日本海側最大級の梅の産地、福井県で梅を満喫!
日本人が古くから食べてきた保存食である「梅干し」
この原料となる梅がどこで作られているかと考えたときに一番に出てくるのは「和歌山県」だと思います。
しかし、梅は和歌山県だけではなく、全国各地で栽培されており、福井県は日本海側では最大規模の出荷量を誇ります。
今回は、梅の栽培のこと、梅干しだけじゃない梅の食べ方など、6月に収穫期を迎える梅のことを余すことなくお伝えします!
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日本海側最大級の産地・福井県
梅は古くから保存食の梅干しとして食卓に並び、お酒の席で甘いものが飲みたくなったら、梅酒を飲む。
また、慶事・吉祥のシンボルとして松・竹・梅が用いられるなど、私たち日本人とは深い縁で結ばれた作物です。
6月に入るとスーパーなどの店頭に梅が並ぶのが目に入る方も多いのではないでしょうか。
そんな梅の産地は和歌山県!全国シェア7割を超える圧倒的な生産量です。しかし実は、全国各地で栽培されており、福井県もその一つ。日本海側では最大規模の出荷量を誇ります。
今回は、そんな「福井梅」のことをご紹介していきます!
福井県で栽培されている主な梅は4種類
・「紅映」(べにさし)
・「剣先」(けんさき)
・「新平太夫」(しんへいだゆう)
・「福太夫」(ふくだゆう)
それぞれに特徴があり、適した使い方があるので、ご紹介していきます。
”福井梅”は、4品種
「紅映」(べにさし)
- 紅映という名前の通り、青梅が熟するに従って鮮やかな紅色に染まり、香りが楽しめます。
- 種が小さく、果肉が分厚いという特徴があります。
- 梅酒、梅干しにするのがオススメ!特に梅干しは肉厚でぽったりとした食感が楽しめます。
「剣先」(けんさき)
実の先端部分がやや尖っていることから「剣先」という名前に。
早い時期から大玉になるため、福井梅のトップを切って出荷されます。
- オススメは、梅酒や梅シロップなどのジュース用ですね!
「新平太夫」(しんへいだゆう)
昭和36年に始まった県の園芸試験場で行われた梅の研究で、収穫量が多い樹が見つかりました。それがこの品種です。
江戸時代から福井県で伝わる「平太夫」梅の名前にちなみ「新平太夫」と名付けられました。
熟すと黄色くなり、芳醇な香りが畑に漂います。樹の上で完熟させ、落ちてきたのを拾う完熟梅のネット収穫も行われております。
やや晩生の品種ですが、収量が極めて多いのが特徴です。
- 樹の上で完熟させる収穫方法もあるのが、この新平太夫です。
この完熟梅と塩だけで作る梅干しが絶品!!
「福太夫」(ふくだゆう)
「新平太夫」と「織姫」を交配してできた新しい品種で、平成17年に県の園芸試験場で品種登録された比較的若い品種です。
果実はやや小ぶりですが、早生(時期が早い)で、収量が極めて多いです。
- 梅酒、梅干しに適しています。黄色く熟した完熟梅が美味しいです!
”福井梅”の歴史は古く、江戸時代から
”福井梅”の歴史は古く、江戸時代の天保年間(1830~1844年)に若狭町での梅栽培が始まったと伝わっています。
それが明治15年頃には、梅栽培が本格的に定着し、栽培が普及していた地域をさして、「西田梅」と呼ばれるようになりました。
明治・大正初期時代の西田地区の交通の便が悪く、早朝に、小船を漕いでとなり村に上陸し、若狭街道を肩荷・荷車をおして港町敦賀に届けるという大変な作業だったようです。今もこの頃に里人が唄った俗謡「梅売り唄」が伝えられています。
国鉄敦賀線が大正10年に完成したのが契機となり、関西を中心に広く「西田梅」が知られるようになりました。戦時中には、重要軍需品として舞鶴海軍に納入され、戦後も「青いダイヤ」と呼ばれ重宝されてきました。
昭和42年に「福井梅」に名称変更が行われ、産地としてさらなる飛躍を目指しています。
”福井梅”を求めて、若狭町へ行こう!
