お水送りが行われる霊応山「神宮寺」をご紹介します!
神事「お水送り」が終われば春が来る。
神と仏がともにある場所、霊応山「神宮寺」!歴史と自然はここだから感じることができます。
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小浜八ヶ寺の一つ「神宮寺」
小浜市内に現存する寺社仏閣の中でも、国宝や重要文化財などに指定されている古刹の八つの寺院は「八ヶ寺」と呼ばれ「神宮寺」はその一つです。
奈良東大寺で行われる「お水取り」の前の、3月2日に行われる「お水送り」でも有名なお寺です。
始まりは天皇・朝廷の命令により和銅7年(714年)の約1300年前に泰澄大師の弟子・沙門滑元により創建されたといわれています。
元々は神願寺と呼ばれ神様が祀られていましたが、仏教が大陸から伝わった頃に神仏の融合と共生を図り仏様も祀られ「神宮寺」と名が変わりました。
現在もなお本堂に神様と仏様が祀られている全国でも珍しいお寺の一つです。
本堂にはしめ縄がかけられておりどこか神社の面影を感じる事ができます。
自然に包まれた境内は夏は木々の緑、秋は紅葉、冬は雪化粧と季節により違う雰囲気も楽しめます。
本堂へは靴を脱いで参ります。
本堂中央には「木造薬師如来坐像」、左側には「千手観音坐像」と「不動明王像」や「毘沙門天 像」がありその左には神様の名前が書かれた掛け軸があります。
御神体とご本尊は撮影禁止のため、神様と仏様の同居する不思議な空間は直接、来なければ目にすることはできません。
また、内陣にも入る事ができないので外陣からのお参りとなります。
本堂左手に位置する「閼伽井戸」から湧き上がるお水は、飲むことができ水筒などで持ち帰えることもできます。
二月堂へ送られ供えられるお水を是非味わってみてください。
「お水取り」と「お水送り」・「奈良」と「若狭」
奈良と若狭の歴史は古く、「お水送り」もその深い関係があったことを物語る神事となっています。
また豊かな自然に恵まれた若狭は御食国として塩や海産物など豊富な食材を都(朝廷)に納め、その食文化を支えてきました。
若狭と都とを繋ぐ街道群は食(鯖など海産物)だけでなく、様々な物資、人や文化を運んだ交流の道。近年では「鯖街道」と呼んでいます。
「お水送り」は3月12日に奈良の東大寺二月堂で行われる「お水取り」に先駆けて、神宮寺で3月2日に行われます。
神宮寺の「閼伽井戸」で汲んだ水「お香水」は、「鵜の瀬」から水底を通じて東大寺 二月堂にある「若狭井」へ送られ、その水は「お香水」として仏様に供えられます。
その届いた水を汲み上げて香水壺に運ぶ「お水取り」が行われています。
お水送りの由来は若狭の神様である「遠敷明神」が関わっているといわれています。
東大寺二月堂での神様の集まりに若狭の「遠敷明神」が遅刻し、そのお詫びとして二月堂にお供えするお水を送る約束をしました。
遠敷明神が地面をたたき割ると、白と黒の2羽の鵜が飛び出して二月堂に清水が湧き出しました。
この時に現れた2羽の鵜は、若狭の「鵜の瀬」から地下を潜って、東大寺まで水を導いたと言われています。
「鵜の瀬」の水は硬度平均24.5mg/lの軟水です。
飲用も可能で、公園内の給水場で飲む事もでき、「名水百選」や「水源の森百選」にも選ばれているきれいなお水です。
ミネラルなどの含入量を含めた水質は名水選定時と変わらず良好に保たれており、クセの少ない飲みやすさが特徴となっています。
夏には川に入って遊ぶ人が多く訪れています。
お水送りが行われるまでの準備
お水送りが行われるまでに年間を通していくつか準備があります。
始まりは5月に「竹やぶ整理」から行います。これは12月の竹起こしに向けて余計な竹を間引きます。
その後6月と10月には「芝かり」といって雑木と切り枝を集めて柴を作ります。
それは大松明や護摩壇の材料となります。
12月には「竹起こし」を行います。松明となるまっすぐで長い竹を人力によって根付きで5本、根なしで5本を掘り起こしたり切ったりして用意します。
12月~2月には手、中、大、韃靼(だったん)松明の作成、2月末には結界が作られ3月2日のお水送りを迎えます。
その中の「竹起こし」を抜粋してご紹介します。
地元の小学生と保護者、青年団なども参加し大人数で作業します。
根なしの竹はチェーンソーで切りますが、根付きの竹は鍬などを使用して人力で掘り起こす為、非常に大変な作業です。
大人4、5人で交代しながら鍬や斧などで掘り起こし、互いに声を掛け合いながら行う為に自然と打ち解ける事が出来ました。
最後は竹にくくられた紐を小学生が引っ張り竹を倒します。
倒れる瞬間は自然と歓声が上がりました。
お水送り保存会の10人ほどのメンバーが各々の長所を生かしながら準備を進めていますが、地元の青年団や近くの小学校の児童など多くの方の協力により成り立っています。
今まで行われてきた伝統ある神事を行う為に、その周りで支える人々の「これまで」を「これから先へ」、歴史に思いを乗せて次の世代へ伝えれられています。
ご興味の方は是非参加・見学を
3月2日に奈良東大寺二月堂で行われる「お水取り」に先駆けて、3月2日に福井県小浜市「神宮寺」で行われる「お水送り」。
約1200年も昔から続いている春の神事を見届けてみてはいかがでしょうか?
