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大正14年創業【丸岡の谷口屋】100年続く伝統の油揚げを揚げたてでジューシーに味わおう!

一世帯あたりの油揚げ・がんもどきの購入額が61年連続一位の福井県。福井県内のお豆腐屋でも、さまざまな厚揚げが作られています。なかでも、厚さ3㎝、大きさ14㎝角とインパクトがある丸岡竹田にある「谷口屋」の油揚げ。工場併設のレストランで揚げたてを食べてきました!

大正14年創業【丸岡の谷口屋】100年続く伝統の油揚げを揚げたてでジューシーに味わおう!

桜子

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桜子

1.「油揚げ」の購入額が61年連続で全国一位の福井で大人気!丸岡町竹田の老舗「谷口屋」の油揚げ

  • (写真提供:谷口屋さま)
  • (写真提供:谷口屋さま)
  • (写真提供:谷口屋さま)

福井に来たら海鮮やお蕎麦だけではなく、ぜひ味わってほしいのが「油揚げ」。一般的な油揚げを想像していると福井の油揚げを見て面くらう。なぜなら、分厚くてずっしりボリュームがあるからなんです!


総務省の調査によると、油揚げ・がんもどきの購入額が、福井市は全国平均の2倍以上。年間6,099円を油揚げに捧げており、昭和38年の調査以来、61年間ずっと、全国一位の地位をキープしています。


そんな「油揚げ王国」福井県のなかでも有名で、愛され続けている油揚げが、福井県坂井市丸岡町の、谷口屋の「竹田の油あげなのです。というわけで創業大正14年、100年近く豆腐つくりを営む老舗「谷口屋」本店レストランを訪ね、油揚げづくりについてお話を伺い、「竹田の油あげ」料理も、しっかりと味わってきたいと思います。

2.揚げたてを食べれる!!工場併設の「谷口屋」本店のレストランを訪ねよう

  • (写真提供 谷口屋さま)
  • (写真提供 谷口屋さま)
  • (写真提供 谷口屋さま)
  • (写真提供 谷口屋さま)

「谷口屋」本店のレストランは、福井県坂井市丸岡町上竹田の国道364号線沿いの、鳥の声が聞こえてくる、のどかな山あいにあります。

表に停まっているキッチンカーの赤い車が目を惹きます。お店の外観も洋風で明るい雰囲気です。


店内に入ると、お土産ものコーナーがあり、定番のお揚げのほかにも、大豆固形成分15%の濃い豆乳や、贈答にもおすすめの北陸新幹線とのコラボの青いパッケージのお揚げなど、たくさんのお土産品が並んでいます。


また、充実しているのがスイーツ

福井県の平飼い地鶏「福地鶏」の卵と良質な素材を使った「豆乳ロールケーキ」や、濃厚卵を使ったプリンなど、オリジナル商品がたくさん並んでいます。

3.「丸岡の谷口屋」の「竹田の油あげ」とは?

全国の皆さまにおすすめしたい、「谷口屋」の「竹田の油あげ」の特徴を、おさらいしておきましょう。


1・想い  人にさしあげても間違いのない油揚げをつくりたい

2・大きさ 14cm四方の、ほぼ正方形!重さも手ごたえありの300g

3・厚さ  3cm全国的にもめずらしい厚揚げと薄揚げの中間の「中揚げ」

4・味   パリッと香ばしい表面の食感と、中がやわらかくジューシーに旨味が溢れる

5・素材  福井県越前町の海からとれる、昔ながらの製法で雪の中でひとばん寝かしたオリジナルの天然にがりと、白山から流れる水で作られた木綿豆腐を、約1時間かけて油で揚げている。

4.サクサク・ジューシー・しっとり。竹田のレストランでしか食べられない人気メニューの数々

  • 「あげ一枚 そば御膳」
  • カリカリ、ジューシー、ふわーっ。
  • 極味御前

揚げたてを味わえる工場併設のレストラン。席数も多く、メニューは、どれもこれも美味しそうです!