そんな福井梅は、福井県若狭町を中心に、小浜市や敦賀市、南越前町で栽培されています。
その約8割を出荷するのは、若狭町。梅を農家さんの直売所で購入するために若狭町を訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。
そんな福井梅を購入する主な方法はいくつかあります。
1:農家併設の直売所
2:JA福井県が運営する「梅の里会館」
3:道の駅 三方五湖
それぞれの購入できる場所についてご紹介していきます。
梅の購入場所 1:農家併設の直売所
JR美方駅から、三方湖や若狭湾沿いに走る国道162号線沿いなどに点在するのが、梅農家さん直営の販売所です。
道を走っていると左右に現れる「青梅直売」の看板たち。これを目印に訪れると、それぞれの農家さんが栽培した梅を販売してくれています。
もちろん、スーパーや道の駅で買っても良いですが、こういった直接、話をしながら購入できるのも直売所の面白いところではないでしょうか。
あなたのお気に入り「マイ農家さん」を見つけてみてください。
また、このあたりは梅林も続いているため、春の梅の花を楽しむことができるスポットにもなっています。
梅の購入場所 2:JA福井県が運営する「梅の里会館」
梅のテーマパークと言っても過言ではないのが、JA福井県が運営する「梅の里会館」です。
ここは古くから、青梅や梅干し、梅を使った商品の販売など、数多くの梅製品が購入できる場所として知られています。ここで販売している梅干しは、薄塩やしそ漬け、はちみつ漬けなど様々。梅の里会館で作られている自家製です。
梅製品の販売の他、大相撲の優勝力士に福井県知事賞として贈呈されるトロフィーのレプリカも展示されていますので、ぜひ訪れてみてください。
【 梅の里会館 】 〒919-1463 福井県若狭町成出17-41 TEL / 0770-46-1501 開館時間 / 8:30〜17:00 休館日 / 年末年始 交通アクセス / 舞鶴若狭自動車道・若狭三方ICから 車で約15分・JR三方駅から町営バス『常神・三方線』で約19分「別所川」下車 |
梅の購入場所 3:道の駅 三方五湖
三方湖の景色も楽しみたいのなら、おすすめは「道の駅 三方五湖」です。
三方湖のほとりに位置する道の駅で、コンパクトながらも様々な商品が取り揃えられています。
梅製品はもちろんのこと、地元農家さんが作った季節の野菜なども並び、観光案内所も併設されているので、せっかく若狭町までやってきたのなら、観光スポットの情報もゲットしていきましょう!
【 道の駅 三方五湖 】 〒919-1331 福井県若狭町鳥浜122-31-1 TEL / 0770-45-0113 開館時間 / 9:00〜17:00 休館日 / 第1火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 ※7月~8月無休 交通アクセス / 舞鶴若狭自動車道若狭三方ICから車で6分(国道27号経由)・ 舞鶴若狭自動車道若狭上中ICから車で12分(県道22号・梅街道・国道162号経由)・ JR三方駅から町営バス『常神・三方線』で約13分「縄文ロマンパーク」下車 |
青梅だけじゃない!梅の楽しみ方
梅と言えば、青梅を買って、梅干しや梅酒を作り楽しむというのが一般的です。
しかし、梅干しをはじめとした梅製品が、種類豊富に作られているのでご紹介したいと思います。
完熟梅ジャム 福井梅とてんさい糖を丁寧に裏ごしした口当たりなめらかなジャム 令和4年度 六次化大賞 日本食糧新聞社賞 受賞 160g/¥840 |
まずは、定番のジャム。種類がいろいろあるのですが、僕が気に入っているのは、こちらのジャムです。
実はこのジャムは「梅が苦手な妻」のために、梅農家の夫が工夫をして作ったという、心がホッとするエピソード付き。
試作を重ね、ちょうどよい配合を見つけて作っている愛情のこもったジャムです。
「梅の香りは好きだけど、甘さが苦手だから、梅酒は飲めない」というあなたにお試しいただきたいのが、無糖の梅酒です。
BENICHU38°(無糖) 糖類不使用で、ウォッカで漬け込んだ梅酒は糖分ゼロ、 その旨味は、福井県若狭町の旨みの強い紅映梅を100%使用し、 300ml/¥1,380 |
最後にご紹介するのは、定番の梅干しながら、少し変わった色合いをしている”くろ梅”です。
熟成くろ梅(国産蜂蜜入り) 80g/ ¥980 |
これらの商品は、先ほどご紹介した道の駅 三方五湖などで販売していますので、ぜひ足を運んでみてください。梅干しだけじゃない様々な梅製品を楽しんでもらえることでしょう。
青梅だけじゃない!梅の楽しみ方!~梅収穫してみませんか~
梅を手に入れるのは、買うだけではありません。自分の手で収穫してみませんか?
数多くの梅農家さんはいるけれど、収穫体験までさせてくれる農家さんは、ほとんどいません。
そこで、今回ご紹介するのは、県外から移住してきて梅農家となった伏見梅園さんです。
もともと、システムエンジニアをしていた伏見さんが「ものづくりの中でも、食べ物を作りたい」と飛び込んだのが、若狭町の梅農家の世界。
そんな伏見さんだからこそ、今までに他の人がやっていなかった収穫体験を始められたのかもしれません。
梅の成熟具合によって、体験できる時期が毎年異なるのも自然のものだからこそ。毎年6月に開催されていますので、やってみたい方は下記のサイトをチェック!
【所要時間】2時間 ・大人(中学生以上)1,500円 ・小人(3歳~12歳)1,000円 ・小人(3歳未満)無料 |
- 今回は、「福井梅」を様々な角度からご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。青梅や梅製品、収穫体験など、気になったものがあれば、足を運んでもらえると嬉しいです。ピークシーズンの6月は、僕もどこかの梅農家さんでお手伝いをしているので、お会いできるかもしれませんね!お待ちしております。
福井県南越前町に移住して7年目。地域の日常を体感することができる宿を運営する僕が、地域の人たちとの関わりの中で見つけた福井県の魅力をお伝えしていきます。