3月2日 お水送りの流れ 11:00~ 山八神事(見学不可) 13:00~ 神宮寺内宮で修二会(見学不可)、弓打ち神事(見学可) 13:30~ 奉納弓射大会(見学可) 18:00~ 修二会 薬師悔過法 やくしけかほう(見学不可) 18:30~ 修二会 達陀 だったん (見学可) 19:00頃 神宮寺大護摩法要 おおごまほうよう (見学可) 19:30過ぎ 松明行列(参加・見学可) 20:00過ぎ 鵜の瀬の大護摩供(見学可) 20:30過ぎ 送水神事(見学可) 21:00過ぎ 立ち直会 なおらい (見学可) |
一般の方や観光客の皆様も手松明を御奉納いただくことでご参加いただけます。
手松明奉納料 2,500円/本
神聖な神事なので、酒気帯び、大声を出すなど不謹慎な行動はできません。
神事全体を通して、火の粉が飛んできたり、足元が悪い為に転倒の恐れもあります。
ご注意の上、ご参加ご見学をよろしくお願いします。
参加申し込みの方法やシャトルバスの運行、駐車場の案内につきましては、若狭おばま観光案内所にお問い合わせください。
「若狭おばま観光案内所」
0770-52-3844
営業時間:
(2月) 9:00~17:00
(3月) 9:00~18:00
「お水送り」のご参加、ご見学をご希望の方は小浜市観光・おばまナビ をご確認ください。
またそれ以外での拝観される方はこちらをご確認ください。
※お水送りの準備のため、2月15日から3月5日までの若狭神宮寺の拝観はできません。
所在地 小浜市神宮寺30-4 電話番号 0770-56-1911 アクセス JR東小浜駅より3km(駅にレンタルサイクル・電動あり) 通常拝観時間 9:00~16:00 拝観料 500円 |
神事の前に腹ごしらえはいかがですか?
お水送りの前においしいお食事はいかがでしょうか!
ご案内する店は、宮川地区にあるカフェレストラン「アイザワ商店 ございん」です。
店主のアイザワさんは宮城県の出身で2014年に小浜市地域おこし協力の隊員に着任、卒業を経て2018年から現在のお店や地元のラジオにも出演するなど地域おこし協力隊OGとして現在も活躍されています。
お店は山あいにある築80年以上の古民家でどこか懐かしさのある雰囲気と、山の新鮮な空気と共に過ごす時間はあっという間に過ぎてしまいます。
お料理は地元小浜産や嶺南地方の新鮮な野菜を中心に使われており、東北の郷土料理をアレンジしたおうち料理が味わうことができ、味もボリュームも満足間違いなしです。
メニューは日替わりになります、苦手な食べものやアレルギーは注文の際にお伝え下さい。
テイクアウトのお弁当屋や、オードブルなども事前予約で注文することができます。
店主アイザワさんの暖かい人柄とおいしい料理にリピーターも多くおられます、お越しになる際は、必ずご連絡を!
カフェ以外にも、レンタルスペースやパソコン教室、草木染の染め物体験などもやられています。
詳しい情報については下記の連絡先にお問い合わせください。
アイザワ商店 ございん 福井県小浜市加茂 78-5 0770-50-9031 駐車場:20台 営業日:月水金土日 営業時間:11時半~15時 (ラストオーダー14時) 飲食定休日:火・木・第三日曜日・不定休 |