高浜町コースに入りました! ここからゴールまではアップダウンがなく、とても平坦。
国際環境認証の「ブルーフラッグ」をアジアで初めて獲得した若狭和田ビーチは、わかさいくる屈指の絶景スポットです。砂浜の間際まで降りていき、しばし眺めを堪能。“若狭富士”とも呼ばれる青葉山と海が織りなす絵画のような景色をたっぷり味わいながら、砂浜横の絶景ロードを通って西へ向かいます。
さあ、最後の目的地・JR若狭高浜駅へ。海沿いの道を進み、奇勝・明鏡洞(めいきょうどう)が有名な城山公園を過ぎると間もなくゴールです。
さあ、残り1km。あと500m、100m…ゴール!
思わずガッツポーズが出ました。せっかくなので、駅前のベンチに座る有名な「恐竜博士」と記念撮影。恐竜博士の左手をあげたポーズが、ゴールを祝福してくれているように感じました。
「わかさいくる」は素晴らしいサイクリングルート。思い思いのコースを楽しんで!
福井県の敦賀若狭エリアを走り抜ける総延長126kmの「わかさいくる」コース、いかがでしたでしょうか? 今回はJR敦賀駅から出発して若狭高浜駅に向かうモデルコースを走りました。各市町それぞれの個性あふれる自然や街なみ、歴史、食文化などを堪能しつつ、自転車の楽しみを最大限堪能できる素晴らしいコースになっていると思います。「わかさいくる」のルートはどこからスタート・ゴールしても自由です。思い思いのコースで敦賀若狭を楽しんでください!