体験せにゃ損!?400年の歴史「金津まつり」はこんなにも圧巻だった
まつりはローカルであればあるほど面白い。福井はあわらの「金津まつり」は地元民はもちろん、遠方からもコアなファンが毎年訪れるユニークで温かい一大夏祭りなのである。2024年は7月13日14日15日開催です!
ちりり
ディープな福井を愛する独身アラサー。
趣味・特技:ひとり食べ歩き飲み歩き
主な生息地:片町のスナック
あっと驚く福井の新発見を、一緒に楽しみましょう!
最近、感動してますか?
大人になって、何でもスマホでできる時代になって、何一つ不便がない暮らしを送る中で、気づけば「感動する」ということがなくなってきた気がするんですよ。なんなら、最近感動したかどうかなんて考える間もなく過ぎてゆく毎日。
そんな中でふと20年ぶりに参加したこの「金津まつり」で、私は生きる喜びとは何かを改めて考えさせられることになったのです(大げさなようで本気です)。
「金津まつり」はJR芦原温泉駅付近で2024年は7月の13日・14日・15日の3日間開催されます!
金津まつりとの再会
この金津というかつての宿場町は私の故郷で、小さい頃はこの金津まつりに行くのが楽しみで仕方ありませんでした。
限られたお小遣いでクレープを買うか、かき氷を買うか悩み、的屋のおんちゃんに一年ぶりに会うのがどれだけ楽しみだったか。
気づけば地元の友人とも疎遠になって、金津まつりにも行かなくなり・・・。
そしてコロナの時代を経て久しぶりに開催された金津まつりで、私はこの祭りの底力を見せつけられることになったのでした。
金津まつりが独特たる理由
さて、金津まつりはなぜ全国的にも珍しい祭りと言われているのでしょうか?
祭りでは電線につっかえそうなほど大きな3体の山車が町内を練り歩きます。これだけでもか〜なり見応えがあるんですけど、山車は他の祭りにもあるよ〜、なんて声も聞こえてきそうですね。しかしこの祭りが独特なのはここから。
大勢の人が山車を引っ張って町内18区を巡るんですけど、各区では「本陣飾り物」っていうかなり独特なでっかい飾り物を作って山車をお迎えするんですよ。
そして山車が本陣に到着すると、山車の到着を待っていたたくさんの人達の前で曲太鼓の生演奏が披露されます。
演奏する側も観客も、なんて生き生きした表情でこの祭を楽しんでいるんだろうと心の奥から湧き出た涙が頬をつたいそうになります。
さてこの「本陣飾り物」が町内18ヶ所に並ぶわけなんですけど、何がびっくりかって、この飾り物はすべて「日用雑貨」でできているんですよ。例えばこの「唐獅子」、頭からお腹から尻尾までぜ〜んぶタワシでできてるんですね。
もうね、タワシでこんな完璧な獅子つくれるってどういうことですか!?と思うんですよ。
なぜこの小さなまちの各区にこんな芸術家集団が存在するのか、不思議でなりません。けどこれ、それぞれの区の人たちが知恵と努力(とオヤジギャグのセンス)を結集して、毎年趣向を凝らして作ってるわけです。
この火星探査機はもう一体何からできてるのかじ〜っと見ないと、「これホンモノの火星探査機です」って言われたら「へぇ〜そうなんだ」ってなんの疑いもなく納得してしまいそうなレベルです。
これは掃除機にパソコン、扇風機にザルにビデオカメラに時計に延長コードに…火星人もびっくり。
この壁をぶち破って出てきた「トリックアートラプトル」、木のスプーンでできてるわけなんですけど、どこに移動してもこの恐竜の目がずっと私を追いかけてくるんですよ。私あと30歳若かったら確実にギャン泣きしてたと思います。爪はクワ??
いやもうアイデアのレベルと完成度が人知を超えている!
これは北陸新幹線「はくたか」と掛けた作品で、これは木のフォークでできてますね。
この捕まっちゃった魚もリアルすぎてなんかかわいそうになってくるぐらいです。こんな至高の作品たちをそれぞれの区の普通の人たちが作ったとは…その気合恐るべし。
で、これを巡るスタンプラリーがあるのでついつい全制覇したくなっちゃうんですよね。
スタンプを全部集めて投函すると、豪華景品が当たる、かも!
各本陣には当番の地域のおじさん、おばさんたちがいて、暑い中おつかれさまで〜す、なんて言いながらちょっとしたジモトークをするのも楽しみのひとつでしょう。
心がつるつるいっぱいになる体験を
夏の日差しの下で燃えるような大迫力の生演奏に拍手を送り、飾り物を巡って、たくさん並ぶ屋台を通り抜けて、おまつりグルメを食べる・・・。
何が人々を感動させるかって、この「人が集まって作り出した本気の熱気」だと思うんですよ。
それって昔はよくあったのかもしれないけど、便利になりすぎた今忘れられてるものなんじゃないかって思ったわけです。
これを「金津」の人しか見ないなんてもったいない!山車に祭囃子に本陣飾り…全国的に見ても珍しいこのお祭り。
この熱気を浴びて、あなたもぜひ「私は今生きている!」って実感してみませんか?
海の日の三連休、あわらは金津でお待ちしております。