日本一複雑な屋根!?岡太神社・大瀧神社の歴史と楽しみ方
越前そばや和紙の里などで有名な福井県越前市。実はとても古い歴史を持つ神社があるのはご存知ですか?その独特な建築様式は一度見たら忘れられません。越前市が誇る古社の歴史とその楽しみ方を紐解いていきたいと思います!
加治 まや
歴史旅が大好きな福井県地域おこし協力隊。福井県内の史跡や歴史イベントのレポートをお送りします
172 view重なり合った屋根と建築
その神社が佇むのは、現在でも和紙を手漉きで作っている工房が立ち並ぶ町を抜けた山の麓。鳥居をくぐると背の高い木々がそびえ立っていて一気に神聖な気分に。
岡太神社は雄略天皇の時代(457〜479)、大瀧神社は推古天皇の時代(592〜638)にそれぞれ創建されたと言われています。岡太神社が祀っているのは日本で唯一の紙の神様・川上御前で、その昔この地に紙漉きの技術を伝えたという言い伝えがあるそうです。
大徳山(権現山)と呼ばれる古くからそれ自体が御神体として信仰を集めていた山を背に、石灯籠と狛犬がどっしり。階段の下からだと神門の奥にあるものがはっきり分からず、なんだかドキドキ。一段一段登っていくとそこには…
す、すごい…!20歳の時から数えて十数年、様々な神社仏閣を巡ってきましたがこんなに屋根が連なった神社は初めて見ました。
江戸時代の天保14年(1843年)に建てられたこちらの建物。一般的な神社では別々に建てる本殿と拝殿が合体していることによってこのような複雑な形になっているのだとか。
こちらは国指定重要文化財に指定されています。
面白いのは建物の形だけではない?彫刻にも注目!!
建物の奇抜な形に目がいきがちですが、実は建物に施されている彫刻も素晴らしいので是非注目してみてください。
花鳥や獅子の彫刻に混じって一際目を引くのがこちらの龍。何でも初めてというと説得力がないかもしれませんが、こんなに腕がにゅっと伸びた龍は初めて見ました!しかもその手の中には願いが叶う宝珠が。躍動感に溢れていていまにも動き出しそう!
気が付きにくい破風の裏にも獅子の彫刻が。いったいどんな意図で裏にまでこのような凝った彫刻を施したのでしょう?様々な想像が膨らみます。
側面には中国の故事に倣った彫刻がびっしりと彫られています。
龍の彫刻とは異なり、浮き彫りで絵画的に表現しているのが印象的。
ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂でミケランジェロが彫刻的な表現と絵画的な表現の描き分けをしていたのを思い出しました。
魅せ方って古今東西共通するところがあるんだなぁ。
隠れ御紋も要チェック!
私が福井の神社仏閣を回っていて楽しい事柄の一つに、色々な場所に葵の御紋を見て取ることができることがあります。
ご存知のように福井藩は初代結城秀康から始まり、代々徳川家の親戚である松平家が治めていた藩です。
そんなわけで、藩の保護も受けていたこの場所には至る所に葵の御紋が!徳川家好きのわたしは見つけるたびに興奮してしまいます。
建築の屋根の部分にはもちろん
こちらの銅灯籠にも!
我ながらよく見つけたなと思ったのが建物に吊るしてある吊り灯籠の葵。
皆さんはこの記事の写真の中で何個の葵の御紋を見つけられましたか?
私は寺社を訪れた際にはこんな風に隠れ御紋を見つけテンションをあげることがしばしば。
皆さんもお気に入り武将ゆかりの寺社に行った際は是非やってみてくださいね!笑
初めて見る形の御神輿も
本殿の横には神輿殿があり、中の御神輿も覗くことができます。
びっくりしたのが御神輿の形が私の知っている四角形ではなく六角形や八角形だったこと!!
大河ドラマで見た天皇の高御座を思い出しました。
こちらの御神輿は毎年5月に催される春祭りで山の上の奥の院まで担がれるのだそうです。
運が良ければ御朱印もゲット♪
最近ブームの御朱印集め。岡太神社・大瀧神社にも御朱印がありますよ。
案内してくれた方によると日によっていただけるかどうかが変わってくるようですが、私が訪れた際は運良く御朱印をいただくことができました。
越前和紙が名産のこの地で、和紙に書かれた御朱印がいただけるのは何だか嬉しいですね。
(現在は平日に石川製紙所さんでいただけるようです。)
いかがでしたか?今回は加治まや風に福井県の代表的な神社を楽しんでみました♪
皆さんも自分なりの楽しみ方を見つけてみてくださいね。