日本遺産プレミアム「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食若狭と鯖街道~」の魅力とオススメスポットを紹介します。
御食国若狭と鯖街道が紡いだ「食」、「文化と歴史」と「若狭の魅力」をご紹介します。五感を通して御食国若狭と鯖街道の魅力を感じてみませんか。
maruekaho
福井県若狭地方出身のmaruekahoです。
若かりし頃はネオン街に憧れて東京に浮気もしましたが、やっぱり若狭が大好き!という事に気づき帰郷しました。日々カメラの目を通して若狭の風景やお祭りを写し撮っています。
全国で唯一の日本遺産プレミアム選定!
2024年7月、福井県若狭の海産物を京都に運んだ鯖街道を中心とする小浜市と若狭町の日本遺産「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道~」が、日本遺産認定地域の最上位のランクとなる「日本遺産プレミアム」に、全国で唯一選定されました。
※日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーで、全国で104件を文化庁が認定しています。(2024年現在)
「御食国若狭と鯖街道」とは
「御食国若狭」
若狭は、古来より朝廷に「御贄(みにえ:天皇の御食料)」を納めた御食国の一つとして、塩や豊かな漁場がもたらす海産物などの豊富な食材を都に運び、都の食文化を支えてきた地として、歴史的に重要な役割を果たしてきました。平安時代に編集された「延喜式(えんぎしき)」に、「御贄」を納める国として、志摩などと共に記されています。
「鯖街道」
若狭湾で採れた新鮮な鯖を都へ運んでいた道と思われている方も多くいるかもしれません。確かに若狭の鯖が都へ多く運ばれたことから、鯖街道と呼ばれるようになったのですが、実際は鯖以外にも若狭湾で獲れる豊かな海産物や、海を渡って伝わった大陸の様々な文化が都へ運ばれ、都からは祭礼や芸能、仏教文化や工芸品などが若狭へ運ばれました。また、鯖街道はいくつもある街道群の総称で、最も多くの物資が往来した「若狭街道(朽木ルート)」や、若狭と都を最短で結ぶ「針畑越え」、若狭から琵琶湖の湖西を通る「西近江路」などがあり、現在も街道周辺には当時の賑わいを伝える町並みや宿場町が残り、往来によりもたらされた祭礼や芸能、仏教文化などの多様な往来文化遺産群が今も若狭の地に息づいています。
古くから御食国として、また鯖街道の起点となる小浜市と、若狭から京都を結ぶ重要な宿場町「熊川宿」 がある若狭町の、「食」「文化」「歴史」「観光スポット」をご紹介します。
【若狭の鯖食文化】
古くから若狭湾では鯖がよく獲れました。しかし鮮度が落ちるのが速く、まだ冷凍技術が発達していなかったこともあり、焼く、塩漬け、酢しめ、麹漬けなどの発酵食品として鯖の保存性と美味しく食べる工夫がなされ、今もなお若狭の地に郷土料理として受け継がれています。
浜焼き鯖
小浜を始めとして、若狭では尾頭付きの鯖に串を打ち、焼き上げた鯖をよく食べます。香ばしく焼き上げられた鯖の皮、脂がのったふんわりとした身を生姜醤油で頂くとご飯が何杯もいただける美味しさです。小浜市内にある飲食店やスーパーマーケットでも提供されています。
絶品の浜焼き鯖が食べたい方は、鯖街道の起点近くにある「創業260年余 鯖専門店の元祖朽木屋」がオススメです。
【創業260年余 鯖専門店の元祖朽木屋】
〒917-0084 福井県小浜市小浜広峰39
TEL 0770-52-0187
営業時間 8:00~17:00(品物が無くなり次第閉店)
定休日 1月1日・2日
へしこ
福井の日本海側を中心に伝わる郷土料理で、鯖などの魚を塩漬けにし、米糠に漬け込んで1年以上熟成させた発酵食品で、昔から各家庭で味付けなどを工夫して作られています。若狭では鯖を漬け込んだへしこが主流で、最近は塩味を抑えてまろやかな旨味のへしこもありますが、やはり昔ながらの塩辛いへしこと大根の薄切りを一緒に食べる刺身や、焼きへしこをチビチビと食べながらご飯や福井の日本酒をいただくと最高です。お酒の締めにへしこのお茶漬けもオススメです。嶺南の飲食店や道の駅などで提供されています。
へしこをランチで気軽に楽しみたい方は、若狭湾の新鮮な海鮮が食べられるお食事処「濱の四季」の「内外海(うちとみ)本づくりへしこ定食」がオススメです。小浜市の内外海地区で作られる伝統的なへしこのお刺身、焼へしこ、へしこのだし茶漬けがいっぺんに楽しめます。
