福井の日本酒「ひやおろし」4選!地元の酒屋のオススメをご紹介します!
秋の夜長に、秋の味覚とご一緒に、この時期にしか飲めない福井の美味しい地酒で至福の時間を過ごしてみませんか。
maruekaho
福井県若狭地方出身のmaruekahoです。
若かりし頃はネオン街に憧れて東京に浮気もしましたが、やっぱり若狭が大好き!という事に気づき帰郷しました。日々カメラの目を通して若狭の風景やお祭りを写し撮っています。
福井の地酒が美味しい理由。
皆さんは、「越山若水(えつざんじゃくすい)」という言葉を知っていますか?
意味としては、越前の緑豊かな山々を現す「越山」と若狭の清らかな水を現す「若水」 という意味で、福井県の豊かな自然を現した言葉です。
この言葉が現す通り福井県は美味しい水に恵まれ、酒米作りにも適した自然豊かな環境があります。
酒造りにはその土地の水が使われますが、水によって酒に特徴が現れるというくらいに日本酒作りには美味しい水が欠かせません。
また、美味しい水は美味しい酒米を育てるのにも欠かせません。
そんな酒作りに恵まれた福井県だからこそ、ふくよかな旨味がある美味しい日本酒が出来上がります。
さらに、福井県としても美味しい日本酒作りに力を入れていて、福井県農業試験場では大吟醸酒用の新しい酒米「さかほまれ」が開発されたり、福井県食品加工研究所では福井県オリジナルの酵母「ふくい酵母FK-802」が開発されています。
秋に出荷される「ひやおろし」とは
日本酒の新酒は一般的に12月から3月の寒い時期に出荷されますが、「ひやおろし」は春に搾ったお酒に一度だけ火入れと呼ばれる加熱処理を行って、夏の間に熟成させてから出荷されるお酒です。
新酒がフレッシュな味わいや若々しさを楽しむお酒なら、ひやおろしは涼しい蔵の中で熟成が進み、暑い夏を越えるころには味が馴染み角がとれ、旨味が増し、まろみを帯びて穏やかで落ち着いた旨味が楽しめるお酒です。
熟成酒ほど熟成が進んでいるわけではないので、若々しさと熟成した旨味がバランスよく楽しめるひやおろしは味覚の秋を楽しむ食中酒にもってこいのお酒で、江戸時代から秋の風物詩として親しまれています。
今回、お酒を選んでいただいた酒屋「兵助株式会社」ご紹介します。
地元で愛される酒屋の兵助株式会社は、明治創業より5代に渡りお酒を主に商いを続けている酒屋で、地元では「兵助さん」と呼ばれ親しまれています。
戦前までは日本酒醸造も行っていましたが、戦後の企業統制により醸造業から離れ、酒小売業へと移り現在に至っています。
モダンなたたずまいのお店ですが、旧表玄関側の建物は国指定の有形文化財に指定されていて、趣ある建物がとても素敵です。
米よし 水よし 造り手よしの地元福井の日本酒を中心に、素晴らしい銘酒を取りそろえるお店で、5代目店主の「村松 弘康 (むらまつ ひろみち)」さんは、お酒好きで日本酒に対する想いも凄くて、お店に行くとほんとに楽しそうにお酒を紹介してくれます。
酒屋の店主にオススメの飲み方を教えていただきました。
すっきりと飲みたいなら冷酒や常温で楽しむ。
ひやおろしの繊細な味わいを楽しみたいなら冷酒や常温がオススメです。
すっきりとのど越しよく飲みたいなら、氷を浮かべたグラスにひやおろしを注いだ「オン・ザ・ロック」で!
