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知る人ぞ知る、スモークな干し柿「今庄つるし柿」の生産現場を体験レポート!

「福井県には知る人ぞ知る”今庄つるし柿”があるんです。」と紹介すると、お返事は「全国各地につるし柿(干し柿)の産地がありますよね」と。しかし、全国各地のつるし柿と違うのは、製造過程で「燻す」作業があると言うことです。その結果、全国でも珍しい”スモークな干し柿”が出来上がります。今回は、そんな福井県南越前町今庄だけで作られている”今庄つるし柿”がどのように作られるかを生産現場に潜入して、ご紹介したいと思います。記事の最後には、ちまたではなかなか見つけることができない「今庄つるし柿」の販売スポットもご紹介しますので、最後までお楽しみください。

知る人ぞ知る、スモークな干し柿「今庄つるし柿」の生産現場を体験レポート!

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福井県地域おこしネットワーク
地域おこしネットワークのライター、ショーです。
福井県南越前町に移住して7年目。地域の日常を体感することができる宿を運営する僕が、地域の人たちとの関わりの中で見つけた福井県の魅力をお伝えしていきます。

今庄つるし柿とは・・・?

福井県の嶺南と嶺北を分ける山々の麓にあるのが南越前町今庄。古くは北陸の玄関口として栄えた今庄宿が位置する地域です。この地で450年前から伝わるのが「今庄つるし柿」。「一粒食べれば一里歩ける」と言われ、街道を旅する人々に重宝されてきました。


全国各地につるし柿(干し柿)の産地は数多くありますが、今庄のつるし柿が他と違うのは作り方です。通常のつるし柿は、日光で乾燥していくのですが、今庄つるし柿は、薪を燃やすことで出てくる“煙”で乾燥させる「燻し製法」。その工程のおかげで、スモーキーな香りがする今庄つるし柿ができあがるのです。

全国でも珍しい今庄つるし柿づくり体験をさせてもらえるということで、生産者さんのもとを訪れ、実際に体験してきました!

「10のてまひまをかける」と言われる手作りなつるし柿づくり

  • まず最初は、なんと言っても柿を収穫するところから始めます。つるし柿で使うのは“長良柿”と呼ばれる縦長の柿です。名前の通り発祥は岐阜県の長良川流域だとか。高い場所に実をつける木も多く、高いところだと二段ハシゴを使って収穫するなど、危険が伴う作業です。
体験ではハシゴを使わずに届くところで収穫させてもらえるので、安心安全です!

続いては、収穫した柿の枝を切り、ヘタを取ります。つるし柿は縄に吊り下げるため、枝を残すのがポイント。このT字に残された枝の部分は、地元では「カンザシ」や「ホゾ」と呼ばれています。短すぎると縄にかからないし、長すぎるとできあがりが不格好。絶妙な長さに切るのが難しい・・・

  • その後、柿の皮をむきますが、これがまた難しい。皮むきに合わせて柿を回転させないといけないのですが、片手にすっぽり収まってしまう小さい柿は回しづらいのです。生産者の方がむいているのを隣で見ていましたが、リズミカルな「シャッ、シャッ」と皮をむく音が聞こえてきます。そして、均等にむかれてツルツルに光る柿の表面は芸術品。続いて、皮を剥いた柿は一つずつ、縄に吊り下げて、天日干し。しばらく干していると、柿の表面がむきたてのツルツルから、薄皮が張ったザラザラに変わっていきます。そうすると、次の燻し工程に進むことができます。
  • ここからが今庄つるし柿の真髄「燻し」に入ります。生産者さんによって、若干異なるそうですが、王道は丸3日間燻し、間に種割と呼ばれる工程を挟んで、さらに2日間燻すというもの。つまり、あわせて5日間も煙で燻し続けるのです。それだけで、手をかけて作っている価値が感じられます。燃やす薪は基本的に広葉樹を用いるそうですが、なんの木を使うかは生産者さんによって異なるとのこと。
さすがに今回の体験ではできませんでしたが、生産者さんは夜中でも3時間毎に薪を追加するなどの作業をしているそうです。

燻しの間にあるのが「種割り」と呼ばれ、味や食感を決める大切な工程です。燻した柿を手で揉んで、中にある種と身の間に隙間を作ります。もちろん、これも一つずつ手作業。揉んでいると最初はきっちりと詰まっていた柿が柔らかくなっていくのを感じます。この柔らかさが食べたときの美味しい食感を作り出すようです。

  • 残り2日間の燻しを終え、最後には燻すときについたススなどをお湯で洗い流し、天日で乾燥させれば完成です。最後の最後まで丁寧に作られていきます。
どれだけ時代が変化しても、昔ながらの丁寧な製法で作られるつるし柿。口に入れたときに口の中にスモーキーな香りと、甘い柿の味が広がるのは他では味わうことができないと思うので、ぜひ食べて見てほしいです!

今庄つるし柿づくりが体験したくなったら!

今庄つるし柿はここで買える!

つるし柿ができあがるのは、例年11月中旬。その頃になると、店頭につるし柿がならぶスポットをご紹介します。地域全体でも作られている数が少ないので、スーパーなどで見かけることは、ほとんどないかと思いますので、季節になれば、下記の店舗に足を運んでみてください。


今庄観光協会売店(JR今庄駅)

▶ 生産地の最寄り駅であるJR今庄駅構内にある売店。季節になると、縄のままのつるし柿が吊り下げられた状態で販売されています!


道の駅 南えちぜん山海里

▶ 北陸道南条SA(上り線)に隣接した道の駅。福井市から関西・中京方面に帰る際に寄ることができます。高速道路からは、南条SAに車を停めて徒歩で直結。一般道の場合は南条駅からすぐ。

体験の最後には現地でお味見♪

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