【濱の四季】
〒917-0081 福井県小浜市川崎3丁目5番
TEL 0770-53-0141
営業時間 平日・土日祝 11:00~15:00(L.O.14:30)
定休日 第1・3木曜日(祝祭日は営業)・年末年始(不定休)
鯖寿司
京都や若狭で作られる鯖寿司は、三枚に捌いた鯖の身に塩をして塩抜きし、酢でしめた身に酢飯をのせ、巻きすで巻いて形を整えたものです。江戸時代に京都で誕生したと言われ、若狭の寿司屋や道の駅などで提供されています。また、近年人気の焼き鯖寿司は福井が発祥と言われ、羽田空港の空弁で5年連続売上第一位を記録した「若廣の焼き鯖寿司」の株式会社若廣は小浜市にあります。
鯖街道沿いには鯖寿司を提供しているお店がたくさんありますが、そんな中から小浜市内と熊川宿にある鯖寿司(焼き鯖寿司)や変わり種の鯖のお寿司が食べられるお店を紹介します。
創業昭和35年の老舗寿司店「すし政」は、若狭湾でとれた新鮮な魚と福井県産のコシヒカリ、地元の酢店「とば屋酢店」の米酢を使って作られた鯖寿司や焼き鯖寿司、小鯛のすずめ寿しが名物のお店です。ご来店いただいたお客さんの大半が頼む人気の「にぎりと名物の三種盛り」は、名物のお寿司を気軽に食べられるようにアレンジされた焼き鯖ちらし、小鯛のにぎり、鯖のにぎりを味わうことができます。焼き鯖ちらしは酢飯の上に錦糸卵、青じそ、焼き鯖のほぐした身が乗っており、秘伝のタレがかけられています。脂がのった香ばしい焼き鯖に甘めのタレと爽やかな青じその風味、錦糸卵がよく合います。小鯛のにぎりと鯖のにぎりは、身が絶妙な加減で酢でしめられており、小鯛の身の甘さや鯖の旨味を引き出しています。
【すし政】
〒917-0078 福井県小浜市大手町5-13
TEL 0770-52-0875
営業時間 金・土曜日 11:30~14:30、17:30~20:30
日曜日 11:30~14:30、17:30~20:00
※年末年始の営業はHPをご覧ください。
定休日 月・火・水・木曜日
「葛と鯖寿司の店 まる志ん」は熊川宿の中心にあり、築170年以上の熊川宿を代表する平入り建築様式の古民家を改装したお店で、葛もちや葛きり、自家製の鯖寿司などを提供しています。人気の鯖寿司と焼き鯖寿司にお蕎麦(またはうどん)を合わせて食べられる「鯖寿司ご膳」が人気です。国産の鯖を使った鯖寿司は、肉厚の鯖の身が程よい酢加減でしめられており、食べ応えがあります。焼き鯖寿司も香ばしく焼かれた国産の鯖と酢飯の間に生姜が挟まれており、鯖の旨味とさっぱりした生姜の風味がバランスよく楽しめます。
【葛と鯖寿司の店 まる志ん】
〒919-1532 福井県三方上中郡若狭町熊川39-11-1
TEL 0770-62-0221
営業時間 10:00(飲食は10:30~)~16:00(L.O.15:30)
定休日 毎週水曜日・年始・お盆過ぎ(臨時休業をする場合もあります)
【文化と歴史】
現在も鯖街道周辺には、当時の賑わいを伝える古い町並みや宿場町、往来によってもたらされた祭礼や芸能、仏教文化など、多様な往来文化遺産群が若狭地方の各所に残り、今も守り伝えられています。
寺院
往来により都と深い繋がりがあった小浜には、多くの寺院が建立され、多くの古刹や仏像が現存しています。そんな寺社仏閣の中でも、国宝や国・市の重要文化財などに指定される八つの寺院(萬徳寺・国分寺・明通寺・羽賀寺・圓照寺・妙楽寺・神宮寺・多田寺)は「八ヶ寺」と呼ばれています。そんな八ヶ寺を巡り、素晴らしい寺院や仏様、四季折々の里山の風景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
祭り
都との往来により若狭には、様々な祭礼や芸能、仏教文化が伝わりました。街道沿いの集落には、「王の舞」や「六斎念仏」、「地蔵盆」など、都から伝わった民俗行事が数多く残っており、集落ごとに特色あるカタチに変わりながら今もなお守り伝えられています。
小浜を代表する神事「お水送り」は約1,300年前から行われており、奈良の東大寺で行われる「お水取り」とは密接な関係があります。こんなところからも古来より若狭と都との深い繋がりを感じることが出来ます。
今も残る風情溢れる町並みと宿場町
「三丁町と小浜西組」
