「歓宿縁 ESHIKOTO」宿泊×グルメの感動体験!オーベルジュ旅【福井・永平寺町】
2024年11月、永平寺町に誕生したオーベルジュ「歓宿縁(かんしゅくえん) ESHIKOTO」(以下、歓宿縁)。
ただの宿泊施設ではない、福井の美食を追及した特別なオーベルジュの全容を、自称「福井のグルメオタク」がお届けします。

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「美食」「美酒」「禅」を堪能できる、これまでなかったオーベルジュ「歓宿縁」
「歓宿縁」は、永平寺町にある複合施設「ESHIKOTO」内に、2024年11月にオープンしたオーベルジュで、福井の地酒「黒龍」で知られる黒龍酒造が、「酒と食と文化で、人と人の縁をつなげる場」を創出したいという想いで作り上げた特別な宿です。
福井の美食と美酒に舌鼓を打ちながら、禅の世界観を感じる一棟貸切ヴィラで、心身ともにリフレッシュして贅沢な時間を過ごせる「福井旅の決定版」といえるオーベルジュです。
今回は宿泊とともに、夕食の「日本料理えん」、食後の「Bar刻」、朝食の「acoya」、そしてチェックアウト後に立ち寄れる「蕎麦 山や」「HAREYA」まで、“美食と美酒の体験”をしてきましたので、そのすべてを感じたままにお届けします。
「大人」で「本物」 美術館のような上質な場所
「歓宿縁 ESHIKOTO」を訪れたのは、春の訪れを感じる3月。冬は晴れの少ない福井ですが、この日は快晴(なんて幸運!)。
オーベルジュ全体を眺めると、目の前を流れる九頭竜川や周囲を囲む山々と自然に調和した「壮大な美術館」のような上質な雰囲気で、入る前からテンションが上がります。
1分も無駄にしたくないので、チェックイン開始の15時ぴったりにフロントへ。福井の名石「笏谷石」がテーブルや床に丸ごと使われた豪華な空間に、ドキドキが止まりません。
歓宿縁の客室は、全8室が一棟貸切のヴィラ。JOU(静謐)、 RYU(流転)、ZEN(禅定) の3タイプに分かれており、全室に温泉半露天風呂が備わっています。
私が泊まったのは「RYU Ⅲ」。
足を踏み入れると、永平寺町の大自然を借景にしたリビングがお出迎え。客室内には歴史を感じる古の銅器や古木を使ったインテリアなど、前衛的な芸術品が配されています。畳の心地よさとアート作品が絶妙に調和し、人工的な音がない静寂の「大人」で「本物」の空間が、日常と別世界にいるような気持ちにさせてくれます。
普段手からなかなか離れないスマホも、この日ばかりは自然とOFFモードに。
せっかくなので、夕食前に露天風呂に入りました。温泉は「美人の湯」といわれる炭酸水素塩泉。お肌がしっとりする極上の泉質と、戸を開けて外と繋がる開放感に、滞在中に3回入っちゃいました。
黒龍をベースに作る贅沢な檸檬サワー
夕食前には、Bar 刻でウェルカムドリンクをいただけます。露天風呂で温まった体に黒龍檸檬サワーがあっという間に染みわたり、早くもほろ酔いに。この後の食事への期待もぐいっと上がっていきます。
「日本料理 えん」 福井の食文化の極み!一期一会の懐石料理
上品な佇まいの「日本料理 えん」
四季折々の食材を活かした料理を提供する「日本料理 えん」。ミシュランガイド北陸2021特別版で一つ星を獲得した料理は、永平寺の精進料理の精神を受け継ぎつつ、福井ならではの食材を使った独創的な料理が楽しめます。
せっかくなので、黒龍酒造の極上銘柄を味わえる「福井の幸コースペアリング」をお願いしました。
そして、いただいた料理がこちら!
◎昆布出汁の飲み比べ(2024年採れ、2014年採れ)
→料理に使われる2種の出汁を味わうという初体験でスタート!この後の料理への舌の準備が整います。
◎小鯛の笹漬け なます
◎お造り(南越前町河野メジマグロ、坂井市三国アオハタ) 昆布塩と海苔醤油で
→どちらも、新鮮な魚に恵まれた福井に住む私が声を上げてしまうほどの美味しさ!
◎平飼い卵の茶碗蒸し 越前塩雲丹
→濃厚かつ上品な味わい。日本酒に合う茶碗蒸しなんて初めて!
◎若狭フグ白子の炭火焼き
→こんなにシルキーで旨みを感じる白子は初めて!感動うまうま!
◎若狭フグの唐揚げ
→抜群の香ばしさ!日本酒がぐいぐい進みます!
◎黒龍酔っぱらい甘海老
→黒龍に浸かって旨み倍増!衝撃のうまうま!
◎生胡麻豆腐 昆布醤油
→ぷるんぷるんの胡麻豆腐にトロッとした醤油が抜群の相性。
◎若狭フグ鍋 香福茸
→スープが純米酒のみという「美酒鍋」!お酒の旨みが染み込んだフグや原木椎茸は絶品!
◎大野市阿難祖(あどそ)産コシヒカリ
→ふっくらしていて艶々しいコシヒカリはこの上ない美味しさ!
◎大野名水サーモン、椎茸揚げ出し、麩がらし、揚げお浸し、にしん昆布巻き
→ご飯に合わせる最高のお供ばかり!
◎黒龍貴醸酒入り水ようかん
→上品な甘みに頬が緩みます。福井の冬はやはり水ようかん!