※飲みやすくなるので、飲みすぎに注意してください。
余談ですが、不味い日本酒を買ってしまったときは、キンキンに冷やして飲むとそこそこ美味しく飲めると教えてもらいました。
風味を楽しみたいなら燗酒で楽しむ。
ひやおろしの豊かな旨味やコクを堪能したいなら燗酒がオススメです。
お燗にすることにより、風味がいっそうふくらんで味も引き出されます。
40度前後のぬる燗や50度前後の熱燗で味の違いを楽しんでみてください。
これから秋深まる夜に、温かい鍋と一緒に燗酒を楽しむと心も体もポカポカして至福の時を楽しめますよ。
※燗酒で飲むと、酔いが回りやすく、すぐに酔えるので深酒にならなくて済むと店主もオススメしていました。
それでは待ちに待った福井のひやおろしを紹介したいと思います。
【1】白岳仙 特別純米 冷卸
福井市にある安本酒造(有)が造る「白岳仙 特別純米 冷卸 720ml 1980円(税込み)」は、福井県の酒造好適米「五百万石」を100%使用し、ゆっくりと半年間もの時間をかけて低温熟成された特別純米原酒で、透明感あふれる軽快かつ穏やかな旨味と静かに消えゆく綺麗な余韻が特徴です。 やや黄色く色付いた色合いは熟成を感じさせてくれます。
お米のふくよかな風味や味わいに奥行きがあり、後味のキレの良さにお酒が進みます。冷酒で飲むのも美味しいですが、常温からほんのり温めた燗酒もオススメで、味ののった秋の食材と一緒にぜひお楽しみください。
【2】梵 純米吟醸 ひやおろし
鯖江市にある(資)加藤吉平商店が造る「梵 純米吟醸 ひやおろし 720ml 1650円(税込み)」は、山田錦と五百万石を使用して、50%精米歩合の純米大吟醸酒と55%精米歩合の純米吟醸酒のブレンド酒というハイスペックなひやおろしです。
冷酒では気品のある香りが素晴らしく、引き締まった味のキレの良さを発揮します。燗酒にすると滑らかで深い味わいの余韻が染み渡る芳醇で旨口な飲み心地を楽しめます。
【3】黒龍 秋あがり
吉田郡永平寺町にある黒龍酒造(株)が造る「黒龍 秋あがり 720ml 1925円(税込み)」は、厳選した山田錦から生み出される上質な米の旨味で、熟成を経てよりふくよかになります。
香味とともに深まる秋限定の純米吟醸酒です。
グラスに注ぐと熟れてバナナや梨のような甘いフルーティーな吟醸香が楽しめます。
口に含むと山田錦本来のしっかりとした旨味や熟成を感じながらも、黒龍らしい透明感やキレの良さも加わりスッキリとした味わいに仕上がっています。
【4】早瀬浦 特別純米酒 夜長月
三方郡美浜町にある三宅彦右衛門酒造(有)が造る「早瀬浦 特別純米酒 夜長月 720ml 1650円(税込み)」は、最高といわれる酒造好適米「山田錦」を100%使用した特別純米酒で、穏やかで軽快な口当たりながらも、徐々に旨味や甘み、酸味がバランスよく広がり飲みごたえある仕上がりになっています。
燗酒にすると、さらにその深い味わいや旨味が広がり、味がのった旬の食材との相性も抜群です。
せっかくなのでオススメの中から一本を楽しみたいと思います。
今回、紹介いただいたひやおろしの中から、maruekahoにオススメの一本を村松さんに選んでいただきました。
その一本とは、「黒龍 秋あがり」です。
せっかくなのでmaruekahoがオススメする若狭の逸品を肴に飲みたいと思います。
maruekahoがオススメする酒の肴をご紹介します。
左から田村長の「鯖の一口へしこ漬け(国産鯖使用)216円(税込み)」、上杉商店の「小鯛のささ漬け(65gパック)540円(税込み)」、名田庄商会の「名田庄漬け・田舎の大ちゃん216円(税込み)」です。※2022年9月現在の価格です。
一口へしこ漬けは、電子レンジで温めてからオーブントースターで軽く焦げ目をつけると、糠の香りに香ばしさも加わり美味しくいただけます。
※糠が苦手な方は電子レンジで温める前にへしこを軽く水洗いして糠を落としてください。
小鯛のささ漬けは、、そのまま食べても美味しいですが、お刺身のようにワサビ醤油につけたり、手毬寿司にしたりしても美味しいです。
あと、maruekahoのオススメは小鯛のささ漬けのフライです。びっくりするかもしれませんがとても美味しいので一度お試しください。
名田庄漬け・田舎の大ちゃんは、ぬか漬大根にかつおと昆布のうまみが効いたお漬物でご飯やお酒が進みます。
へしこと小鯛のささ漬けは少量になっているので、手軽に老舗の味が楽しめることができて嬉しいです。
名田庄漬けはいろんな種類があるので、あなた好みの名田庄漬けを見つけてみてください。
今回の若狭の銘品は、「道の駅 若狭おばま」で買うことができます。
準備万端!ゆっくりと秋の夜長を楽しみましょう。
さあ、準備が整いましたのでゆっくりと「黒龍 秋あがり」を楽しみたいと思います。
まずは、常温の秋あがりを盃に注ぎ口元へ、甘いフルーティーな香りを楽しんだ後は口に一口含むと最初に甘さが広がり、次に旨味が広がり余韻も楽しめます。
次に、小浜市にある「ガラス工房KEiS庵」のお気に入りのグラスで、村松さんオススメのオン・ザ・ロックにしていただきます。
海をイメージさせるグラスに透明な秋あがりがとても綺麗です。
香りは少し閉じてしまいますが、口に含んだ時のスッキリとした甘さと程よい旨味が味わえ、のど越しもよく飲み過ぎに注意が必要ですね。
最後は、40度のぬる燗でいただきました。
温めると酒米の香りが広がり、口に含むと柔らかい甘さとふくよかな旨味が広がります。
ポカポカとして心が和らぎますね。
お酒の温度でこれほど味が変わるなんて思ってもいませんでした。皆さんもいろいろな飲み方で福井の地酒を楽しんでみてください。
美味しい地酒と美味しい食材を求めて福井県にも来福ください。
今回紹介したのは、ほんの一部の地酒です。
福井県にはまだまだ沢山の蔵元があり、美味しいものもたくさんあります。
地酒はネット通販などで買うこともできますが、福井県に赴きその土地の風土に触れて、その土地の旬の食材や郷土料理と一緒に福井の地酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。
これから越前ガニや海鮮が美味しい季節になりますので、ぜひ福井県へ!