東尋坊の隣にある神秘の島「雄島」って知ってる?
奇岩が連なる絶景と、手つかずの自然が織りなす神秘的な空間が広がる島。一周20分で行ける異世界トリップへ、あなたも足を踏み入れてみてはいかが?

ちりり
ディープな福井を愛する独身アラサー。
趣味・特技:ひとり食べ歩き飲み歩き
主な生息地:片町のスナック
あっと驚く福井の新発見を、一緒に楽しみましょう!

東尋坊のそばに佇む神秘の島
東尋坊といえば、火曜サスペンス劇場の崖っぷちごっこなどで有名な、誰もが知る福井の観光名所。
しかし、そのすぐ隣にある神秘的な無人島、「雄島」を知っている人はどのくらいいるだろうか?
今回も実はあまり教えたくない、福井の隠れたパワースポットを特別にご紹介しよう。
異世界への入口
東尋坊の崖っぷちに立つと、右手に見える雄島。
そこへ向かうには、どこか異世界へ続いていそうな真っ赤な橋を渡る。
この橋、海に向かって一直線に伸びていて、橋の両側には早春の日本海の波しぶきが容赦なく叩きつける。
「この橋を渡ったらこの世界に戻ってこれないんじゃ?」と若干不安になるが、大丈夫、私は今ここで無事にこの文章を書くことができている。
橋の先には大きな鳥居、そして長い石段が私たちを迎え入れる。ここから先は、ちょっと背筋を伸ばして進んでいくことにしよう。
島全体が神域、ということは・・・
雄島をひと言で表すなら、奇岩×手つかずの自然×神秘的な空気感。
この3つが見事に融合した独特の世界が広がっている。
島の小道を歩くと、緑に囲まれた「大湊神社」が現れる。
この鳥居をくぐると、東尋坊の美しさを別の角度から眺めることができる。
これぞまさに隠れ絶景ポイントだ。
ちなみに、この島全体が大湊神社の神域とされている。
つまり、私たちはずっと雄島の神様のもとにおじゃましている状態なのだ。
静かに、心を落ち着けて先へ進もう。
壮絶すぎる奇岩と波のコラボ
島を散策していると、岩場に近づける分岐路がちらほらある。
冒険気分で慎重に海の方へと進むと、日本海の荒波が轟音とともに打ち寄せる壮絶な奇岩が目の前に広がる。
「雄島、すごい・・・」としか言えなくなる景色。
ここでぼーっと波を眺めていると、時間の流れがわからなくなってしまうので、うっかり帰りの時間を忘れないように注意しよう。
あ、ちなみに日本海は夏は静かです(訪問時は早春)。
磁石、狂う。
さらに森の中を進んでいくと、なんとも不思議な場所に到着する。
そこにあるのは、「磁石岩」と呼ばれる岩。なんとここでは方位磁石の針が狂い始めるのだ。
「え、本当に?」と疑う人は、ぜひ方位磁石を持参して試してみてほしい。
目の前で実際に起こると、地球の不思議を感じるとともにちょっと怖さすら感じる。
橋を渡ってからここまで、雄島の神秘に驚嘆させられっぱなしだ。
20分で一周?いや、ハマると数時間
こうしてぐるっと島を一周。
普通に歩けば20分ほどで回れるし、最初の階段さえ乗り越えれば特に大変な道もない。
そして嬉しいことに、橋のたもとには駐車場も完備。
だから「ちょっと時間あるし寄ってみるか〜」くらいの軽いノリで行ける……はずなのだが、問題は私のように島の美しさに魅了されてしまうタイプの人間だ。
うっかりすると、何時間でもここに滞在してしまうのだ。
しかも、雄島は夏と冬で全く異なる表情を見せる。
夏は生命力あふれる緑と青い海、冬は荒波と厳しい自然が織りなす幻想的な風景。
どちらの季節もそれぞれの魅力がある。
そんな神秘の島、雄島へ、あなたも足を踏み入れてみてはどうだろうか?