小浜は鯖街道の起点として古くから京都とのつながりが深く、人・物・文化の往来も盛んで、市内に数多く残る伝統的な町並みも、京文化の影響を強く受け、間口が狭く奥行きのある京町屋のような作りをしています。
伝統的な建物が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている小浜西組と言われる地域の中でも、三丁町は当時の面影を今も最も色濃く残している茶屋町で、通りにはベンガラ格子や出格子の町家が立ち並び、落ち着いた雰囲気でとても風情を感じることが出来る場所です。三丁町内にある旧料亭「蓬嶋楼(ほうとうろう)」は、現在は土日祝日に一般公開されており、ガイドさんに蓬嶋楼の歴史や建物の特徴についての説明を聞くことが出来ます。また三丁町をはじめ、市内にある町屋を改装した宿「小浜町屋ステイ」で、京文化が根づく小浜の暮らしや文化を感じながら、小浜の夜を楽しんでみてはいかがでしょうか。
「熊川宿」
若狭と京都を結ぶ重要な宿場町で、奉行所や番所、お蔵屋敷の跡が残り、街道沿いには用水路が流れ、現在も昔ながらの情緒あふれる伝統的な街並みを残し、1996年には重要伝統的建造物群保存地区選定されています。近年は地区住民の高齢化が進み、空き家も目立って増えてきましたが、新たにシェアオフィスやカフェ、宿泊施設がオープンして賑わいを取り戻してきています。熊川宿内にある古民家を改築した宿「八百熊川」に宿泊して、素敵な時間を過ごしてみませんか。
【御食国若狭と鯖街道について詳しく知りたい方は】
御食国若狭と鯖街道、若狭の歴史や祭礼や芸能、仏教文化 について詳しく知りたい方は、「福井県立若狭歴史博物館」 や「御食国若狭おばま食文化館 」、「鯖街道ミュージアム」がオススメです。
福井県立若狭歴史博物館
若狭地方の歴史と文化を紹介した施設で、鳥浜貝塚を中心に縄文時代の嶺南(若狭)のあゆみや御食国若狭と京の繋がり、中世に若狭の海を通じて伝わった様々な文化を貴重な資料と共に紹介しています。また、京や海を通じて伝わった文化の中から生まれた多彩な祭り文化や数多くの若狭のみほとけなども展示紹介しています。
【福井県立若狭歴史博物館】
〒917-0241 福井県小浜市遠敷2-104
TEL 0770-56-0525
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日 原則第2・4月曜日・館指定日・年末年始(12月29日~1月2日)・展示替えや点検等で臨時休館あり
料金 一般・大学生 310円
高校生以下・70歳以上に方は無料
障がい者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
有料の方が20名以上の団体は2割引き
御食国若狭おばま食文化館
食にまつわる歴史や文化などが学べるミュージアムと温浴施設「濱の湯」などが併設された施設です。館内にはユネスコ無形文化遺産の「和食」、日本遺産の「御食国若狭と鯖街道」などを多くの再現料理レプリカとともに紹介しています。 またで2F[若狭工房」では、若狭おばまの伝統工芸品の展示販売や伝統工芸体験をすることもできます。
【御食国若狭おばま食文化館(ミュージアム・若狭工房)】
〒917-0081 福井県小浜市川崎3-4
TEL 0770-53-1000
営業時間 9:00~18:00(3/1~10/31)
9:00~17:00(11/2~2月末)
定休日 毎週水曜日(祝日は開館)・年末年始(12/28~1/5)
料金 入館無料・工房体験有料
鯖街道ミュージアム
小浜の鯖街道の起点にあるミュージアムで、日本遺産に認定された「鯖街道」をはじめ、鯖街道と深い関わりのある、もう一つの日本遺産「北前船寄港地・船主集落」を含めた、小浜の文化財や祭礼等を紹介してた施設です。
【鯖街道ミュージアム】
〒917-0084 福井県小浜市広峰17-1
TEL 0770-64-6034(小浜市文化観光課)
営業時間 9:00~17:00
定休日 毎週火曜日・年末年始(12/29~1/3)
料金 無料
【若狭のオススメスポットも紹介します。】
若狭湾で獲れた新鮮な魚介類や加工品が買える「若狭小浜お魚センター」や若狭小浜の名勝「蘇洞門(そとも)」をめぐるクルージングが人気の「若狭フィッシャーマンズワーフ」、三方五湖の絶景を一望できる「レインボーライン山頂公園」や世界基準の年縞に出会える「福井県年縞博物館 」などのオススメスポットを紹介します。