定番メニューの、「あげ一枚御膳」(1,759円税込)焼いたものよりサクサク感を一段と感じます。福井名物をダブルで味わいたい方には、お蕎麦のついた「あげ一枚 そば御膳」(2,025円税込)も、おすすめです。運ばれてきたお料理を見て、大きい!!完食できるかなと一瞬思いましたが、食べてみると、サクサクふわふわ、全く油がもたれず食がすすみ、ぺろっと美味しくいただけます。


そして、ここでしか食べられないメニュー「極味御膳」(きわみごぜん)(2,135円税込)。定番の油揚げと、半熟あげ食べ比べが楽しめます。わたしは、こちらをいただきました。半熟あげは、まわりの皮が柔らかく、ど真ん中はプルプルのお豆腐みたい!とっても身体に優しい味です。薬味に、特製味噌や、福井県河和田の名物「やまうに」もついてきて、味の変化も楽しめます。

また、「絹豆腐」もついていて、さすが老舗のお豆腐屋。何もつけなくても、大豆本来の味が濃厚です。越前塩をかけると、大豆の甘みがほんのり増しました。

働いているお店の方も、とても親切で感じがよく、帰りにはにたくさんの人が順番を待っており、大人気も納得のお店です。

テーブルの上には、越前塩や越前しょうゆ、ポン酢などもあって、好きなように味の変化を変えられるようになっているのも、楽しいですね。


5.なぜ谷口屋の油揚げはこんなに大きいの?背景に福井の報恩講料理の歴史あり

  • 有限会社谷口屋 広報部部長 谷口弘晃さん

14cm四方とビッグサイズの谷口屋の油揚げですが、そもそも福井の油揚げ全般が大きめなのだそうです。谷口屋 広報部部長の谷口弘晃さんに、谷口屋の油揚げと、福井の油揚げの特徴についておたずねしてみました。


「浄土真宗の信仰の厚い福井では、親鸞聖人のお話を聞き、精進料理を食べる「報恩講」という風習がありました。油揚げは良質なたんぱく源の高級品で必ず添えられていました。報恩講のお料理は特殊で、親鸞聖人をあらわすお料理をつくるのです。たとえば、ゴボウは杖のかわりだったり、里芋は寝る時に使っていた石の代わりだったり。それぞれの素材にも意味があって、すべて豪勢にしなさいという報恩講料理のルールがありました。


油揚げの役割はお袈裟で、福井県は大きくてお皿からはみだすくらいの油揚げでした。弊社も、当時は油揚げの幅が10cm角くらいでしたが、豪勢にしましょう!ということで、今の14cm角の大きさになりました。」

6.口コミで美味しいと評判に。大正14年から地域に愛され続ける「谷口屋」のあゆみ

●広報部部長 谷口弘晃さん

「1925年、曽祖父にあたる初代が竹田でお豆腐屋さんを開業しました。そのころは、竹田の雪まつりやお寺の「報恩講さん」のときに油揚げを作る程度でしたが、今から35年くらい前、丸岡の城下町の方たちや、山中温泉の女将さんたちのあいだで「竹田に美味しい油揚げがある」と口コミで広がって、買いに来てくださる方が増えてきたんです。


その頃、竹田のダム(龍が鼻ダム)建設があり、建設に従事する方々が買いに来てくれるようになって、目の前で油揚げを揚げているのを見て『揚げたてを食べてみたいから、お皿とお醤油ちょうだい!』と、その場で揚げたてを食べていく方が増えてきたのが、レストラン形態のはじまりになります。新しくお店を作る時は、レストランも併設しようということになり、約30年前くらいに今の場所にレストランもつくりました。」

7.「油揚げは繊細すぎる!」素材へのこだわり

●広報部部長 谷口弘晃さん 

「大豆も、同じ品種でも「山側」と「海側」では、全く味が違い、寒暖差の激しい山側の方が甘みが強くそちらを使っています。さらに、福井県産や他の地域の大豆を3~4種類くらいブレンドしています。

ほんとうに、油揚げは繊細すぎるんです。大雨の次の日になると、大豆がふくらみにくい。大豆が新豆になってもだめ。水質が変わっても、いつもの味にならないんです。同じ品種を使っても、とれる地域が違うとだめ。この時期にはこの大豆と指定しています。特に『皮』の部分に顕著に変化が出るんです。かみちぎれない、ごわごわの皮になったりとか。一番、困るのが、伸びない、ふくらまない。そんなこんなで、ようやく今は安定していますが、やはり大雨や新豆の時期には、気をつけるようにしています。」

8.「油揚げづくりはあわてたらあかん」美味しい油揚げをつくる一番の要とは

  • 揚げる前の木綿豆腐の状態

●広報部部長 谷口弘晃さん 

油揚げの製造工程もかなり手間暇がかかります。大豆を水につけますが、夏場で14時間。冬場だと22時間。水温しだいですが。水につける時間が長すぎて、急な注文があっても、製造量を増やせないのが今までネックでしたが、特殊な機械を導入して以来、時間短縮ができ製造量の追加に対応できるようになりました。

