歴史と風情ある若狭おばまの「町屋ステイ」で、思い出に残る素敵な時間を味わう旅。
若狭小浜にある三丁町と呼ばれる茶屋町にある町屋をリノベーションした一等貸しの宿に泊まり、目の前に広がる若狭湾の海の幸と福井の地酒を心ゆくまで楽しむ夜をご紹介します。
maruekaho
福井県若狭地方出身のmaruekahoです。
若かりし頃はネオン街に憧れて東京に浮気もしましたが、やっぱり若狭が大好き!という事に気づき帰郷しました。日々カメラの目を通して若狭の風景やお祭りを写し撮っています。
今回の宿がある三丁町をご紹介します。
三丁町は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている小浜西組と言われる地域の中でも特に当時の面影を色濃く残す茶屋町で、通りにはベンガラ格子や出格子の町家が立ち並び、落ち着いた雰囲気でとても風情を感じることが出来る場所です。軒先に吊るされた身代わり猿が皆さんを出迎えてくれます。
チェックインは、道の駅「若狭おばま」で
町家ステイのチェックインカウンターは、道の駅「若狭おばま」の中にあります。
せっかく道の駅まで来たのなら、物販コーナーをのぞいてみませんか。小浜をはじめ福井県内の特産品などを買うことが出来ます。
maruekahoがオススメするお土産を紹介します。
販売コーナー人気第1位の「若廣の焼き鯖すし」はぜひ食べてほしい逸品です。他にも小浜の豆腐屋「豆豊富 小堂食品」が作る人気の豆腐やあぶらげ、特産品の「へしこ」や「小鯛のささ漬け」、人気の鯖缶各種などがあります。どれもお酒のアテにぴったりなので、一緒に地元小浜酒造の「純米吟醸わかさ」や福井梅を使った「若狭梅酒」もいかがですか。
宿でのんびりと福井の逸品をアテに福井の美味しい地酒をいただくのもオススメです。
三丁町さのや
これぞ町家という佇まいの「三丁町さのや」は、古い町家建築の良さを残しつつリノベーションされた室内には伝統とモダンが融合した素敵な空間が広がり、小浜の文化や歴史を体感しながらのんびりとくつろげる癒しの宿です。
暖簾をくぐり玄関土間を通り奥に入ると、歴史が刻まれた箱階段がある玄関ホールから繋がる土間リビングの素敵な空間が目に飛び込んできます。さらに奥には、トイレや洗面所やお風呂があるサニタリールームがあります。どれも素敵なのですが、maruekahoが一番気に入ったのは、土間リビングやサニタリールームから見える中庭です。中庭を見ながらゆったりとお風呂に浸かると、旅の疲れもとれますね。
箱階段を上がり二階に行くと、居間のような落ち着きのあるリビングとミニキッチン、ベットルームが二つあります。剝き出しの梁が見える和モダンな空間で、暖色系のライトが落ち着いた雰囲気を作り出しています。
ミニキッチンには、敦賀市にある人気の日本茶のお店「中道源蔵茶舗」のお茶のティーパックと、小浜市にある昔ながらの喫茶店「カフェメルカード ミサキ店」の自家焙煎珈琲があります。
少しお腹がすいたのですが夕食まで少し時間があるので、宿に向かう途中で買った老舗和菓子屋「御菓子処 伊勢屋」の季節の和菓子「春のお彼岸おはぎ」と「水プリン」をいただきました。
小ぶりのおはぎは優しい甘さの粒あんと香ばしいきな粉が美味しいです。水プリンはプリンの下に水ゼリーという組み合わせで味や食感の違いが楽しいです。
三丁町の周辺には地元民の憩いの場所「小浜公園」や小浜湾に面した「翼のテラス(小浜海浜小公園)」、海岸沿いを少し歩くと小浜に伝わる人魚伝説にちなんで建てられた「マーメイドテラス」などがあります。心地よい潮風を感じながら海岸沿いをのんびり散歩するのもオススメです。
寿司割烹「大花(たいか)」
夕食は、小浜市役所近くにある寿司割烹「大花」にお邪魔しました。若狭湾で上がった新鮮な地魚や若狭牛などと共に福井の地酒が楽しめる落ち着いた雰囲気の素敵なお店です。