若狭小浜お魚センター
12店舗の鮮魚や海産物を扱うお店が集まった市場で、若狭湾で上がった新鮮な魚やお店こだわりの小浜名産の焼さば、干物醤油干しなどの加工品などが並び、地元の方や観光客にも人気の市場です。
市場は午前7時から開店してお昼過ぎには売り切れることもあり、お買い物は午前中がオススメです。また市場内には鮮魚店「大沢商店」が営む食事処 「お刺身処五右衛門」があり、新鮮なお刺身定食や焼き鯖定食などが食べられます。
【若狭小浜お魚センター】
〒917-0081 福井県小浜市川崎2丁目5-1
TEL 0770-53-1530
営業時間 7:00~(閉店時間は店舗により異なります。)
定休日 不定水曜日・年始
若狭フィッシャーマンズワーフ
若狭小浜の名勝をめぐるクルージング「蘇洞門(そとも)めぐり」が楽しめる若狭フィッシャーマンズワーフは、若狭のお土産コーナーや鮮魚とお寿司のテイクアウト、若狭の幸が味わえるレストラン海幸苑など若狭の魅力がまるごと味わえる人気のスポットです。※蘇洞門めぐりは、冬季(12/1~2/28)運休になります。
【若狭フィッシャーマンズワーフ】
〒917-0081 福井県小浜市川崎1丁目3-2
TEL 0770-52-3111
営業時間 8:30~17:00(4月~11月)
9:00~17:00(12月~3月)
定休日 あり 12月~2月不定休(詳しくは公式HPをご覧ください)
レインボーライン山頂公園
「レインボーライン山頂公園」
福井県若狭町から美浜町をまたがって位置する、5つの湖が集まってできた三方五湖を一望できる絶景が人気のレインボーライン山頂公園は、天空のテラスや足湯、恋のパワースポットなどがあります。また山頂で食べるグルメもオススメです。
【レインボーライン山頂公園】
〒919-1331 福井県三方郡美浜町日向75-2-6
TEL 0770-47-1170
営業時間・定休日・料金はこちらをご覧ください。
年縞博物館
「福井県年縞博物館」
世界が注目する世界基準の年縞を、美術作品のような美しいステンドグラスにして展示してあります。年縞のステンドグラスに刻まれた、7万年にも及ぶ地球の記憶に触れてみてはいかがでしょうか。また近くには「若狭三方縄文博物館」や「道の駅三方五湖」もあるので一緒に楽しんでみてください。
【福井県年縞博物館】
〒919-1331 福井県三方上中郡若狭町鳥浜122-12-1
TEL 0770-45-0456
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日 毎週火曜日・年末年始(12/29~1/2)
料金 一般500円、小中高生200円
※若狭三方縄文博物館共通券は3割引き
※20名以上の団体は2割引き
【若狭のお土産を買うなら道の駅がオススメ!】
若狭で人気のお土産や特産品、鯖寿司やへしこなどの鯖の加工品などをお求めの方は道の駅がオススメです。
道の駅若狭おばま
焼き鯖寿司やへしこなどの鯖の加工品、若狭のお酒、地元の和菓子、若狭塗り箸などの工芸品、道の駅オリジナル商品など小浜を代表する特産品やお土産が目白押しです。また小浜市内では鯖缶を製造している会社が多いこともあり、道の駅内にはいろんな鯖缶が並べられた鯖缶コーナーが充実していまるので、お気に入りの鯖缶を探してみてはいかがでしょうか。
【道の駅若狭おばま】
〒917-0024 福井県小浜市和久里24-45-2
TEL 0770-56-3000
営業時間 9:00~18:00
定休日 年中無休(年末年始を除く)
道の駅 若狭熊川宿
熊川宿にある道の駅で、若狭町の特産品を使った梅酒や葛ようかん、道の駅若狭熊川宿のレシピを忠実に守りながら作られたオリジナルの鯖寿司は 人気の商品です。この鯖寿司はお食事処「四季彩館」でも食べることができます 。
【道の駅若狭熊川宿】
〒919-1532 福井県三方上中郡若狭町熊川11-1-1
TEL 0770-62-9111
営業時間 売店 9:00~17:00(3月~11月の平日)
9:00~18:00(3月~11月の土日祝日)
9:30~17:00(12月~2月)
四季彩館 10:30~16:00
鯖街道ミュージアム 9:30~17:00
定休日 3月・9月・12月の第2木曜日、年末年始(12/29-1/3)
御食国若狭と鯖街道が紡いだ「食」、「文化と歴史」と「若狭の魅力」を、ぜひこの機会に楽しんでみてはいかがですか。