ふやかしたあと、すりつぶし煮込んで、おからと豆乳にわけてにがりを固め、型箱でプレスして、木綿豆腐を造る。木綿豆腐をカットして、6時間から一晩くらい寝かして、余分な水分をとってから、いよいよ油揚げを揚げる段取りになります。

いちばん大切なのは揚げることよりも、ベースになるお豆腐作りなんです。『油揚げづくりはあわてたらあかん』という、先代の言葉を座右の銘に、油揚げになるために生まれてきた木綿豆腐をじっくりと丁寧に作っています。外はサクサク、中はジューシーという食感の実現には、お豆腐づくりが何よりも重要ですから。」

9.「油抜きはもったいない!」超高級な菜種油で1時間じっくり揚げる

揚げる油にも、大変なこだわりのある谷口屋さん。引き続きお話を伺いました。


●広報部部長 谷口弘晃さん 

「油は、北海道産の菜種油の圧搾製法を100%使っています。流通量が日本の中でも0.2%と。非常に稀少な油ですが、うちの油揚げは、1時間という時間をかけて、じっくり揚げるから、いい油を使わないと、もたれてしまうんですよね。」

10.「揚げ始めたら目を離せない、止まれない」低温40分、高温10分の職人技

  • 木綿どうふの状態から
  • つやつやの色に変わってきました
  • (途中省略)できあがりです

揚げ方にも独自のこだわりがあります。低温40分、高温10分くらいですが、低温のところは一定の温度ではなく、温度を上げたり、下げたりしながら形にしていくそうです。


●広報部部長 谷口弘晃さん 

揚げ始めたら、目を離せない、止まれないのです。その日、そのとき、人によっても違うので、それを含めて揚げるのが一番大変ですね。」

11.谷口屋おすすめ「竹田の油あげ」とっておきの食べ方と、これからの抱負

広報部長 谷口弘晃さん
焼くのも良いですが、地元民の私のおすすめは油揚げの「煮物」です。家では、まるごと油揚げ一枚を砂糖、しょうゆ、みりんで煮て、いったん取り出し、じゃがいもとかごぼうなどの野菜を入れて煮込み、油揚げカットして戻します。油揚げが、煮物のコクを出す役目になって、抜群に美味しいですよ!!
煮こんだ油あげは絶品
私も、煮物大好きです!!じゅわっと油揚げから出る上品なだしと、コクが、たまりません!!煮物はレストランでも味わえますよ。
広報部長 谷口弘晃さん
他にも、米3合に対して油揚げをまるごと一枚刻んで入れて作る炊き込みご飯もおすすめです。
旨味が違う炊き込みごはん
谷口屋の竹田の油あげならではの「油あげごはん」、高級で美味しい油あげを満喫できて、とっても幸せな気持ちになれるはず!レストランでは、油あげ+ごぼうや人参など季節のお野菜が入った「炊き込みご飯」がいただけます。
広報部長 谷口弘晃さん
ゆくゆくは「日本の油揚げ文化」を世界に広めていきたいです。ベジタリアンやビーガンの方にも、福井の「お豆腐」や「油揚げ」を、自信を持っておすすめしていきたいです。

12.【番外編】行き帰りに寄りたい!「千古の家」「たけくらべ」

  • 千古の家 外観
  • 内観
  • 庭園

【千古の家】

「谷口屋」から車で2分くらい。坂井市丸岡町にある重要文化財である「千古の家」(坪川家住宅)は、よく手入れされた四季折々の花も豊かに咲き誇る、中世末期(江戸初期)の建造物です。書院づくりの藁ぶき屋根の落ち着いた雰囲気で、ほっと、ひと息つけますよ。(平日の入館は予約制)

「千古カフェ」もあり、囲炉裏で十割蕎麦やぜんざい、コーヒーがいただけます。(カフェは予約制。ドリンクは前日まで、お食事は1週間前までにご予約ください。 )


【丸岡温泉 たけくらべ】

源泉100%の温泉で、宿泊も日帰り入浴もできます。お湯は透明でやわらかな温泉です。日帰り入浴は大人500円、3歳以上300円と、お値段も良心的です。


桜子

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