「日本最速の路面電車」福武線と北府駅鉄道ミュージアム!世界でも400都市だけのレアな存在!?
福井市を走る路面電車は県民にとって親しみのあるものですが世界的にも約400都市にしかないレアな存在。しかも、郊外では鉄道路線に乗り入れるかなり珍しい形態で「日本最速の路面電車」と言われることも! 福武線に乗って、そして歴代の電車と歴史が楽しめる北府駅の鉄道ミュージアムをご紹介します!
HIR☺︎
福井生まれ福井育ち生粋の福井人。写真歴は20年以上。嶺北奥越を中心に福井県内の風光明媚な名勝奇勝を撮り歩いてます。
79 view越前市にある北府駅鉄道ミュージアムに行ってきました!
越前市の街中に佇む木造の趣のある駅舎が特徴の北府駅。駐車場もありパークアンドライドも可能なこの駅に、2023年に生まれたのが北府駅鉄道ミュージアムです。4つの時代の列車が集まる実はすごい場所で担当の白崎さんにお話を伺ってきました!
※北府駅は「きたごえき」と読みます。
白崎さん! 福井鉄道の凄いところを教えてください!
- 福井市民なんですが車移動がほとんどで実はあまり乗ったことがないんです(すみません…) 福井鉄道の福武線のことをおしえてください!
- あ、そうなんですね(汗) 福井鉄道の福武線は、もともとJRの路線(旧国鉄・現はぴライン)と並走する形式の生活路線で、1924年から電車なんですよ。その頃の国鉄は汽車で煙を嫌われて郊外に路線を引くことが多く、対照的に街中を走るのが福武線になっています。
- え?そんな昔から電車ってあったんですね!?すごい
- 福井鉄道は大正・昭和・平成・令和の4つの時代の車両がいまだに残っているのも特徴です。しかも地方鉄道としてオリジナル車両が多く走ってるのも珍しいですよ。それぞれが主役を張れるくらいの歴史を持った車両がいるんで福井鉄道は選手層が厚いです(笑)
- なんと大正の車両がいまだに現役なんですか?
- 御年101歳のおじいちゃん車両(デキ11)がいまだに令和生まれの車両が走る線路の雪かきをしていて、おじいちゃんが働いてくれないと最新式が走れないという(笑)
白崎さん「デキ11は大正生まれで木造なんですよ。珍しいので鉄道ファンの方からいつ走るのかお問い合わせもありますが、除雪のために走るので不定期のためお教えできないんです」
ライター「ぉぉ、、よく見ると木造なのがわかります。いまだ現役で福井の厳しい雪をかいてくれているんですね!」
白崎さん「それと、この車両工場も大正時代のものなんですよ。横の新しい車両工場は平成のものなんで、昭和が抜けてますが(笑)」
ライター「めちゃくちゃ趣がありますね!見てるとタイムスリップした気分になります」
(※車両工場は常時開放ではなく取材で特別に見せていただいたもので、イベント時のみ見ることが可能です)
- 福武線の車両は、当時の福井鉄道の首脳陣がスピードアップ委員会というものを立ち上げて、地方鉄道には珍しいオリジナル車両で開発しました。都市部の鉄道と互角のスペックの最高時速65㎞で走ります。
- 都市部の鉄道とタメを張ってたとは熱い話ですね!路面区間と鉄道区間があるのも特徴でしたよね!
- 以前は鉄道線用の車両が路面区間を走っている形でしたが、路面電車型の低床車両の導入が進み、路面電車型の超低床車両が鉄道区間を爆走しています。視線が低いので、スピード感があって、「日本最速の爆走路面電車」と言われていたりますよ(笑)
- 生活路線なんで、すぐ横に家があるような細いところを通っていく区間もありますよね!低床だと迫力とスピード感が凄そうです!
白崎さん「このモハ203は、宿敵と言える国鉄に対抗するために開発された福井鉄道における、いわばガンダムみたいなもので、白いラインと急行のマークが特長です」
- 今見てもかっこいいデザインですね!
- 宿敵である国鉄にケンカを売るような形で開発されたモハ203なんですが、実は…県外の開発工場から福井に運んできたのは、その宿敵の国鉄なんです(笑)
- 宿敵の手を借りて運ばざるを得なかったんですね(笑) ちょっと切ない
白崎さん「このステップも実はオリジナルなんです。モハ200は高床車両で、路面電車の駅は低いのでステップがないと乗降りが困難だったんですよ。バリアフリーが当たり前の今の時代では考えられないですね(笑)」
モハ203の車内は、イベント時に開放されて見学できます。めちゃくちゃ綺麗だし、雰囲気が凄くてテンションが上がります!
- 福井は観光スポットは多いんですけど、それぞれが離れていて、そこまで公共交通機関で行くのが大変ですが、北府駅鉄道ミュージアムは駅自体が目的地なので便利ですね
- そうなんですよ! 北陸新幹線の開通で来福する観光客の方が増えているのですが、恐竜博物館にしろ東尋坊にしろ鉄道でのアクセスは正直そんなに良くないです。その点、北府駅自体が観光の目的地になっていて、福井駅から路面電車も鉄道区間も楽しみつつミュージアムを観光いただけるといいですね! それと、近場の西山動物園は無料でレッサーパンダが見られるし、是非合わせて観光してほしいです!
駅に入ってくる車両をベンチに座りながら目の前で見られるのも北府駅の特徴です
ドイツを走っていた1960年代の車両が、愛称「レトラム」の名前で現在は土日運行中(実際の運行日については福井鉄道のWEBサイトでご確認ください)
越前市から福井駅までの区間を走るレトロな列車はとても絵になりますね!車内の路線図はドイツのシュツットガルトのものでドイツ語で書かれていたり、広告はドイツの現地にある家具屋さんのものがあったりと中も楽しめます!
- この復刻昭和カラーのモハ602は引退した車両ですが、運転席にモニターを置いてリアル運転シミュレータを搭載していて、有料ですが運転体験ができます
- 鉄道ファンやお子さんにはめちゃくちゃ喜ばれそうですね!
- イベント時には、車両工場にも入っていただけます。頭をぶつけたりすると危ないのでヘルメット着用ですよ!
- 整備中の車両が見られるってめっちゃ貴重ですね!
普段、見られない車両の下からも、上からも横からも眺められるなんてすごい体験ですね!パンタグラフが折りたたまれているのが間近に見られて興奮します!
- 個人的には、福井駅のティラノザウルスの横を列車が走る風景がジュラシックパーク感があってすごい好きなんです!
- 福井駅に乗り入れるヒゲ線のところですね 絵になるんで観光客の方に喜ばれています!
- 福井県民にとっては生活路線の福武線ですが、乗ること自体がエンターテイメント性もあって楽しいのでそれを観光の一つの目的として福井に来ていただけるといいですね!
- 地元なのに何も知らなかった自分が恥ずかしい・・・めちゃくちゃ楽しかったです! 他県の方も、ぜひ乗りに来ていただきたいですね!ありがとうございました!
皆さんもぜひ福武線に乗って、北府駅鉄道ミュージアムに来てくださいね!