戦国ロマンを徒歩で味わう!「ふくいSatoyamaトレイル」
電車や車で観光地を巡ることが多いと思いますが、歩きでじっくりと巡ると、多くは周れないけれど、その土地に住んでいる人の生活感や空気感、見落としがちなちょっとした観光スポットを見つけることができます。
今回は街歩きより、ちょっとハードな山歩きを含んだ戦国時代の空気を感じるトレイルロードのご紹介です!
HIR☺︎
福井生まれ福井育ち生粋の福井人。写真歴は20年以上。嶺北奥越を中心に福井県内の風光明媚な名勝奇勝を撮り歩いてます。
882 view「ふくいSatoyamaトレイル」とは?
ふくいSatoyamaトレイルは福井県が設定した福井県内の里山や旧跡、自然を歩きながら巡るトレイルコースです。3つコースがあるのですが、今回はその中の「戦国ロマンコース」をご紹介。
福井駅周辺の足羽山の愛宕坂をスタートし足羽山を縦走、文殊山縦走、一乗谷を抜け、戻って三里山を縦走し越前市まで抜ける全長61㎞のコースです。長大すぎるため、見どころの一乗谷朝倉市遺跡周辺、および話題の北陸新幹線が眺められる文殊山のルートをピックアップ!
トレイルコースの一部を切り取って歩くのも楽しみ方の一つだと思いますよ!
※案内のパンフレットは福井県のサイトからPDFでダウンロード可能です
【戦国ロマンコース】一乗城山トレイル
朝倉氏が戦国時代に栄華を誇った一乗谷の朝倉氏遺跡は、写真にある唐門が有名ですね!
平地にある町屋の遺跡観光が通常はメインですが、トレイルコースにある城山跡も歩けば戦国時代にここに城があったんだなぁ、と戦国ロマンを堪能できますよ!
※写真は福井の写真インスタグラマー kayoko(@kayo_photoaka)さんからご提供いただいた 春の桜の時期の唐門です。トレイルコースの近くにあるので足を延ばしてぜひこちらも見てください!
アクセスですがJR一乗谷駅(越美北線)が登山口の近くにあります。福井駅から、たったの3駅。
ただし、運行本数は少ないのでご注意ください!
平坦なアスファルト道を少し歩き、民家の間を抜けながら登山口までたどり着くと一気に雰囲気が変わります。ここからは、山道なのでスニーカーではなくグリップのある靴で行きましょう。グリップが良ければローカットシューズでも問題はないと思います。
登山口から歩き始めてすぐに開けた場所に石仏があって、いきなり雰囲気が変わります。
見どころの一つに、馬出ルートのちょうど半分くらいのところに磨崖仏があります。
ちょっと苔むしていてわかりづらいですが、すぐ近くに立て看板があるので見落とすことはないでしょう。立て看板のちょっと手前にあるので、岩壁を見れば見つけることができると思います。数百年前に刻まれたものがさりげなく現存しているってロマンですよね!
磨崖仏からもう少し進むと不動清水がありました。水が今も不動明王の石仏の下から湧き出ています! 戦国時代、唯一の水源として重宝されていたのでしょう。湧き水ですがちょっとくぼんだ所にありちょっと怖かったのでポータブル浄水器を通してから飲みましたが、美味しい!
途中植林された杉林も通りますが、写真のような幻想的な森も広がっています
登山口より歩くこと40~50分。山の中にいきなり平たんな場所が出てきます。千畳敷跡です。
明らかに人工的に平坦にされた広場と礎石があるので、ここに大きな建物があったのが素人ながらに想像できます。城の手前に屋敷があった感じなんですね!
こちらの特徴としては一の丸から三の丸まで曲輪群が広がっていて、堀切という窪んだ堀を作って侵攻させにくくした地形が100条以上掘られているそうです。
1枚目の写真の真ん中あたり、堀が切ってあるのがわかりますか?
2枚目も奥が高くなっていると思いますが、このように攻めにくい地形が構成されているのがわかります。
この日、馬出コースを往復でかかった時間は1時間40分弱、登った標高差は423m程度。
山歩きに慣れている人なら、このくらいのタイムで行けると思いますが、コースタイムの150分程度でのんびり巡るほうが楽しいと思いますよ!
こんなに山深い一乗谷に、栄華を誇った朝倉氏の当時の空気感を十分に想像しながら歩けたトレイルでした!!
【戦国ロマンコース】文殊山トレイル
2024年3月にとうとう福井にも開通した北陸新幹線。福井平野を走る北陸新幹線を眺められる位置にあるのが文殊山。その文殊山も戦国ロマンコースの一部です。一条城山コースとつなげて歩いても良し、文殊山だけトレイルしてもよしです!
福井市民にはなじみの深い文殊山。福井市と鯖江市に跨っている低山で、登りやすい山ですが戦国ロマンコースの一部となっています。築城時期や築城者は不明とのことですが、かつてこの山にも城があったとのことで、堀切の跡などがあるんです。
県民もあまり知らず、ただただ馴染みのある福井のソウルマウンテンだったりします。
Satoyamaトレイルの道標がいたるところにあるので迷うことはないと思います。また、道の整備もしっかりされていて一乗城山よりめちゃくちゃ歩きやすいです。
最寄り駅は大土呂駅で、そこからの登山口となる二上から登ると途中に展望台があります。展望台からは鯖江方面と福井方面が両方望めます。山頂からのほうが眺望は良いのですが、この展望台からも北陸新幹線は見ることができ、時刻表が貼り付けてありました。
ピークが何か所かあり、小文殊 大文殊 奥の院と続きます。
この写真のお堂は小文殊にありますが、雰囲気がすごく良いので個人的に好きなポイントです。
「日本百名山」の著者 深田久弥が学生時代を過ごしたのが福井で、この文殊山は深田久弥もなじみが深ったとのこと。
大文殊からは福井平野が一望でき、もちろん北陸新幹線を見ることができます。また、白山連峰も眺めることができて、眺望は最高です!
写真の真ん中あたりにグネグネと通っているのか北陸新幹線の線路です。
意外と遠いのか、新幹線が走ってきても音がせず、ぬるっと走っていくので気づくのが難しいと思います。時刻表を調べて、その前後でじっくりと待ち構えておかないと見逃してしまうかも?
大文殊にも時刻表が貼ってあり、最近はスマホでもすぐ調べられるので時間に合わせて、ぜひ見てみてほしいです!
福井の戦国ロマンをぜひ徒歩で味わってみてください!
福井県民でもなかなか歩いたことがないルートですが、今回自分が歩いてみて歴史をひしひしと感じられました!
福井県が提供する「ふくいSatoyamaトレイル」のアプリもあり、道中のグルメスポットや宿泊スポットなども検索できます。ぜひ活用しながらのんびり福井を巡る旅を堪能してみてくださいね!