普段から福井のグルメを食べ歩き、多少の美味しさでは驚かない私ですが、想像の斜め上を行く料理の数々に感動しっぱなし!この絶品料理を受け止める日本酒の懐の深さにも脱帽でした。福井の食と酒を心ゆくまで堪能した最高のコースです。
「Bar 刻(とき)」 静寂の夜に酔いしれる、特別な一杯
夕食の余韻そのままに、より大人の雰囲気に酔いしれる「Bar 刻」。黒龍と旬のフルーツを合わせたカクテルが味わえる上質なバーです。すでにほろ酔い以上になっていましたが、ヴィラまでは徒歩1分。どうにかなる!と突入しました。
まず選んだのは、
◎黒龍純米酒とバナナのカクテル
→雪国福井では珍しいバナナ農家が栽培した小ぶりのバナナは、芳醇な香りと柔らかな甘みで、純米酒の米の甘みと重なることで珠玉の美味さに。バナナのまろやかな余韻が口の中に広がる最高の一杯です。
もう一つお薦めされたのが、
◎ESHIKOTO 刻 樽熟(さくら、なら、くり)
→黒龍の日本酒を福井県産の3種の木で5年樽熟成させたという、このバーでしか味わえない最上のスピリッツ。見た目も味もウイスキーのようですが、原料が米のためか、舌に滑らかに染み込み、全身が優しく抱擁されるような極上の感覚!宿泊した際にはぜひ飲み比べてほしい逸品です。
県外から来た隣のご夫婦との一期一会も楽しみながら、ゆったりとした夜を堪能することができました。
ヴィラに戻る頃には一転して雪が降り出していました。2回目の露天風呂で体を温めた後は、黒龍大吟醸の酒粕パウンドケーキと日本酒を合わせていただくという、贅沢な時間で感動の一日を締めくくりました。
「acoya」 九頭竜川を眺めながら全身で味わう目覚めの朝食
起きると外は美しい雪景色。一泊のうちに晴れと雪を体験できるとは、ある意味幸運です。
眠気まなこで向かったのは、同じESHIKOTOの敷地内にある、福井の食文化を発信するレストラン「acoya」。
運ばれてきたのは、旬の地元食材を活かした健康的で優しい味わいの朝食。一人一人に土鍋で炊く至福のコシヒカリや、体に染み込む黒龍の粕汁スープ、優しい旨みの福井名水サーモンなど、口にするたびに体の奥がじんわり温まっていきます。
目の前に広がる美しい自然を眺めながら〆の平飼い卵の卵かけご飯までゆっくりと味わうと、心と体がこれまでになく整っているのを感じる、そんな素敵な朝食でした。
コーヒーを飲みながら雪景色を眺める
チェックアウトは11時なので、朝食後もゆっくり過ごせます。三度目の露天風呂を堪能し、コーヒーを飲みながら、昨日から今朝までの余韻に浸る時間。いつまでも続いてほしいと思う幸せなひと時を噛みしめながら、歓宿縁を後にしました。
「cadre」 福井の食文化を未来に昇華するフレンチ
- 宿泊日によっては、月に数日のみ営業のフレンチ「cadre」でディナーをいただくこともできます。
- 「圧倒的な地産地消」をコンセプトに、福井県の豊かな食材と文化を融合させた独創的なフランス料理です。
- こちらは次回宿泊の際に絶対体験したいと思います。
「蕎麦 山や」 風味豊かな福井の蕎麦で旅の締めくくり
歓宿縁を出た後も、ESHIKOTO内をまだまだ楽しめます。まず、福井の郷土料理を代表する越前蕎麦を味わえるのが「蕎麦 山や」。
こちらでは、福井在来種の十割蕎麦と日本酒のマリアージュで、福井の食文化を深く味わうことができます。
やはり食べてほしいのは「おろしそば」。鼻に抜ける蕎麦の香りとキリっとした大根おろしの辛味は、シンプルだからこそ美味さが際立つ、福井では外せない自慢の一品です。地元食材を使った天ぷらや刺身に黒龍を合わせて飲むという、昼から幸せすぎる時間を過ごせます。
「HAREYA」— 手土産にしたい、焼きたての香り
オーベルジュ旅の最後に立ち寄ったのは、同じくESHIKOTO内にあるベーカリー「HAREYA」。
もっちり感が特徴の福井県産小麦「ふくこむぎ」を使用、黒龍酒粕や若狭牛、九頭龍まいたけなど、地元の食材にこだわり、旅行という特別なシーンに相応しい上質なパンを提供しています。
見た目も香りも楽しいパンが並ぶなか、私の一押しは明太子フランス。香ばしい竹炭のフランスパンに自家製明太子クリームがたっぷり入った最高にうまうまな逸品です。薄い生地が何層も重なり、噛むと国産バターの上品な香りが鼻の奥まで充満するクロワッサンも超おすすめです。
「これは家族のお土産に…」と思いつつ、我慢できず外に出た瞬間食べてしまいました。やっぱり、焼きたてには勝てない!
結論!食べることが好きな人には天国のような「至極の食オーベルジュ」
「歓宿縁 ESHIKOTO」は、食と酒を通して福井の魅力を存分に味わえる、最高の場所でした。料理の一品一品に込められた背景や想い、職人の技、そして土地の恵み。そのすべてが一体となって、特別な時間を演出してくれて、日常当たり前の「食べること」「飲むこと」で、ここまで非日常を感じさせてくれるとは。想像を超えた感動とともに、心身が整い、明日への活力にもつながる唯一無二の体験となりました。
ただ泊まるだけではなく、福井の“食”を心ゆくまで堪能できるオーベルジュに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
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