一品目は「刺身盛り合わせ」をいただきました。左から若狭まはた、中トロ、カワハギ、レンコ鯛、ヒガンふぐです。若狭まはたは、上品な白身でしっかりとした肉質で噛むほどに旨味が広がります。カワハギは淡白でクセがなく食感が良く、レンコ鯛は小鯛のささ漬けにも使われる魚で、やわらかい身に甘みがあり美味しいです。ヒガンふぐはトラフグにも負けないぐらいに美味しいふぐで、身はクセがなく旨味があり、白子はコクと旨味が濃くポン酢との相性は抜群です。中トロも脂がのっていてお酒が進みます。
一杯目のビールが終わったので、次は福井のお酒をいただきたいと思います。黒龍や梵、常山など数々の福井のお酒がある中で、若狭美浜で作られている「早瀬浦 純米吟醸酒」をいただきました。口当たり良く、しっかりとした旨味の中に米の甘さも感じられるお酒で、後味はすっきりとキレもありとても美味しいお酒です。
二品目は、日本酒に合う地物のハタハタを塩焼きでいただきました。やわらかい身にしっかりと脂がのったハタハタに塩加減も絶妙で、ハタハタを一口食べると口の中に旨味と脂が広がります。そこへ早瀬浦を一口飲むと、ハタハタの旨味と酒の旨味が合わさって何とも至福の時です。
三品目は、口休めに卵焼きをいただきました。優しい甘さがほっとする一品で美味しいです。
四品目は、地物のアナゴ煮をいただきました。炙ってから出されるアナゴ煮は、香ばしい匂いが食欲をそそります。口に運ぶと、ふっくらとやわらかく煮上げられた身に濃厚なツメとアクセントの山椒の実が合わさりアナゴの美味さが広がります。口の中がアナゴで満たされているところに早瀬浦を一口、濃いアナゴの味に負けない早瀬浦の旨味が合わさりさらに口内に旨味が広がります。
〆は並にぎりとお吸い物をいただきました。並にぎりは、マグロの赤身、若狭まはた、レンコ鯛、カワハギ、イサザ(シロウオ)、ホタルイカ、ウナギ、卵です。小さめの酢飯が〆にちょうど良く、お吸い物もいい塩梅で大満足です。※イサザ(シロウオ)は、ハゼ科の魚で春になると産卵のために川を上る習性があり、春の味覚として若狭ではお寿司以外にも生の踊り食いや、お吸い物などにして食べます。
宿に帰る途中の夜の三丁町も趣がありとても素敵です。
朝食難民に注意!
小浜市内で朝食を食べようとお店を探してみるとほとんどありません!
若狭小浜お魚センター内の「お刺身処 五右衛門」(開店AM6時)や、寿司割烹「大花」の近くにある「カフェメルカード ミサキ店」(開店AM7:30)くらいです。
町屋ステイの朝食付きプランのご利用や、ミニキッチンで簡単な朝食を作ることも出来ますので市内のスーパーマーケットなどで食材を買っておくのをオススメします。
小浜市や隣町の若狭町のパン屋さんを紹介したふく旅記事もありますので参考にしてください。
「お刺身処 五右衛門」
若狭小浜おさかなセンター内の鮮魚店「(株)大澤五右衛門商店」が営むお食事処で、地元で水揚げされた新鮮な魚介がリーズナブルな価格で楽しめます。旬の魚介がたくさんのった刺身定食や海鮮丼が人気です。
「カフェメルカード ミカサ店」
1986年に開店した昔ながらの喫茶店で、落ち着いた雰囲気の店内でゆったりと自家焙煎のコーヒーがいただけるお店です。
小浜の観光スポットをご紹介します。
「御食国若狭おばま食文化館」は、食にまつわる歴史や文化などが学べるミュージアムや、若狭塗箸などの伝統工芸体験ができる工房、温浴施設「濱の湯」などがある施設です。
「若狭フィッシャーマンズワーフ」は、日本海のダイナミックな景観を楽しめる「蘇洞門(そとも)めぐり」クルージングや、若狭の特産品などが買える物販コーナー、新鮮な地魚などが楽しめるレストランがあります。
[福井県立若狭歴史博物館」は、若狭地方の歴史や民俗資料や若狭の貴重な仏像などを見ることが出来ます。
歴史と風情溢れる若狭おばまの町屋に泊まり、若狭湾が育んだ特上の海の幸や福井の地酒を思う存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。