天空の城・越前大野城とその城下町を歴史探訪!
かつて越前などの大国や有力な藩が置かれていた福井県は城跡が多いことでも有名です。
しかし、実は天守があるお城は2つだけ。今回はそのうちの一つ越前大野城に登城してみました!
またその城下町も歩いてみましたよ。

加治 まや
歴史旅が大好きな福井県地域おこし協力隊。福井県内の史跡や歴史イベントのレポートをお送りします
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越前大野城の歴史
まずは越前大野城にどんな歴史があるのか見ていきましょう。
大野市にそびえ立つ越前大野城は、織田信長に仕えた武将・金森長近によって天正年間(1573~1592年)に築かれた平山城です。標高約249mの亀山に建っていて雲海が発生するとまるで空の上に浮かんでいるように見えることから「天空の城」とも呼ばれています。
越前は一向一揆勢の力が強く、その監視のためにも信長にとってこの土地は大事な場所でした。
また、大野には古くから美濃街道と呼ばれる街道が通っていて越前と東海地方を繋ぐ要衝。そのような立地のため金森長近は城下町の整備にも力を入れたのだとか。
筋肉痛必須!?越前大野城に登ってみよう!!
天空の城と呼ばれるだけあって下から見ると天守がとても高い場所にあるのがわかります。
運動不足と言う言葉が頭をよぎりますが…早速お城に登ってみましょう!
越前大野城に入城しようとすると4つの入り口がありますが、今回は大きな駐車場と休憩所がある二の丸の入口から入りたいと思います。
この道は明治に入ってから公園として整備された際にできたもの。もし江戸時代の登城を体験したい!!という方は百間坂と書いてある道から登ってみてくださいね!百間坂は当時の武士たちが使っていた道なんですって。(結構な山道)
そこでまず現れるのが「柳廼社(やなぎのやしろ)」。幕末に大野藩主だった土井利忠を祀っています。明治まで生きて写真まで残っている方ですがその後祀られるなんて人々に愛された名君だったんですね!!
なだらかに見えて、なかなかキツい道をひたすら登っていきます。
15分ほど登ってあと少しで天守が見えるという場所にあるポイントを発見。
左と右で石垣の積み方が明らかに違うように見えませんか?
実はこれ明治になって積まれたものと戦国時代に積まれた石垣の境目なんだとか。ここには当時櫓が建っていたみたい。
ようやく!天守が見えるところまで来ました!!手前の石垣も野面積み(加工してない石を積み上げたもの)で、江戸時代より前のものなんだな〜と実感できますね。
天守台にも戦国時代の痕跡が??
20分かけてようやく天守に着きました!この日はまだ雪が残っていて涼しかったけど、これからの季節は手ぬぐい必須です!
立派な石垣と復興天守です!戦国の香りを色濃く残した石垣が特徴です。
正面から見える階段とは反対に周るとその意味がわかりますよ。
じゃん!その痕跡がこちら。
とても狭い虎口に段の高い階段。敵が攻めてくる際、天守に行くにはここを通らなければなりません。
上から見るとこんな感じ。下から敵が来てもここから丸見えで石などで狙い撃ちできちゃいますよね!
というわけで、この虎口は大野城が戦いを意識して建てられたことがよくわかるポイントでした。
天守の中は展示室!大野について知ってみよう!
1階展示室。許可を得て撮影しています。
天守の中はこのように展示室になっています。
土井家の甲冑についているウサギは可愛くて見どころの一つです!
しかし何故武士の鎧にかわいいうさちゃんが?実は土井家は江戸時代になってから大野藩主になりましたが、その頃にはもう戦はない平和な時代。
そんな時代の武家ではお家を存続させるのが一番重要な仕事。というわけで繁殖力の強いウサギをつけたのだとか。
撮影スポットにもウサギさんがいましたよ!
他にも歴代藩主に関する道具などがたくさん展示されていますのでゆっくり見ていてくださいね。
天守の一番上からは大野の街が一望できます。晴れた日は山々も綺麗に見えてとても美しい風景でした。
この階段の中にハートが5つ隠れています!皆さんは見つけられましたか?
金森長近が整備した大野の城下町も探索!
お城を見終わったら今度は城下町を探索してみましょう。
お城の下に広がる城下町は金森長近が大野に入った際に整備したもの。
美濃街道の通るこの町で商売推奨をすべきだと考えた金森長近。普通、城下町というものはお城に対して縦長にできているらしいのですが大野の城下町は横長になっています。これは防衛よりも商売を優先した形なんだとか。
この日は朝から大野名物の朝市がやっていました!
七間通り
大野の名物をいろいろ見れてとっても楽しい!!
私は大野の名水で作ったお味噌をゲットしましたよ!
また、歩いていると名水百選に選ばれている御清水もありました。
百名水と言われたら味見してみるしか!
とってもまろやか…東京出身の私は水の味を意識したことはありませんでしたが、水にも味ってちゃんとあるんですね。感動。
ランチももちろん大野の名産♪
たくさん歩いので今日はたくさんご飯が食べられそう!!
今回お邪魔したのはキッチンにしがわさん。
大野の名産、里芋を使った里芋コロッケ定食を頼みました。
大きめのコロッケ4つもついて800円台とは…恐るべし。
普段、フライ系をたくさん食べるタイプではないのですが粘り気のあるホクホクの里芋コロッケ、いくつでも食べられてしまうくらい美味でした!!
この食感を感じたのは人生で初。ぜひ皆さんも味わってこの感触を確かめてみてください。
お城と城下町をめぐる大野探訪、いかがだったでしょうか?
この他にも大野の城下町には酒蔵やお寺がたくさんありますので楽しんでくださいね。